探究者の為の世界樹 作:ロングコート
その夜は私の人生で忘れられない夜になるのと同時に、永遠のトラウマになった夜でもあった。
ナギサ「ミ、ミカさん…」
ミカ「あ、あれは何!?」
ついさっきまで会話していた美少年や美少女とも認識できる程の生徒が、異形の怪物に変わり果てたのを見て、私は只、呆然として見てることしか出来なかった。口は縦に裂け、大きさ的に人の頭をかぶりつけれる程になり、眼窩は斜め対称に位置し、眼球は無い。何より危険と本能が警鐘を鳴らしてるのは、邪気ともとれる程の凄まじい圧。まるでその場に居るだけで、周囲の重力が一気に増した様な圧迫感を感じる。只一つ確かな事は、この怪物の、逆鱗に触れてしまった事だった。
ミカ「ご、ごめんね!ナギちゃんを傷つけられて頭がカッとなったとは言えあんな返答は酷かったね!ナギちゃんを傷つけちゃったのもそのイブキちゃんの事でついカッとなっちゃったから!そうでしょう!?そうだ!そのイブキちゃんを傷つけたのはパテルの人間だから、そのトップである私が全ての責任を負うじゃんね!だからもうナギちゃんを傷つけないで!お願い!」
ミカさんが私を庇う、しかし
ジル「カチカチ…なら…桐藤…カチカチ……お前は…責任から…逃れるのか?…トリニティの…カチカチ……責任…から…。」
ナギサ「せ、責任から…逃れる…?」
ミカ「だからナギちゃんは関係ないでしょ!」
ジル「ならば桐藤は…トリニティでないと…?」
ナギサ「え…!?」
ミカ「!?」
ジル「トリニティは「三位一体」という意味…三つのものが心を合わせ一つになる…つまりは三つで一つ…その三つのうち一つがしでかしたことは…カチカチ…その三つで責任をとらなければならない。」
オマエタチ
ジル「つまりミカ…パテルがやった事はえてして他のフィリウス、サンクトゥスの責任でもある。」
ミカ「で、でもセイアちゃんが急に居なくなっちゃって、あ!セイアちゃんってのはサンクトゥス派のトップね!それが居ないからその三位一体も破綻しちゃってるの!はい!これでナギちゃんはもう大丈夫!私が全ての責任を負えるじゃんね☆」
ジル「…そうか…カチカチ…残念だ。」
ジル「もう一人分の責任を二人で負わなければならないなんて…!」
ジル「…はい、私です、羽沼議長。要請します、ヘイロー破壊許可を。」
マコト「何イッ!?まさか本当にやるのか!?」
ジル「最悪の場合、私が責任取るので大丈夫です。」
マコト「…いや、私も取る。部下に責任を押し付けるのは格好悪いからな、風紀委員会以外は。」
ジル「……ありがとう御座います。」
その時、異形の怪物が放つ覇気がいっそう強まる。
ミカ「だから!ナギちゃんは関係ないって言ってるでしょ!」
ミカさんが銃を構える。
ジル「カチカチ…カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ!!!!!!!」
怪物の歯を鳴らす音が響く。
ミカ(あの怪物は何が何でもナギちゃんにも責任を負わせようとしている…ならここで戦い、勝ってナギちゃんを守る!たとえこの後戦争になっても、私がそこでも玉砕覚悟で戦い死んでも和平交渉まで持ち込ませる!)
ミカさんが攻撃を始める。放たれた弾丸は一直線に怪物の方へと飛んでいく。そしてそのまま5センチ、3センチ、1センチ…そして着弾した…しかし。
ナギサ「なっ…?」
ミカ「…え?」
傷一つつかなかった。しかし何よりも脳が理解を拒んだのは…
ミカ「足元にあるそれは…何?」
・・・・・・・・・・
砂粒と化した、かつて弾丸だったものが、そこにはあった。
静寂、その中を瞬く間に動いたのは、怪物だった。
ミカ「ひっ…!」
ミカ(駄目駄目!怖気づいちゃ!銃が効かないならパンチで…!)
ミカさんが拳を振り上げる、しかし怪物は
ガシイッ!
ナギサ「と、止められた!?」
ミカ(ぬ、抜けない!?)
ジル「カチカチ…」
ジル「ガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチ」
ミカ「きゃぁぁ!!」
ナギサ「な、何ですかこれ…ゲヘナに何故こんな怪物が居るんですか!」
余りの異質さに同じ種族とは思いたくなかった。そして怪物は…
ミカ「な、何するの?私の腕に口を近づけて何するの!?」
怪物はおもむろに口をミカさんの腕に近づけ
ガブウッ!!!
