戦記絶唱シンフォギアの世界で俺は・・・復讐する   作:天空翔太

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いよいよキャロルが登場します。
最初はキャロル視点で始まります。

・・・真司君は、訓練した成果は発揮できるのかな?


家族思いな錬金術師との出会い

…オレの名前はキャロル・マールス・ディーンハイム

周りのやつらは俺のことを、〈孤高の錬金術師〉と呼ぶ。

パパは自分の死に際にオレに向かって「キャロル。生きて、もっと世界を知るんだ」と磔にされ、炎に包まれながらも声をかけた。それがパパの最後の言葉だった。

 

オレは許せなかった。パパに命を救われたはずなのに、パパを火刑に処した村人達が、それをただ見ていることしかできなかった、無力な小娘だった己自身が………

 

 

 

そして家族がパパしかいなかったオレは、パパを失って孤独(ひとりぼっち)となった。

 

 

 

 

 

オレは、パパが残した命題である()()()()()()()に、パパの残した知識や資料、そしてその材料や日々のための食料などを、可能な限りまとめて家を飛び出した。

あの連中はパパの遺産を狙っている。オレからパパを奪ったお前らなんぞに何も渡すものか!!!

 

 

…オレは、比較的安全な拠点の確保のために常に移動しながら、持ち出した食料が尽きるまでは、

山に入って、薬草を確保していった。

そして離れた村に到着した際、確保した薬草を売って金を稼ぎ、その金を使って移動した。そんなことを幾度も繰り返しながら、嘗てパパが所属していた組織である〈パヴァリア光明結社〉を目指していった。

 

道中でオレを襲って来る愚か者や、ナメた買い取り額を提示するバカな連中は、パパがひどく苦い顔をしながら教えてくれた、〈他者から想い出を吸いとる方法〉を使って、キッチリ〆てやった。

ようやく組織に到着したオレは、持って来た資料とオレの知識の引き換えに結社の協力を得ることができた。

 

そして今、オレの目的を達成するために必要不可欠な〈チフォージュ・シャトー〉の建設に至っている。協力する際に連中は、最終的には向こうの所有物であることを条件に、オレの優先使用権を認めた。

 

 

だが、今回のやつらは、ふざけたことを抜かしてきた。

 

「私たちの弟子をあなたのもとへ常駐させる。錬金術の腕は保証する。必ず役に立つはずだ」

 

…監視役か。まあ予想はしていたが、そこまで貴様らが言うならどれ程のものか試してやる。

・・・覚悟しておけ。名も知らぬ者よ。

 

 

 

 

 

 

 

「真司!そろそろ約束の時間になるのだから早く来なさい。まったく、人を待たせる場合じゃないでしょう!」

 

「悪い。しばらくここに戻れなくなると思うと、少し感慨深くなっちまってな・・・」

 

 

「…出発前に私から伝えることがあるわ。あなたが以前に言ってた二課と雪音 クリス、フィーネの情報、それと米国連邦聖遺物研究機関改めF.I.S.の監視記録をまとめておいたわ。

正直、フィーネについては調べるのに苦労したわ。忘れないうちに私がまとめた資料を持っていきなさい」

 

「マジか!ありがとうな、サンジェルマン!!!」

 

「今、読んでる場合じゃないでしょう!後で読みなさい!!キャロルが貴方の言う通りの人物なら気難しいのだから、第一印象は大切なのよ!!!」

 

「そうだったな。それじゃあそろそろ向かいますか!」

 

そんな風に話していると転移の光が俺たちを包んでいった。

 

 

 

ーーー チフォージュ・シャトー内部にて ーーー

 

「真司の錬金術の実力は、結社で過ごした1年ほどでしかないが、私たち三人に次ぐレベルにまでなった。更に、家事全般は完璧だし、知識やコミュニケーション能力も申し分ない。

まだまだ子供だが、成長すれば嫁の貰い手には困らんだろう………と太鼓判を押せるワケだ」

 

