東方新人録~幻想郷の(非)日常~   作:祇風

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第十七話 幻想入りした者達への洗礼2

side 綾

 

 

皆が先に会場に帰った後、蒼と一悶着あったが無視して戻ってきた

 

気分が悪い。酒でも煽ろう、ヤケ酒でもするのが一番…と考えていたら殺気に近いものを浴びせられた

 

つい反射的に殺気らしきものが発せられる方に刀を召喚し投げ付けると

 

「うおっ!!」と言う声とゴスッという転んだような音と共に殺気らしき物も消える

 

両手に妖力を纏わせ近づくと其処に転んでいたのは白黒魔女、確か霧雨魔理沙。

 

「いててて…、いきなり何にするんだぜ!?刺さったら死ぬだろ!!」

 

とまぁ、普通の反応を返してくる。さっきの殺気はこいつじゃない…?

 

「え~と、つい手が滑ったスマソ。」

 

「棒読みすぎるぜ!?後お前、此処に来たとき武器持って居なかっただろ、それに『つい』で人に刀を投げ付ける奴がいるか!!説明しろ!!」

 

「HAHAHA。武器に関しては俺の力だ。投げたのはほんとに手が滑っただけだから許せ」

 

と一応素直に謝っておく。

 

「それで謝ってるつもりかよ…。いいやそんな事より栞がお前のこと探してたぞ。アリス達と一緒に居るから行って来い」

 

と魔理沙が指指しながら教えてくれる。「おっけー、分かったわ」と返事をして会場に進む

 

「お、綾。こっちこっち」と栞が女の子と一緒に座りながら手を振る

 

そっちに進むと何処かで遊んでいたであろうお燐とお空が走り寄って来る

 

お空は頭にのり、お燐は肩まで自力でよじ登る。手を貸して位言えばええやん…

 

「えっとアリスさんで良いですかね?俺は地霊殿で図書員やってます古明地 綾といいます」

 

「私はアリス・マーガトロイドよ。魔法の森に住んでいる魔女…魔法使い、よろしくね」

 

と丁寧に返してくれる。ふむ…この感じは妖力でも霊力でもない…なるほどこれが魔力か。

 

そして手を差し出されたので軽く握手をする。細い手だ、だけど本気で握られたら多分手を砕かれるだろう

 

「それで綾、頼みなんだけど俺に武器を作ってくれないか?」

 

ああ、あの時話してたオーダーメイドの件か

 

「良いけどどんなのが良い?大剣?太刀?槍?槌?小太刀?時間かかっても良いなら銃、魔法道具、呪具も作れるぞ」

 

とすこしうきうきしながら召喚しては消し、召喚しては消しと見本を見せる

 

「…うーん。そうだね、魔法道具で銃を作ってくれって言ったら出来る?2~4は欲しい」

 

「んな無茶なと言いたいが出来ないことは無いと思うけど時間は掛かるよなぁ…」

 

と少し頭を捻っていると良い案が浮かばず最近作ったビー〇〇ーベルをくるくる回す

 

「綾…さん、それはなに?」

 

とアリスさんが興味を持ったのか見てくるのでそれを手渡し、

 

「綾でいいですよ。これは霊力、妖力を媒介に刃を作り出す物ですよ。強めに握れば出来ますから」

 

と簡単に説明するとアリスさんは一回見回した後、握りこむと薄い青の刃が出来上がる

 

「へぇー、すごいわねこれ。でもどうして青いのかしら?」

 

「それはアリスさんの魔力の質が青に近いからですよ。」

 

質と表現したが一人一人が霊力、妖力、魔力、神力と別れているのと同じように一人一人に力を表した色がある。それを刃として精製するのがこのビームサー〇ルである

 

「なるほど…栞もやってみたら?」

 

「え、ああ分かった」

 

と言ってビームサーベルを受け取り、アリスさんと同じように力を流し込むと刃が現れるのだが

 

「橙色か…ちょっと色が薄くないか?」

 

と角度を変えて何度も見直すも色は薄いままだ。どう見ても薄い、ギリギリで色が判別できるぐらいだ

 

「見た限りだと魔力?が操れるようになったのはまだ最近なんだろ?だから回路がまだ完全に開ききってないんだろ」

 

