戦記絶唱シンフォギアの世界で俺は・・・復讐する 作:天空翔太
ーーー ジンが翼を追いかけていった少し後 ーーー
戦「ふざけんな……!!なんで
しかも、翼の目の前で?何の冗談だよ!!」
弦「……残念だが、事実だ。だが、お前たちの話が本当なら、戦兎君ではない何者かが、ビルドの姿をして、翼の前に現れ、リゾルヴを庇った。……奏君の心を壊した張本人を、だ」
万「ビルドの姿で、あんなことを……!許せねぇ……!!それにリゾルヴって奴も、奏って子の心を壊すなんて、最低だ!!」
弦「俺も許すことは出来ない。だが、リゾルヴがノイズから大勢の観客を守ったことも、また事実だ。……本当に、リゾルヴをただの加害者として切り捨てることが、正しいのだろうか?」
戦「……大勢の人を守ったとしても、人の心を壊していいわけがない!!……俺たちのビルドが、あんな奴を守るために使われた……それだけで十分だ。俺は、リゾルヴも、ビルドを語った偽物も……許さない」
万「じゃあ、やるしかねぇだろ。そのリゾルヴって野郎とビルドの偽物をぶっ飛ばして、奏の心を取り戻す。それが、俺たちのやるべきことだろ?」
戦「ああ。……そういえば、ジンはどこにいるんだ?」
万「翼の事を追いかけてったぞ。…まあ、ジンなら大丈夫だろ!!」
戦「…それもそうだな。さあ、どうなる第5話!!」
ジ「……私のいないところで、戦兎にセリフをとられた気がするのは気のせいか?」
……私は、桐生の叫びに耐えられなかった。
あの叫びを聞いていると、胸の奥が、焼けるように痛んでくる。
気づけば、私は部屋を飛び出していた。
……あれは、奏が、血反吐にまみれながら歌い、手にした『ガングニール』だ。
それを、あんな、戦いについて何も知らない人間が、手にしている。……許せるはずがなかった。
あの子が悪いわけじゃない。……そんなことは分かってる。でも、納得なんてできるわけがない。
そして、リゾルヴ──奏の心を壊した存在。
二年間、奴について調べても、何も情報を掴むことができなかった。
……奴の正体について、ようやく、手がかりが掴めると思った。
でも──違った。彼は、奴とは無関係だった。
桐生の発言には、何か引っかかるものがあった。だけど、彼の叫びを聞いて、なんとなく分かってしまった。……リゾルヴを助けたビルドが、彼ではないことに。
「(…奏、私は、どうすればいいの……?)」
怒り、悲しみ、疑念。すべてが絡み合って、私がぐちゃぐちゃになっていく。
──その時、背後から足音が聞こえた。
「翼さん!!」
振り返ると、そこには桐生達と一緒にいた協力者、ジンがいた。
「……何の用ですか?」
冷たい声で言い放つ。だけど、声が少しだけ震えた。
私は、それを隠すように、視線を逸らす。
「…翼さん、全部抱え込んで潰れそうになっていませんか?響君のことも、戦兎のことも、そしてリゾルヴのことも……全部、混ざって、ぐちゃぐちゃになっている」
「…うるさい」
「……私には分かる。貴方が怒ってるのは、響君が、奏さんのギアを使っていることが許せない。奏さんの心を壊したリゾルヴを守ったビルドを許せない。でも、あのビルトと、戦兎は無関係だと分かってしまったことで、怒りの矛先が見えなくなった。……こんなところだろうか?」
「・・・・・」
「……響君が、戦いに関しては素人で、貴方の大切な人が使っていたシンフォギアを使っていて、気に食わないのは分かる。そして、リゾルヴを守ったビルドと同じ姿で、戦う戦兎を信じられないのも分かる。でも、結局は、貴方と同じ戦場で戦う事になるはずだ。……信用することは出来なくても、信頼することは出来るんじゃないのか?」
私は、ジンの言うことに納得できず、反論する。
「…私は、防人としてこの身を剣とし、戦い生きてきた。…桐生は良いとして、あの子は、ただの一般人でしかない。そんな人間は、
ジンは、私の言葉を聞くと、少しだけ遠くを見つめるように言った。
「……そうだな。戦兎は戦えるから良いとして、私も、響君が戦うことには賛成できないな」
「……え?」
思わず、聞き返してしまった。さっきまであの子を、桐生を、信頼することが出来ると言った彼の口から、そんな言葉が出るとは思わなかった。
「響君は、きっと戦場に出る。……たぶん何を言っても止まらないだろう。でも、私には、響君には自殺願望があるようにしか見えないんだ。……もしそうなら───私は、絶対に見過ごせない」
ジンの声は、静かに、でも確かに震えていた。
………あのどこにでもいそうな子が、自殺願望?