約束の日となりオレはどのような人物が来るのか少し胸が踊っていた。長年一人だったオレは最近では、人形制作を行っていた。……心の何処かで孤独を感じていたのだろう。

そんな物思いに耽っていると、プレラーティがこれから来る人物について語りだした。

 

それを聞いたオレは「コイツは何を言っているんだ?」と感じずにはいられなかった。そこまでの人材ならば、組織としては手元に置いておきたいはずだ。平然と世界を分解しようとする相手に、いくら監視役とはいえ差し出すようなマネをなぜできるかわからなかった。

少なくともオレなら、組織内の重要なポジションから絶対に動かさん。

 

それ故に理解ができなかった。客間で考えながら待っていると扉が開いた。もうそんな時間か。

 

「連れて来たワケだ」

 

「久しぶりね!キャロル❤️元気にしてた?」

 

「すまない。少し待たせたか?」

 

挨拶をすると三人揃って入って来た。()()()()三人で来るあたり、奴らは本気で弟子をオレに託す気があるようだな。だが、疑惑が晴れん以上は確認しよう。

 

「御託はいい。早く本題に入れ」

 

「…では、言葉に甘えよう。まず、この会話が部屋の外に漏れないように遮音術式を展開するわ」

 

何?弟子には聞かせられん話でもするつもりか?まあ、こちらには不都合はないから構わないが。

 

「了承と見て進めるわ。結論から言えば、私たちはきたる時に結社を解体するつもりでいる」

 

…予想外の言葉が出てきたな!?そして遮音したということは、弟子自身は知らんということか。

 

「まさか、貴様らは………」

 

「・・・キャロル。貴女は平行世界を信じていたわね?」

 

「…それがどうした?確かにオレは信じているが、なにか関係があるとは思えんが?」

 

「私たちは、彼から平行世界での結社の未来を聞いた時、普段の局長の考えや態度から、何もしなければ同じ結末を迎えると理解した。故に彼の存在を局長から隠して、私と考えを同じとする者を結社から引き離す決意をしたんだ。……最終的には、局長を倒そうと思っている」

 

オレはそれを聞いて馬鹿馬鹿しいなんて思わなかった。

もともとあの男が胡散臭いことはオレも知っていたし、何よりコイツがこの手のウソをつかんことも知っていたからだ。

何より、幹部が放つ言葉の意味を知らないワケがなかったからだ。

 

「貴様の覚悟はよくわかった。良いだろう、受け入れてやる。それに、話しぶりからして時期とは少なくとも5年ほどはかかるのだろう。なら、シャトーの完成に影響はないのだからな。そもそもお前らに賛同する者が多くないだろうしな」

 

「全て貴女の言葉通りよ。()()()がくるまでは今までと何も変わらないわ。

・・・もし貴女が世界の分解を行う前に、私たちが結社を離れたならば貴女に対して一切の邪魔をしないと誓うわ」

 

「…良いだろう。キャロル・マールス・ディーンハイムは、貴様らの誓いが果たされる内は、貴様らの弟子を責任を持って鍛えあげることを約束しよう」

 

「ありがとうキャロル。術式を解除するわ。それと、今の話は内密にしてもらえると助かるわ。」

 

奴はそういって遮音術式を解除すると、扉の向こうの相手に声をかけた。そして扉が開くと、1人の少年が中に入ってきてこう言った。

 

「初めてお目にかかります。私の名前は、嵐田 真司と申します。キャロル・マールス・ディーンハイム様でいらっしゃいますね。短い間ではございますが、これからよろしくお願いいたします」

 

 

そこには、()()()()()()()()()少年が立っていた・・・

 

 

 

 

 

「少しだけキャロルと()()()()がしたい。合図があるまで扉の前で待っていてくれ」

 

そう言われてから20分が経過しようとしていた。暇だったから聞き耳を立てようとしたが、何も聞こえなかった。・・・なるほど、遮音結界と開閉制御が内側からかけられているのか。

まあ、何を話しているかは予想がつくからこんなことしても意味はないんだけどな。

そんなことを思いながら俺は、サンジェルマンから渡された資料を読んで時間を潰すことにした。

 

 

