東方新人録~幻想郷の(非)日常~   作:祇風

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やっと本題に入れます…

ではゆっくりしていってね!


幻想郷での生活
第一話 〜蒼炎、紅魔館に執事入り〜


「すみませーん、ここの主の……レミリア・スカーレットさん?にお会いしたいんですけど〜(現在、仕事モードoff)」

 

 

巨大な屋敷の、西洋風な大扉の前。蒼炎は、イマイチ気力の無い声でそう呼びかけた。

 

 

ブレザー型の制服に似つかわしくない、呪詛の刻まれた札があちらこちらのポケットから覗いている。

 

 

その中に1枚、御札ではなく、三昧折の手紙が混じっていた。

自分を一瞬で昏倒させた人物からと思われるその手紙には、今の最低限の状況、

綾の選択に加え、次のような事が書いてあった。

 

 

 

『……………目の前の館、紅魔館の主人、レミリア・スカーレット に会い、「八雲」の名前を出してそこの執事にしてもらいなさい。そしてここでの生き方を覚えるといいわ………………』

 

 

 

 

「全く、俺としたことが油断したな……」

 

陰陽師というのは本来、魔を祓ったり、霊的な力場の乱れをあるべき流れに戻す者のことである。

 

 

よって肉弾線に関しては通常、陰陽師は専門外の話なのだが、蒼炎の場合、陰陽師の中でも常に近くに妖怪(ただし半妖)つまり綾を置いているイレギュラーな存在である。

 

その綾が仮に暴走したときには直接的にその力を鎮める事も必要だった。

(まあ最近は、自分で妖怪の力を制御出来る程力をモノにしてたのでそんなことは無くなったのだが)

 

それに、綾の力に反応して活性化する妖怪にも、常に気を使う必要があった。

 

にも関わらず、自分に感知もさせず、反応も許さないうちに、一撃で自分を昏倒させたそのヤクモという人物……

 

そんな実力者が、俺達を此処に連れてきた事には、何か明確な目的があると蒼炎は感じていた。

 

相手の思い通りというのは癪だが、「俺達」にその鍵があるのなら、この手紙に従っておいてまぁ危険は少ないだろう。それについては、このように「知らない世界に迷い込んでいる」という時点で既に負っている程度のリスクだ。

 

なのだ、が……………

 

 

 

「執事、ねぇ………」

 

 

 

今までの自分の立ち位置を思うと余りにアレな役回りに、蒼炎は完全に気乗りしていなかったのである。

 

 

 

 

そうして、大きく溜息をついたところで、途端に時間が止まったような感覚に襲われる。そして次の瞬間には、青のメイド服を着た白銀の髪の女性がそこに現れた。

 

 

(おぉ……成程、まさに幻想郷って訳か……)

 

 

自分もそこそこ異能者側の人間なのだが、蒼炎は素直に驚いた。

 

 

 

驚いた、のだが………

 

 

 

「何者ですか?」

 

「うん。答えるからそのナイフ下ろしてくれないかな?」

 

 

………蒼炎としては、その女性の自分へのいの一番の対応が「首筋にナイフを突きつける」だったことの方が、2割増しくらい驚きなのであった。

 

 

 

〜少年説明中……〜

 

 

 

「なるほど、貴方の事情は分かりました。」

 

事情を1から10まで説明するのもめんどくさかったので、貰った手紙をポイと渡すだけ渡したのだが、女性にはそれだけで理解できたようだ。

 

 

「しかし、執事、ですか…」

 

 

女性は手紙から蒼炎に視線を移し、じーっと見た。

その視線は、少なくとも蒼炎には、警戒の色より………何かもっと別の嫌悪感を抱いているように思えた。

 

 

「………執事というのは向こうが勝手に出した条件だが、一応世話になる分には下働き的な事ももしなけr」

 

「メイド執事を下働きと同じにしないで下さい」

 

なんか怒られた。………何が違うのだろうか。少なくとも自分はそう思って居たのだが。

 

「………そのような方に安心して執事を任せられません。」

 

