探究者の為の世界樹   作:ロングコート

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このご時世に、この話を書くのはかなり大胆だと書き終わった私も思います。それではご覧下さい。


1章15話 桐藤ナギサは胃が痛い

風紀委員会本部

 

ジル「邪魔します。」

私はまず風紀委員会本部に向かい、そこで手榴弾やスタンガンなどのサブウェポンの準備、ナイフや銃といったメインウェポンの

点検をしつつ、車の手配を要請した。

 

ジル「ねえ青髪痴女、いや…天雨アコだっけ。車出してくれない?」バラガチャガチャガチャカチャカチャスッ

 

アコ「なっ、急に何ですか!いきなりここで装備の支度を始めて尚且つ車を出せなんて!まず何をするのか説明して下さいよ!」

 

ジル「詳しい事は後から羽沼議長に聞け、時は一刻を争う。」

 

ジル「あと車の運転よろしく頼む。」

 

アコ「ハァ!?だから急に何を」

 

ジル「つべこべ言わず準備しろ!!」

 

アコ「アッハイ」

そうして粗方の準備を終え、私達は車を走らせた。アコが用意した車は闇夜に溶け込み、かつどの学園のものか特定しにくいものだった。

 

アコ「とりあえずどちらまで行きますか?」

 

ジル「トリニティ自治区周辺で良いよ。帰りはまた電話する。」

 

アコ「トリニティ自治区って…まさかそこで暴れる訳じゃ無いですよね!?」

 

ジル「それは向こうの出方次第だ。戦うかもしれないし、戦わないかも知れない。」

 

アコ「…議長から聞きましたけど、アポって取ってあるんですか?」

 

ジル「取ってないよ?だからほぼ確実に暴れる事になる。」

 

アコ「え、それじゃあ確実に戦争になるじゃないですか!一体全体何を考えてるんですか貴女もあのタヌキも!」

 

ジル「…戦争にならない方法なら一つ有る。」

 

アコ「そ、それは?」

 

ジル「戦争の余裕が無くなるほどに、徹底的に。」

 

 

ジル「暴れ散らす事だ。」

 

 

トリニティ総合学園 トリニティスクエア前

ジル「大層な建物だ。さて、ティーパーティーの元へ向かわねばならないのだが…妙だな?」

 

ジル「もう夜も深い、にも拘らず何故こうも人通りが多い?」

物陰に隠れる私の目の前に広がるのは、忙しなく動き回るトリニティ中枢の生徒達だった。正義実現委員会、シスターフッド、救護騎士団、そしてティーパーティーの兵士…それはトリニティのトップが動かせる人員全て動かした様相だった。

 

ジル(まさか潜入が露見した?いや、トリニティに向かうことはゲヘナ上層部しか知らぬ筈。戦闘に向けた訓練でも無いだろう。てかそもそも昼の事はすぐさまゲヘナに連絡を入れるべきではないか?潜入してる手前、此方が言えたことではないが普通そうするはず。それにこの組織の動かし…確実に権力にも影響する…まさかそれらが二の次になる程の事がトリニティに起こっている?いずれにせよ潜入は困難、戦闘は尚更避けねばなるまい。)

トリニティを走り回る人員の目を盗みながら、遂にティーパーティー本部に潜入した。

 

ジル(外は凄まじく動き回る人間が多かったが…逆に言えば、中の人員は少ない!…さて、トップの部屋までの道を聞かねばならないな…。)

ちょうど此方に向かってくるティーパーティーの兵士が居る。

 

ティーパーティーモブ「!誰だ!」

 

ジル「…誰って、」

向かってくるティーパーティーの兵士に瞬時に接近して後ろに回り、背部の首根っこを掴み、

ドゴンッ!ゴシャッ!!

そいつの顔面を壁に叩きつけた。鼻からの鮮血が飛び散りそれが顔にかかる。

 

ジル「憤怒の使い魔…ですが?」

 

ティーパーティーモブ「貴様…ゲヘナの…人間か…!」

 

ジル「Exactly!!ところで…」

追加で膝蹴りを顎にお見舞いする。

ゴシャ!!

ティーパーティーモブ「エギャァァ!!!」

ビシャッ!!!

 

舌を噛んだらしく、それによって出た血により服が赤に染まる。

 

ジル「さてここで選択肢を出そう。」

そう言い私はおもむろにグングニルを抜き、そいつの目に突きつける。

ティーパーティーモブ「ヒッ…!」

 

ジル「アンタらのトップの居場所を吐くか、一生厨二病装備で生きるかどっちが良い?」

 

ティーパーティーモブ「は、吐きます!トップの居場所を吐きます!!」

そして居場所を聞き

ジル「ありがとうね。お礼に」

 

ティーパーティーモブ(た、助かった!?)