回路とは外部に霊力、妖力、etcを放出するための道筋とでも思ってもらえば良い

通常は体内だけに内包し外部に放出することは無い、つまり回路を使うことは無い。

そのため、回路は歳を負う毎に衰退する。逆に言えば放出し続ければ回路が活性化し外部に放出することができる、ほんとに稀であるが増えることもある

 

後、人間には大体10~20の回路があり妖怪、魔女は20~であり、神になると回路を必要としなくなる

 

因みに俺の知っている友人には回路を27本所有していた。全部使っているわけではないけどあいつ、今生きてるかな…(遠い目)自分から命を投げ出すやつだからな死んでないと良いな…

 

「そうなのか?俺にはまだ良く分からないな、返すよ」

 

と栞が手に持っていたビームサーベルを返してくる。それを受け取り腰のホルダーに仕舞おうとしたときに横から掻っ攫われる

 

「へぇー、こんなのが魔道具なのか。ちょっと借りてくぜ!!」

 

と魔理沙が俺の手から奪い去り持ち逃げを敢行しようとするので仕方なく消す

 

「あ、あれ!?消えたぜ!?」

 

「俺の能力だって言ってる。後勝手にもって行くな」

 

と言うと不服そうに座り込むと何か思いついたように口を開く

 

「じゃあ、私にも魔法道具を作って欲しいんだぜ!!」

 

「断る、作って欲しければ…そうだな蒼に勝てたら作ってやっても良いぞ」

 

と魔理沙からの依頼をあっさり払いのけ、試練と言う名の難題を突きつける

 

「そんなの簡単だぜ!!で蒼って何処に居るんだ?」

 

「多分、さっき俺がいた部屋だと思うが、お来た来た」

 

「あいつか!なら一勝負してくる!!」

 

と魔理沙が突っ込んでいったので蒼が困惑しながら俺を見てくるので

 

「【後は頼んだぜっ!!】」と心に直接語りかけるとぶっ飛ばされた、いや飛ばされたと言うべきか

 

気がつくと空の上、数秒すると全身が叩きつけられる。痛い、後溺れる!!

 

全力で這い上がると、そこは湖だった。岸に這い上がると赤い建物が見える

 

「ゲホッ、ゴホッ…ゼェゼェ…溺れるかと思った」

 

皆はどこだ?と思い、感覚を研ぎ澄まし蒼の霊力の発信源を探る

 

するとここから遠いところに大きな反応が現れる。蒼のではないが其処に多くの人が集まっていることが分かる

 

「あそこか?ま、いいや間違っていたら戻ってこれば良いんだし」

 

と脚に妖力を纏わせ地面を踏みつける。これで軽く跳ぶことが出来る

 

それを何度か繰り返すと天狗が空を飛んでいるのが見えたが危険回避能力が関わるのはまずいと叫ぶので隣をすぐさま通り抜ける

 

「え!?人間が空飛んでる!?これは大スクープですっ!!」

 

と叫び声に近い独り言?が聞こえた。一先ず逃げるし!!

 

と色々(追いかけられ、顔を撮られかけた)が博霊神社までたどり着くことが出来た

 

そしたら庭?縁側?で戦っていたようで霊力の残滓を感じられた

 

すると蒼が見えたのでその近くに飛ぶ

 

「お、もう終わったのか?やっと帰ってきたのに…」

 

と呟きながら降り立とうとすると叩き落された。体が半分近く埋まる踵落しってなんですかね(真顔)

 

抜けるのに椀力だけでは足りず妖力を全身に纏わせ力を籠めることでやっと抜け出せるが

 

這い出したらフランちゃんがとてつもないくらい笑顔で俺を見てる

 

「ゲッホ…ゴッホ…、え?何?」

 

と蒼の顔を見上げればなんか居る…。そうイメージで言うならマグマラシ…

 

「まぁ、妹様と遊んでやってくれ。遊びで済むなら良いが…」

 

となにやら投げやりな言い方で軽く手を振りながら言い放つ

 

つまり言いだしっぺは蒼自身ではないらしい。となると予想では蒼の頭の上に居るマグマラシが主犯…。睨んでみると

 

『なんだ妖怪、我に何か用か』と心に直接語りかけてくる

 

この喋り方、容姿を除いて蒼が出せるものの中では妥当なのが清明の遺産…十二天将か。しかも赤が目に付く…朱雀か?