ジンの言葉に、私が疑問を抱く中、彼は、私に頭を下げてきた。
「貴方が、響君のことをよく思っていないことはわかっています。だけど、響君を死なせたくないんです。…少なくともがあの子がまともに戦えるようになるまで、どうか守ってやってください。 ……どうか、お願いします」
私は、言葉を失った。
「……なぜ、そこまで、あの子──立花にこだわるんですか?」
ジンは、少しだけ目を伏せると、ぽつりと呟いた。
「……戦兎と万丈の戦いを、知っているから……かな」
ジンの口から出てきた名前に、私は息を呑んだ。
「彼らは、戦いの中で、いろんなものを失ってきた。それでも、彼らは、前に進んできた。でも、響君は違う。あの子には、まだ、守るべき日常があるんだ!!」
ジンの拳が、震えていた。
「私は、誰かが死ぬのは、もう見たくないんだ。それに戦兎達にも、これ以上失ってほしくない。
そして翼さん。貴方も含めて、皆さんには幸せになってほしいんだ。……だから、お願いします。
戦兎が……彼らが信じた、愛と平和を守るために、貴方の力を貸してください」
私は、ジンの頼み事に、すぐに返事を返せなかった。
「(桐生は……彼らは、何も失っていない訳じゃないのか……?)」
私は、ジンに、どんな返事を返せばいいのかわからず、ジンの言っていた事を整理しようとする。 すると、扉が開く音が聞こえた。振り返ってみれば、あの子──立花響が、駆け出てきた。
その後ろを、万丈と桐生がついてきていた。
「私、戦います!」
立花は、私のところに来ると、いきなりそう言いだしてきた。
「慣れない身ではありますが、頑張ります!一緒に戦えればと思います!」
そう言うと、立花は、私に手を差し出してくる。
「……万丈。戦兎は、大丈夫なのか?」
「ああ、もういつも通りに戻ったから大丈夫だ!!」
「…なら、いいんだが。響君の方は……」
「…まあ、そういうこった」
「やっぱり……戦うんだな」
「・・・」
私は、戦兎の状態を万丈に確認していた。その一方、翼さんは、響君が差し出した手を見つめた後、やはり納得がいかないのか、目をそらしていた。
「……あの・・・一緒に戦えれば・・・と………」
その時、まわりの明かりが消えると、二課の施設内にけたたましく警報が鳴り響く。
「なんだよ、これ!?」
「ノイズだ!!行くぞ!戦兎、万丈!!」
「なんで、ジンが仕切ってんだよ!!」
「ノイズの出現を確認!」
「本件は我々二課で預かることを一課に通達!」
私達の着いた先の司令室では、弦十郎さんが職員たちに指示を飛ばしていた。
「出現地特定!座標でます。! リディアンより距離二百!」
「近い……」
「迎え撃ちます!」
場所を聞いた翼さんが、現場へと駆け出す。
「俺たちも行くぞ!万丈!」
「おう!!」
戦兎と万丈も追いかけていく。その後に続いて、響君もついていこうとする。
それを見た弦十郎さんは、響君を止めようとする。
「待つんだ!君はまだ…」
「私の力が、誰かの助けになるんですよね?シンフォギアの力でないと、ノイズと戦うことは出来ないんですよね?だったら行きます!」
響君はそう言うと、そのまま戦兎達を追うように走っていった。
「・・・・・」
「安心してください。弦十郎さん」
一人残った私は、弦十郎さんに言う。
「しばらくは、戦兎と万丈が、響君を守りますから」
「……頼んだぞ」
私は、弦十郎さんの言葉に頷くと、戦兎達のサポートのためにその場を離れる。
「危険を承知で誰かの為だなんて、あの子、良い子ですね」
「……果たしてそうなのだろうか?」
「…え?」
「翼のように、幼いころから戦士として鍛錬を積んできた訳ではない。ついこの間まで、日常の中に身を置いていた少女が『誰かの助けになる』というだけで、命を懸けた戦いに赴けるというのは、それは
「…つまり、あの子もまた私たちと同じ、『こっち側』という訳ね」
五人が去った後の指令室には、重苦しい空気が漂っていた。
日本政府から、避難を促す放送が街中に響き渡る中、ノイズの出現地に到着した翼、戦兎、万丈の三人は、何十体ものノイズを目の前にしていた。
そして到着した瞬間、戦兎と万丈に、ジンから通信が入る。
『現場の住民はすでに避難済みだ。周囲にも人影は確認されていない。思い切りやっていいぞ』
ジンの声に、戦兎が頷く。
「了解。なら、遠慮は要らないな」