えぇ!!?判断基準そこ!?蒼炎は強く思った。

しかしまぁ、センパイ(仮)に言われては仕方ないと、もともと乗り気でなかった蒼炎が早々諦めかけた時…

 

 

 

「いい事じゃない、下働きが増える事は?」

 

 

いきなり頭上から声が響いた。

見上げると、そこには青髪の幼女がこちらを見下ろしていた。

 

 

「お嬢様……」

 

「うふふ、冗談よ冗談」

 

てっきり令嬢か何かだと思ったその幼女は、手紙に書いてあった、この館の主人、レミリア・スカーレットらしく、蒼炎は先刻ナイフを突きつけられた時の13.6倍(当社比)は驚いた。

 

 

 

「全くもう…………ところで、そんな間抜けな顔していかがなさったんですか、居候」

 

「え……居候……って事は、一応ここにいる許可は貰えたって事なのか?」

 

「お嬢様がそう申すなら、そうするしか無いでしょう。貴方には言葉通り、下働きをしてもらいます。で、貴方今……お嬢様に対して何か失礼な事を考えませんでした?」

 

………。

 

「いや?考えてないな。」

 

「何ですか今の間は」

 

意外とめんどくさいな。このメイド。

まあ主人に忠誠をつくす事はメイドとしては正しいんだろうが。

 

 

 

「で、レミリア…様的には、認めてもらったって事で良いんですか?」

「ええ、良いわ。おそらく「あの人」は、私の能力を買ってここに貴方を送ったんでしょうし。」

 

その言葉の意味は分からない。

だが、やはりこの幼女も何か能力………それも、あれほどの実力者が買う程度のものを持っているようだ。

 

「後で貴方の「執事」服を用意させるわ。そんな変な服じゃ、格好がつかないからね。」

 

「ちょ……お嬢様」

 

「いいじゃない、一度メイドと執事のコラボレーションってやつを見てみたかったのよ。」

「………。はい。」

 

おー、睨んでる睨んでる。…幼女に敬礼向けたまま。器用だな。

「だから……」

 

 

 

「貴方のそのダサい服のポケットにあるもの。ここでは持ち歩いちゃ駄目よ?」

 

 

「えぇ!!?」

 

思わず叫んでしまった。御札を見破られたことにではない。「持ち歩いちゃ駄目」と言われた事に対してだ。

 

この札は霊的なものと対する力。勿論札無しでも、自力でそれ以上の力を使えるが、あって楽だということは変わらない。

 

ましてこんな世界じゃ、一々力を使ってたらすぐバテる。なのにこの幼女はそれを知っての蛮行k

 

「どうぞ。お嬢様。」

 

「ありがと。って訳でこの紙切れ没収ね?」

 

「ええ!!?あれ!!?いつの間に!!?」

 

そんな脳内モノローグをしてるうちに、センパイ(仮)がいつの間にか俺の服から御札を掠めとって、幼女に渡していた。

 

「良いじゃない。貴方の武器みたいだけど、ここには貴方に敵対する妖怪なんて居ないわ。」

 

「ホントですか?出てくときは返してくださいよ?」

 

「返しません」

 

こいつ……

 

「いいから早く入りなさい。咲夜、この子に紅魔館を案内してあげて。」

 

「畏まりました。」

 

そうして、半ば強引に…というか無理矢理に蒼炎は先輩メイド……咲夜に屋敷へと引きずっていかれた………

 

 

 

……………

 

 

 

 

誰も居なくなった紅魔館の正門で、レミリア・スカーレットは独りごちた。

 

「ふふ………面白い子が来たわね。」

 

そして、自分の掌を見た。

 

 

 

「あの子はもうすぐ覚醒する…………私の能力でも、ここまでは……読めなかったわ。さて……どうしたものかしら。」

 

 

 

……蒼炎の札を受け取ったその右手は、皮膚が捲れ、血が滲んでいた。




いい忘れてました…

このお話の時代は現在(原作基準)で起きた異変が終わっているところなので

原作キャラが異変を起こす予定はないです(今のところ)

頑張ってストーリーを考えていきますので是非読んでいってください

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