 

『残念だが朱雀ではない。我をあんな小童と同じにするな。貴様こそ妖怪の分際でよく我らのことを知っておるな』

 

朱雀を小童呼ばわり…、となると貴様は騰蛇か。これでも俺は妖怪…お前らのことぐらい知っていて当然

 

『ふむ、存外頭の回る者のようだな貴様は。』

 

腹立つ言い回しだな…だが褒められていると受け取ってやるよ火だるま

 

『…貴様、そのうち燃やしてやるから覚えておくが良い』

 

と完全に負け犬台詞を吐く騰蛇。よっしゃ勝った

 

「それで蒼、遊ぶって具体的にどう遊べば良いのさ?弾幕か?それとも…(吸血鬼だし、殺し合いか?)」

 

と目で訴えかけると「どちらでも鎌わない」と言う返答が来た。なら殺るか

 

「よしフラン。遊んでやろう!ただし弾幕じゃなくて正真正銘の勝負な」

 

と勝手にで悪いが決めると目を輝かせるフラン…あれこれ地雷踏んだか?

 

「ほんとに!?殺って良いの!?壊しても良いの!?」

 

あ、これ踏んだ。間違いなく踏んだ。

 

「あー、うん。いいよ。死なないように頑張る?よ」

 

目を輝かせながらこちらを上目遣いで見てくるから断りきれなかった…さらばこの世よ…

 

「あら、綾。貴方本気でその子と闘うのなら限定的にだけどルールを作ってあげても良いわよ?」

 

と左手に扇を持ち、右手には杯を持った紫が軽く微笑みながら提案してくる

 

「…何が目的だ。」

 

正直、俺はこの八雲 紫が嫌いだ。ただそれは妖怪としてではなく俺個人の意見だが

 

元々、覚妖怪は相手を知るために読心を覚えた。だから相手の心を読むことに俺たちは安心感、優越感を持つことが出来る(だがその結果が妖怪と呼ばれるようになり忌み嫌われた)

 

つまり相手の心が見えなければ覚妖怪は無意識のうちにその相手を嫌う癖がある

 

だが俺はそれを理解したうえでもう一度言うが八雲 紫は嫌いだ。心を読めず、顔にも出ない胡散臭い感じが嫌いなのだ

 

「何も考えてないわよ?ただ貴方が無残に死ぬ様を見るのは耐えないだけよ」

 

「それに」と一言付け加えると直接頭に声が響く

 

『貴方の御友人が呼んでるからね。一度現世に送らなければならないのよ』

 

と何かを企てている様な意味を含んだ声で言う

 

『後は、私個人でも貴方に頼みたいことがあるのよね。』

 

むしろこっちの方が本題のようだ。こいつの手の上で踊らされることが見えるがまだ死にたくは無い、だから

 

「…一つだ、死ぬかも知れない攻撃は強制終了。それだけでいい」

 

「あら、そんな簡単なもので良いのかしら?あの子の攻撃は全て致死確定よ?」

 

とフフフ…と微笑みながら左手の扇を口に当てる

 

「逆だ。俺があの子を殺さないための伏線…少し腕が鈍ってる、加減を間違えたら殺してしまいそうだ」

 

と本音を吐露しておく。実際嘘は言ってない

 

こちらにきてから能力に頼りきり本来の戦闘スタイルを一度も使用していない

 

「あら、この遊びで貴方は本気で殺り合う気なのね」

 

「吸血鬼は手加減されるの嫌いなんだろ?あの子がそんな価値観を持ってるかは知らないが」

 

と紫との会話を一方的に打ち切りフランと向き合う

 

「ねぇ、お兄様!ほんとうに本気で闘っていいの?」

 

ともう一度、念のためか?聞いてくる姿は何かに恐怖しているようだ

 

「安心しろ、俺も本気でやってやるから安心して掛かって来い」

 

と声は少し威圧のあるものになってしまったがまぁ大丈夫かな?

 

「じゃあ…行くよっ!」

 

と言い放ち両手に力を籠め始めるフラン。俺も全身に妖力を纏わせ身体能力を底上げにする

 

「レーヴァテインっ!!」

 

フランの手の中に炎でできた大剣が出来上がる。それを何度か振り回すとこちらに向き直りしっかり俺を見据えてくる

 

「…っ!!」

 

気付いたら目前にまで接近された!!大上段に構えられた大剣を左手で軌道をずらす事で切られずにすむ。そのままバックステップでフランとの距離を取る

 

「あれ、避けられちゃった…。でもこれならどう!?」

 