だが──その言葉を合図にしたかのように、ノイズたちが動き始める。
その場にいたノイズが、溶けるように形を崩すと、液体のように地面に広がっていく。
次の瞬間──それらは一気に集まり始め、やがて、巨大なノイズへと姿を変えた。
「…うっそーん」
「マジかよ……」
戦兎と万丈は、ノイズの変貌ぶりに唖然としていた。
だが、幾度もノイズと戦ってきた翼にとって、このような事態は慣れていた。
そのため、彼女は、静かに聖遺物の起動聖唱を行っていた。
「―――Imyuteus amenohabakiri tron―――」
聖唱を歌い終えると、胸のペンダントが輝き出し、翼は、蒼銀の装甲を身に纏う。
「そんじゃ、俺たちも行きますか…」
「…上等だ!やってやるよ!!」
戦兎はポケットから、ラビットフルボトルとタンクフルボトルを取り出すと、十分に振ってからシールディングキャップをボトルの正面に固定して、ビルドドライバーに挿し込む。
『ラビット!』『タンク!』『BESTMATCH!』
万丈も、自分のもとに飛んできたクローズドラゴンをその手で掴み取ると、ドラゴンフルボトルを取り出して思いっきり振る。そして、クローズドラゴンにドラゴンフルボトルを挿し込むと、頭部と尻尾を折りたたみ、本体の赤いボタンを押してビルドドライバーにセットする。
『Wake UP!』『CROSS-Z DRAGON!』
二人は、ボルテックレバーを回して、スナップライドビルダーを展開する。
『Are You Ready?』
「「変身!!」」
『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!』
『Wake UP Burning!』
『Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!』
「おっしゃあ!!」
クローズに変身した万丈は、拳を合わせて、気合を入れる。だが、その横でビルドに変身した戦兎はすぐさま駆け出す。翼は、すでに、歌いながら巨大化したノイズと戦っていた。
「あ!?おい!待てよ、戦兎!!」
…そんなビルドを追いかけるように、走るクローズ。
その一方、向かってくる翼を迎撃するべく、ノイズは、体についていた羽を全て射出する。
ノイズが繰り出す攻撃を翼は物ともせず、アクロバティックに躱していく。しかし、躱した筈の羽がブーメランの如く軌道を巻き戻し、再び翼を狙っていく。
その瞬間──翼は足のブレードを展開して、戻ってきた羽を全て叩き切った。
そのまま翼は、止めの一撃をノイズに向かって振るおうと、手に持つ刀を巨大な大刀へと変形させる。そして振り返ると、そこには──
「おりゃああ!!」
ガングニールを身に纏った響と、ビルドが、同時に飛び蹴りをノイズに叩き込んでいた。
二人の飛び蹴りを喰らったノイズは、勢いに耐えきれず態勢を崩す。
「翼さん!」
「……後は、頼んだ」
「くっ……」
翼は、険しい表情をしながらも飛び上がると、巨大化させた刃をノイズに叩きつけた。
蒼ノ一閃
その一撃は、一瞬にしてノイズを真っ二つにし、炭化させた。
その時、ようやく追いついたのか、クローズがやってきた。
「…万丈!お前が遅いから、もう終わっちまったぞ」
「マジかよ!!…それじゃあ、俺の出番は!?」
「……無いな」
「ウソだろ!?これじゃあ俺が変身した意味、無ぇじゃねえか!?」
「…まったく、無駄に変身シーンを使ってんじゃないよ。それと、うるさいから少し黙ってろ」
「黙ってろってなんだよ!?俺の初変身なんだぞ!!出番返せよ!!」
「あーーうるさいよ!!遅れる方が悪いでしょうが!!」
……バカな言い争いをしているビルドとクローズを他所に、響は、翼に駆け寄っていた。
「翼さーん!」
「・・・」
「わたし、今は足手纏いかもしれないけど、一生懸命頑張ります!だから、わたしと一緒に戦ってください!」
「……そうね。…貴方と私、戦いましょうか?」
「え…?」
──翼さんの言ってることが、分からなかった。
わたしは、翼さんの言葉の意味を理解できず困惑していると、翼さんは、手に持った刀をわたしに突き付けてくる。
「え、あの、そういう意味じゃありません!…私は、翼さんと力を合わせようと……」
「分かっているわ、そんな事」
「だ、だったらどうして……」