ミカ「ギィヤアアアアアァァァァ!!!!!!!!!!!」
ナギサ「ミカさぁぁぁん!」
私も責任を負います!…そう言いかけて、無駄だと知った。今あの怪物はミカさんから順に責任を取らせている、そして後から私に責任を取らせるつもりだと気付いた。そして…
ブチブチブチィ!!!
ミカ「イッギャァァァァァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!!!!!!!!!!!!」
ミカさんの腕の肉を食いちぎった。
鮮血が怪物に盛大にかかる。
ナギサ「あ…ああ…」
そして口に残った肉を吐き捨てるのかと思いきや…
コリッ…ムシャムシャ…ブチ…ブチィ…ムシャ…ゴックン
ナギサ「え…」
怪物は咀嚼し、それを飲み込んだ。
ミカ「…え゛?あ゛ー…え゛?」
ジル「…桃娘じゃないのだから、しっかりいろんな物を食べないと。ロールケーキの様な味がするよ…?」
ミカ「え…い、イヤ…嫌ァァァァァァァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!!!!!」
怪物はもう片腕を掴み、そして。
ミカ「ヤダッ!ヤダッ!ねぇ離して!お願い!離してよぉぉぉぉ!!!!!」
しかし
ガブウッ!……ブチブチブチィ!
ミカ「ウッギャアアアァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!!!!!!!」
鮮血が怪物にまたもかかる。その時、ふと違和感が巻き起こりました。アンモニア特有の異臭、しかしその正体は直ぐに分かりました。
ナギサ「ミカさん…その…水たまりは…?」
ミカ「…ヤダッ…お願い、見ないで…ナギちゃん…。」
私は、目を逸らす事しか出来なかった。何故、私には力がないのでしょうか?何故、友が傷ついてるのに助けられないのでしょうか?何故、私にも水たまりが出来てるのでしょうか?何故、銃を構えてる私の手は、ガクガク震えてるのでしょうか?
ミカ「…私は…このまま、死ぬのかな…?お姫様なのに…?」
ジル「お姫様か…残念ながら、君にはお姫様として王子様の腕の中で死ぬのではなく」
ジル「異形の怪物の腹の中で死ぬのだな。」
その大きな口がミカさんの頭に覆い被さった、その時!
バァァン!
ハスミ「正義実現委員会です!!」
ドゴォン!
ミネ「救護が必要な場所に救護を!」
バン!
サクラコ「これは…ナギサさん!ミカさん、大丈夫ですか!?」
ジル「…目立ち過ぎたな…。」
ナギサ「あ、あぁ…良かった…よがっだァぁ゙ぁ゙ぁ゙…!!!」
ハスミ「あれは…!ゲヘナの制服!しかし、あの異形は…?」
ツルギ「………ハスミ。」
ハスミ「何ですか?ツルギ。」
ツルギ「奴の醸し出す雰囲気で分かるが、恐らく過去ニの難敵…恐らく正義実現委員会、シスターフッド、救護騎士団、ティーパーティーの大半は戦力外の域にあるかもしれん。」
ツルギ「イチカ、奴の相手は私とハスミ、ミネとサクラコの4人を主軸に戦う。他はサポートに徹するように。」
イチカ「分かりましたっす。みんな!全力でサポートするっすよー!」
サクラコ「マリーさん、貴女もイチカさん達と共にサポートへ向かって下さい、ヒナタさんもお願いします。」
マリー「分かりましたサクラコ様。…ご武運を…。」
ミネ「セリナさんとハナエさんは怪我人の救護を!私はアレに相当強度の強い救護を施して来ます!」
ジル「………フフッ。」
ツルギ「…何が可笑しい?」
ジル「そういえば、まだ名前を言ってなかったな…。」
ジル「よぉぉぉぉく聞け、私の名前は2つある。」
ジル「一つはゲヘナ学園、万魔殿の議長補佐官兼ボディーガードの智神ジル。」
ジル「もう一つは…。」
ジル「"ゲマトリア"の"ユグドラシル"だ…!!」
To be continued
どうもこんにちは、作者です。アーカイブ募集ってやつ、アレ中々どうして引きが良いんですかね?バンバン星3出てきますね。今回の限定、ハルナの波動を感じるナギサを引くとします。
それでは次の物語で会いましょう。