と大剣を持っていないほうの腕をこちらに向けている。何か魔法でも飛んでくるかと思った俺は両手に纏っている妖力の量を増やし防御に回るも

 

「きゅっとして…ドカーン!!」

 

とフランが向けていた手を握り締めると妖力を吹き飛ばされ袖を持っていかれる

 

なんだ!?いきなり弾けたぞ!!と考えながらも動きを止めることが不利だと分かり木々、屋根を使い不規則に飛び回る

 

「んーっ!!当たんない!!」

 

とフランが次々に手を向けた所を破壊していく、その能力を見抜くために観察を続けるが

 

「あの能力…、炎を操るタイプか?いやでもそれだとさっきの攻撃の方法に説明がつかない…」

 

とりあえず、近接ならいけるか?と思ったので地面に降りた瞬間にフランの方へ飛び込む

 

「せいっ!!」とフランが横振りで吹き飛ばそうとするのをしゃがんで避けてから腹部に妖力で底上げしたパンチを繰り出すと普通に吹っ飛ぶフラン

 

「…すこし力みすぎたかな…」と反省するのも当然

 

「…むきゅうぅ……」一発でノックアウトしてしまった。

 

そんなに力入れたつもりは無いんだけど…

 

と周りを見渡せば驚愕に目を開いてる人方が多い…。これはやばいフラグ?

 

「綾…だったかしら」

 

と赤白巫女が近寄ってくる、雰囲気が怖い…具体的に言うなら魔王と対面してる気分

 

「えーとそうですけど…な、何か?」

 

「私と正式なルールの上で勝負なさい」

 

と決闘?を申し込まれるがこれ以上悪評たてると地霊殿のイメージが変わりかねない…ので

 

「…俺と勝負したかったら後日にしてくれないですか?なんかワンパンで倒せましたけど正直疲労がやばいんですよ。今日は変わりに栞を出すんで…」

 

と会場内でアリスたちと話し込んでいた栞を指差しながら言うと

 

「……あんた、何か良からぬこと考えてるんじゃないでしょうね?い、ち、お、う、言って置くけど何か悪さ起こしたら直ぐに潰しに行くからね覚えておきなさい」

 

と言い残し栞の方へ進んでいく霊夢さん。栞すまないお前のことは忘れないぜ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

博霊神社の裏山、八雲 紫に連れられ来た先にはこじんまりした滝と池のある場所

 

「それで八雲 紫。俺に頼みたい事とは何だ?」

 

「そんなに急かさないで。ここにはね幻想郷を統べる神様がいるの」

 

と唐突に訳の分からないことを話し出す紫

 

「なんの話しだ?それに幻想郷を統べる神様って居ないんじゃないのか?」

 

幻想郷にある書物には神様と言う言葉がよく入っているが幻想郷を統べる神様なんて書かれて居なかった

 

「それはそうよ。神様は人に姿を見せない。だから変わりに私が管理している」

 

と紫が今まで浮かべていた笑みを消し、池に手を翳すと

 

「………なんだ…これ」

 

池が突然動き出し立ち上がる。その光景は滝に水が戻るような光景でその水の中に子供ほどの身長の人影が見える

 

「あれが幻想郷を統べる神様…そして―――――」

 

その光景はまさに幻想的で

 

「―――あなたが次の候補よ」

 

信じられない言葉を聞かされた

 

 

「それとね、貴方に直接依頼があるわ。内容はまだ伝えないわ」

 

池から立ち上る水は元に戻り、その水面に立っている少年のような少女

 

「けれど今のうちから地霊殿の戦力を整えておくことね」

 

と紫は告げると水面に立つ少女に向かって目配せをした

 

そうするとその少女から何かを与えられた。それがなんなのかは分からないがこの後起こる最悪の結末と一つの希望を見せられた

 

それと一言だけ幼さの残る成熟しきっていない声で

 

『汝の進む道に我のご加護を…』

 

とだけ言い残し少しずつ姿を消していく少女

 

「待ってくれ!!お前は何者だ!?何故俺が候補なんだ!!」

 

と叫ぶ声も空しく消える少女

 

「いいわね?綾。貴方にはその未来を見せられた意味がある、それを理解した上でこれからの動きを考えなさい」

 

と紫も言い残し消える。俺はその場で放心した

 

「一体何がどうなってんだよ……」




Fate終わりましたね…、沢山のフラグ詰め込みましたがどれだけ回収できることやら…(汗
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