それから少しすると、扉のロックが外れ、サンジェルマン達の呼ぶ声が聞こえたので、中に入り俺はすぐにここの主である人物に声をかけた。

 

「初めてお目にかかります。私の名前は、嵐田 真司と申します。キャロル・マールス・ディーンハイム様でいらっしゃいますね。短い間ではございますが、これからよろしくお願いいたします」

 

サンジェルマン達は立ち上がると、俺を見て笑っていた。

 

「キャロル、あとのことは任せたわ。そして真司、貴方は頑張りなさい。()()()()のために」

 

・・・そう言い終えるとサンジェルマン達は、結社本部へ帰っていった。

 

「…さて、奴らから聞いているはずだが、オレから敢えてもう一度言おう。貴様はオレの配下として働いてもらう。泣き言なんぞは聞かんからそのつもりでいるが良い」

 

…この声、その鋭い目付き。俺に()()()()()()の中で、最も強い印象を受けた人物だ。 

・・・結局、こいつも()()()だけを糧に動いている…まるで俺そのものだな。

 

「フッ。なんだ?まさか、もう怖気付いたのか?」

 

「いいえ。貴女にお会いできたことを光栄に思っていますし、ぜひお願いしたかったので、武者震いしてしまいました。ですが、私も男ですから……もしよろしければ、外に出かけませんか?」

 

「ほぉ。このオレを前に提案をするか、面白い!!! いいだろう。貴様の提案に乗ってやろう。

だが、自らの思い上がりを悔いてもオレは知らんぞ?」

 

「貴女のほうこそ、油断は禁物ですよ? 足元をすくわれないようにご注意を」

 

「その言葉、すぐに後悔させてやる!!!」

 

さて、今の錬金術師としての自分が、()()()()()()()相手に何処までやれるか。

せっかくサンジェルマン達に()()()()鍛えてもらったんだから、下手な格好はできないよな。

 

そんなふうに考えながら、俺はキャロルが描いた魔方陣に足を踏み入れると、俺たちは光に包まれていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・さすがですね。まさかここまでの実力とは…お見逸れしました」

 

「貴様のほうこそ、たった1年でこれほどまでとはな! 驚いたぞ!!!」

 

 

・・・結論を言えば、互角に戦うことは出来た。

とはいえ、周囲は壊滅状態であり、地形もまた、見る影もないほど変わり果てていた。

俺は、キャロルにヒザをつかせることができたが、錬金術の使い過ぎで、一歩も動くことでできなかった。

・・・今回のキャロルは、想い出を焼却することなく練金術を使って戦っていた。

もし本気で来られたら、今の俺ではまず勝てないだろう。せいぜい、右腕を使えなくするくらいが限界だったはずだ。

 

戦った後の状況を分析していると、キャロルが声をかけてきた。

 

「真司といったか!貴様中々良い腕だった。こんなにもオレの胸が昂ったのは久しぶりだ!!!」

 

「お褒めに預かり光栄です」

 

「真司、これから貴様にはオレのためにビシバシ働いてもらうからな!!覚悟しておけ!!!」

 

「承知いたしました、キャロル・マールス・ディーンハイム様」

 

「…それとオレのことはマスターと呼ぶこと、あと、その敬語口調はやめろ!!!」

 

「・・・わかった。これでいいか? マスター?」

 

「ああ、そのほうがオレも話しやすい。さあ、これから忙しくなるぞ!!!」

 

…なんとも言えないが、一応認められたということなのだろう。

これから、かなり苦労することになりそうだな。

それにしても、戦闘後のマスター、心の底から笑っているように見えたのは気のせいか?

 

 

俺は今後のことを考え、マスターに振り回される日々になりそうだと思いながら、笑顔のマスターと共にチフォージュ・シャトーに戻るのであった。

 

 




いかがでしょうか。
なんとかキャロルのイメージを表現できました。いざやってみると難しいものですね!!!

もし誤字脱字があったら教えてもらえると助かります。

さて、次回はキャロルと過ごす日常を中心に書いていきたいと思います。
もしかしたら戦闘のあたりも入れるかもしれないです。

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