 

ジル「夜も深いから眠りを上げよう。"シムナ・スマッシュ"」

ズガァン!!!

ジル「あらかじめサイレンサーを付けていて良かった良かった。さて、向かうとしますか。」

ティーパーティートップ、桐藤ナギサの元へ

 

 

 

ナギサ「…………」

ティーパーティー本部、そこに一人の少女が項垂れる様に座っていた。彼女はフィリウス派トップ、桐藤ナギサ。しかしその顔は誰かを心配する様な、また過去の出来事が再来、それどころかそれ以上な事になっているのではないか、そう思わせる程に不安に包まれていた。

 

ナギサ「………一体…」

ボソリと呟く

 

ナギサ「一体…何処に行ってしまったのですか……」

 

 

ナギサ「……セイアさん…。」

遡ること昼辺り。あの悲劇が起こる少し前。

 

ナギサ「セイアさんがいない!?」

ティーパーティーモブ「はい!今朝からサンクトゥス派の面々で探しています、しかし防犯カメラに誰かが侵入した跡や部屋を出ていく場面、窓から侵入してきた跡も出ていく場面も見つからなく、残されてたのはこの手紙だけです!」

手紙にはこう書かれていた。

セイア『ナギサ、ミカ。私は暫くの間トリニティを離れる。恐らく当分会えないかもしれないが、捜さなくても大丈夫だ。』

 

ナギサ「な、なんですか…この手紙は…。」

 

ティーパーティーモブ「い、いかがいたしましょう?」

 

ナギサ「捜すに決まっているでしょう!!!直ぐに人員を動かすよう要請して下さい!正義実現委員会も!シスターフッドも!救護騎士団も!!後から越権だと批判されても構いません!直ぐに捜索して下さい!!!」

そして、今に至る。

 

ナギサ(現在はトリニティの全存在で捜索していますが…手がかりの一つも無く、有るのはこの手紙だけ…何故急に居なくなるのですか…!)

すると、

ティーパーティーモブ「ナギサ様!大変です!」

 

ナギサ「どうしました…まさか!遂に新たな手がかりが…!」

 

ティーパーティーモブ「侵入者です!トリニティに万魔殿の制服を着たゲヘナの生徒らしき人物が侵入して来…」

ガシッ、ドゴン!!ビシャッ!!

 

ナギサ「ヒッ…!!」

 

ジル「ようやく着いたぁ。君が桐藤ナギサ…で良いのかな?」

 

ナギサ「あ…貴女方が…ゲヘナが…セイアさんを攫ったのですか!?」

 

ジル「セイアさん?攫った?何のことか分からないですね。それより知っていますよね?」

 

ナギサ「えっ…な、何を…。」

まさか何も知らない?加害者のくせに?私はいつの間にかナギサの首根っこと左翼を掴んでいた。

ジル「私達のイブキ先輩をテメェ等が傷つけた事だぁ!!まさかアンタらの勝手な都合でこの事を二の次にしたんじゃあねえだろうなぁ!!!」

 

ナギサ「ア…カッ…ッ…は、離して、下さい…!」

私は首根っこを握っていた左手の力を少し緩める。

 

ジル「…私達のイブキ先輩が、お宅の生徒から暴行を受けた。それにより羽沼議長はブチ切れ、全面戦争待った無し…だったんだぞ?それを差し置いて人の捜索ゥ?舐められたものだな、ゲヘナも。」

翼を握る右手の力が一層強まる。そして、

ブチブチィ!!

 

ナギサ「ギャアアアアアアア!!!!!!!」

左翼の羽を毟り取った。無理に引き抜かれた為、血がしとどに流れる。

 

ジル「不揃いで気持ち悪いな…まぁマエストロならこれでも芸術的と言うのか…いや、言わないかな?」

 

ナギサ(マ…マエストロ…?)

 

ジル「……まぁここからが本題だ。ゲヘナ万魔殿議員、丹花イブキがパテル派の生徒に襲撃された件、本来なら全面戦争だったが私が何とか和平交渉にシフトした。1週間後、会合を開くと決まった。今日はそれを伝えるつもりだったが…駄目だな、やはり左右揃えよう。」

私はおもむろに右翼を握りしめ、勢いよく羽を引き千切った。

ブチブチィ!!