「私が貴方と戦いたいからよ」
「え…」
翼さんの言葉に、わたしはさらに困惑してしまう。
……バカみたいに取っ組み合っていたビルドとクローズが、二人の異変に、やっと気付いた。
「なあ……あいつら、なんかやばくないか?」
「…ああ」
ビルドは、ゴリラフルボトルを取り出すと、フォームを、ゴリラタンクに変えながら答える。
…そのビルドの行為に、クローズは、いつでもボルテックレバーを回せるよう、準備していた。
「私は貴方を受け入れられない。力を合わせ、貴方と共に戦う事など、風鳴翼が許せるはずがない」
響が使っているのは奏のシンフォギアである。けれどもそのシンフォギアを使っているのは戦いを知らない、平和な世界で生きてきた、何も知らないど素人なのだ。
…奏と共に戦ってきた翼にとって、そんな相手と共に戦う事は、意地でも許せなかったのだろう。
「貴方もアームドギアを構えなさい」
……アームドギアとは、シンフォギア奏者の固有武装の事である。
元となる聖遺物の形態であると同時に、装者の心象も、その形成に大きく影響を与えているのだ。
…奏は槍を、翼は刀を形成していた。しかし、響は今まで、アームドギアを形成していなかった。
「それは、常在戦場の意思の体現。貴方が、何物を貫き通す無双の一振り、ガングニールのシンフォギアを纏うのであれば、胸の覚悟を構えて御覧なさい!!」
強く、激しく言い放つ翼。シンフォギアを纏うのであれば、アームドギアはまさに戦う意思の象徴と言えるだろう。……だが、それでも響がアームドギアを形成することはなかった。
「か、覚悟とかそんな……私、アームドギアなんて分かりません……分かってないのに構えろなんて、それこそ全然分かりません!」
…シンフォギアについてほとんど理解出来ていない響にとって、アームドギアの形成は、不可能なことだった。分からないものをいきなり理解し、形成して使って見せろなど、よほど優秀な者でもなければ無理な話だ。
そんな響の言葉に、翼は刃を降ろすと、背中を向けて歩き出した。
「覚悟を持たずに、のこのこと遊び半分で
響とある程度の距離が開くと、翼は響に、冷たく言い放つ。
「………奏の何を受け継いでいるというの!?」
「ッ!?」
…翼の言葉に、響に衝撃が走る。
だが、そんなことは関係ないのか、翼は飛び上がると、刀を響に向かって投げる。
すると、一気に巨大化し、ノイズを倒した時とは比べ物にならない程の巨大な大剣へと変化した。
脚部ブレード部分のブースターで加速した翼は、剣の柄頭を蹴りながら響に叩きつけようとする。
天ノ逆鱗
「やめろ、翼!!」
ビルドが叫び、ボルテックレバーを一気に回す。
『Ready Go!』
『ボルテックフィニッシュ!イェーイ!』
クローズも、ボルテックレバーを回し、ビルドに続いて必殺技を放つ。
『Ready Go!』
『ドラゴニックフィニッシュ!』
サドンデストロイヤーによる一撃必殺のパンチと、クローズドラゴン・ブレイズを右腕に取り込み放つ必殺拳で、翼の天ノ逆鱗の迎撃を図るビルドとクローズ。
二人の必殺技が、翼の大剣に向かっていく──だが、その間を誰かが、物凄い勢いで通り過ぎる。
「オラァ!!」
…その人物は、己の拳で大剣に殴りにかかった。……よく見れば拳は剣の切っ先に当たっておらず、僅かに空間が出来ており、その間で止められていた。
…そして「フンッ!!」と、声を発すると、その大剣を消滅させてしまった。
「「えーーーーーーーーーーーーーーーーー!?!」」
「おじ様……!?」
その人物―――弦十郎が行ったことに、ビルドとクローズは、驚いていたが、彼らの必殺技はまだ止まっていなかった。
「避けろ!弦十郎!!」
ビルドが、必死に叫ぶ瞬間。弦十郎を守るがごとく、二人の攻撃の間に、黒い影が飛び込んだ。
『Ready Go!』
『ライトニングブレイク!』
…黒い影の拳が、ビルドとクローズの必殺技にぶつかる。
その瞬間、衝撃が走り、爆風が巻き起こる。……煙が晴れるとそこにいたのは、リゾルヴだった。
リゾルヴは、そのままビルドの右手を掴むと、翼の方に向かって
「…………は?」
ビルドは、何が起きたのかわからなった。だが、その瞬間、弦十郎が声を発する。
「うおおおぉぉぉお───はぁっ!!!」
その声と共に、足元の道路が一気に崩れ吹き飛んでいく。
…震脚で道路を吹き飛ばすなど、人間技ではない。……絶対に人間が放っていい威力ではない。
クローズは、吹き飛ばされていたが、響は、リゾルヴが盾となったのか吹き飛ばずに済んでいた。
ビルドの方は、リゾルヴに投げ飛ばされていたので、吹き飛ぶことはなかったが、落ちてくる翼とぶつかりそうになっていた。
「うおっと!!」
…間一髪、態勢を立て直すと、翼を受け止める事に成功するビルド。
すると、下水道管が崩壊したのか、割れたアスファルトの隙間から水が吹きあがり、辺り一帯土砂降りの様になっていた。…それと同時に、響と翼のギアが解除される。
「……大丈夫か?」
「…!は、離しなさい!!」
ビルドが心配する中、翼は暴れることでビルドの腕から逃れると、その場に座り込む。
「あーあーこんなにしちまって。何をやってんだお前たちは…。この靴、高かったんだぞ?」
「ご、ごめんなさい……」
「一体、何本の映画が借りられると思ってんだよ…」
……見れば、弦十郎の靴は原形を留めておらず、見るに堪えない姿となっていた。
なぜ、映画に例えるのか疑問を抱くビルドだが、ドライバーからフルボトルを抜いて変身を解除する。…そして、戦兎は辺りを見渡すが……リゾルヴの姿は確認できなかったようだ。
吹き飛ばされたクローズも戦兎と同様に、クローズドラゴンを抜いて変身を解除していた。
「…らしくないな、翼。ろくに狙いもつけずにぶっ放したのか?それとも………!お前、泣いて」
「泣いてなんかいません!!…涙なんて、流していません……」
弦十郎の言葉を、翼は、強く否定していた。
「…風鳴翼は、その身を剣と鍛えた戦士です。だから………」
その言葉を聞いて、弦十郎がそれ以上、翼の事を追及することはなかった。
「翼さん…」
…翼の様子を見て、響は心配そうに呟いていた。
戦兎と万丈は、翼の事情について何も知らないので、うかつに声をかけることは出来なかった。
だがそんな中、響は、翼に声をかける。
「私、自分がダメダメなのは分かっています!だから、これから一生懸命頑張って…」
その言葉は、響にとって、翼を励ますつもりで言ったのだろう。
「奏さんの代わりになってみせます!」
次の瞬間、翼は、響の頰を叩いていた。
乾いた破裂音がその場に響く。…その身を剣として鍛えてきた戦士───風鳴翼は泣いていた。
「………はあ、結局こうなるのか。…どうすっかなぁ……」
…次回予告だ……
ーーー nascitaの店内 ーーー
ジ「…ひどい有様だな、真司」
真「ああ、それにしても本物の仮面ライダーの必殺技は、威力が違うな。ようやく肩の傷が治ったと思ったら、今度は右手がこのザマだ」
ジ「…戦兎と万丈、あの二人の必殺技だぞ。それを相殺して、右手の骨が砕けるだけで済んでる方がおかしいと思うんだが」
?「…本来なら、相殺ではなく押し返せていないと意味がない……」
真「はは、手厳しいな。まあ、そのとおりだから何も言えないけど…」
ジ「君がここに来るなんて珍しいな。君の出番はまだ先のはずだが?」
?「…作者にナレーションをやってくれと言われた。…断ろうとしたらすでに消えていた……」
真「作者のヤツ、考えるのが大変だからって、まだ登場してないコイツに任せたらダメだろ!!」
?「……次、
ジ「それ以上は、君の正体のネタバレになるからやめなさい」
?「……わかった」
真「…そういえば、深志。これからどうするんだ?このままだと……」
ジ「わかっている。今の状態で連携を取らせるのは難しいだろう。しばらくは関係の改善に努めるつもりだ…」
真「マジで頼むぞ!!そろそろアイツも動き出す頃合いだからな」
ジ「彼が動き出すのか……彼は、自由すぎるからやっかいだな…」
?「……打ち合わせは終わった。帰らせてもらう…」
真「そんじゃあ、俺もそろそろ帰るとしますか。戦兎達と会ったらマズいしな」
ジ「…監視カメラには映らないように帰ってくれ。記録の改ざんだって楽じゃないからな…」
真&?「「…了解!(二人がnascitaを去る)」」
ジ「……さて、次回、星を見上げる暇もなく。…これから、どうしたものかな……」
この小説をなにで読んでいますか?(票数の多いほうを中心に読みやすくするかもです)
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