ナギサ「ウギャァァアアァ!!!!!!!」

痛みで倒れ込むのを見下ろし、続ける。

ジル「…まぁそういうこった。本来ならトリニティ生徒の羽で羽毛布団が量産される所を金を毟り取るだけで済ませた。感謝して欲しいものだ。」

 

ナギサ「う、うぐぅ…。」

そうして立ち去ろうとした、その時。

 

???「ナギちゃんに…何したの…?」

 

ジル「…?誰だ?」

 

ナギサ「ミ…ミカさん…」

 

ジル「ミカ?」

 

ミカ「君、…ゲヘナだよね…?何で…ここにいるの?そして何?両手に握り締めてるその羽根は?」

 

ジル「…あ、しまった。しっかりしまわねば。え~とケースケース」

そう言いケースを出し、羽をしまおうとした時、ケースが弾丸によって弾き出された。

 

ジル「あっケースが。まぁ良いか…袋に入れてしまおう。」

 

ナギサ「だ、ダメですミカさん…。パテルのあなたがここにきては…!彼女にとって、貴女は地雷です…!」

 

ジル「パテル…ねぇ…。ご丁寧に説明ありがとう。」

 

ミカ「大丈夫だよナギちゃん!あのゲヘナも私の地雷だから!」

 

ジル「パテルならアンタの認識も聞きたいな。質問だ、今日の昼に丹花イブキ議員がアンタの下っ端に襲撃された。その事について話すことは無いか?」

 

ミカ「そんなことよりもナギちゃんに何したの?」

は?

 

ジル「そんなことよりも?質問に質問で返してんじゃねえぞこの鳥頭。」

 

ミカ「へぇ〜、ゲヘナのくせにそんな言葉が分かるんだ〜すごいね〜」

 

ナギサ「ミカさん…私は良いですから…話を聞いてください。」

 

ミカ「……まぁナギちゃんが言うなら…。」

 

ジル「私達のイブキがアンタの下っ端に襲撃された。あの子は天真爛漫の権化みたいな子供だった、年齢も11歳だ…!」

 

ナギサ「なっ…!?」

 

ミカ「……」

 

ジル「政治問題はナギサに話した、あとはアンタの意見だ。幼子に申し分ないと思わないのか…!?」

そうして全て話した、しかし返って来た返事は。

 

 

ミカ「で?話は終わり?」

 

 

ジル「あ゛??」

 

ナギサ「ミカッ!!」

その時、頭の中で流れたのは。

 

回想

イブキ「う〜ん…そうだ!イブキはね〜このゲヘナを学園の垣根を越えて皆仲良く助け合える学園にしたいの!」

 

 

 

ジル「それってミレニアムや、…トリニティとも?それどころか全ての学園と?」

 

 

 

イブキ「うん!だからジルちゃん、この夢を叶える為に一緒に頑張ろう!」

 

ジル「分かりました、一緒に頑張りましょう。」

 

 

 

 

イブキ先輩はこんな事を言っていた。素晴らしく、美しく、何よりも優しい夢を語っていた。にも拘らず、何だ?「で?話は終わり?」って。

 

……

 

はぁ?

 

はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ?????????

 

何を言っているんだ?この鳥肉は…

 

―――――――――――――

 

ジジッ…ジジッ…ジッ…

 

ナギサ「え…何で…すか?体に…ノイズが?」

 

ミカ「…!ナギちゃん!離れて!」

 

ジルさんの体がノイズに包まれる。そしてようやくノイズが晴れたその姿は…

 

ナギサ「…ヒッ…!な、なに?このかお…。」

 

ミカ「ッ…!!!」ハァ…ハァ…

ノイズが晴れたその姿は…顔面は縦に裂けた様に口が、眼球が無い眼窩が斜め対称に形成された様になっていて、肌は文字通り青白になっていて、紫黒色の長髪が生えた頭部の左右にねじれた2本角が生えた異形だった。

そしてこのあと巻き起こる血みどろの惨劇を私、桐藤ナギサは永遠に記憶するのでした…。

 

                 To be continued

 

 

 




どうもこんにちは、作者です。「探求者(われら)の為の世界樹(ユグドラシル)」の第一章も終わりが近づいて来ました。主人公がゲヘナの人間なので、一章の(たいして出てないですが)メイン敵兼ラスボスはトリニティに決めました。ちなみに小ネタ、最後に出て来た智神ジルの異形姿、正式名称は「ジル(ゲマトリア)」。この姿のイメージは東方異形郷の「異形霊夢」で御座います。ちなみに仮初めの姿のイメージは刀剣乱舞の「京極正宗」で御座います。一章も残り少なくなりましたが、まだまだ2章3章と有りますのでこれからも読んでくれると助かります、高評価くれると喜びます。それでは次の物語で会いましょう。
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