探究者の為の世界樹 作:ロングコート
トリニティ自治区 郊外
ジル「ハァ…ハァ…。」
血塗れの姿で人気の無い道を進んでいた。建物の明かりも消え失せ、あるのは街灯の光だけだった。血塗れの姿は直前までの戦闘、それは三大校の一つである、トリニティへの訪問…いや、単独でのカチコミとも言うべきなのだろう。そこで受けた傷と返り血で染まったものだった。
ジル「行政官に…連絡を…。」
プルルルル、プルルルル
アコ「ジルさん!大丈夫ですか!?」
ジル「はっきり言おう、血塗れだぁ…。」
アコ「なっ…!直ぐに向かいます!場所は何処ですか!?」
ジル「座標を送る。あと、私の今の姿はかなりショッキングなものだから、あまり直視しないほうが無難だ。あと肉体もかなりおかしくなっている。」
アコ「そ、そんなにひどい状態…!?全速力で向かいます!!」
ピッ
ジル「安全運転を心がけてね…」
しばらくして、疾風のように車が現れた。中には行政官がいる。
ジル「さてこの異形、どう説明するか…。」
今になって気付く、この姿の諸々の説明をしなければならない。
特にこの姿をイブキ先輩が見たら……考えたくもない…。
でも、行くしか無いか…。
アコ「ジルさんが指定したのはこの辺りですが…ん?」
私は車の背後から助手席に向かっていった。
アコ「ぎゃぁああああ!!!!!化け物ォォォォ!!!こっちに来ないでぇぇぇ!!!!!」
パァン!パァン!
中から発砲される。気は緩めてあるので普通に当たるが痛くはない。
ジル「ちょっ、やめて、痛くないけどやめて、やめろ横乳!」
アコ「あっジルさんですね。」
ジル「え何で分かったの?」
アコ「私の事を横乳呼ばわりするのは貴女くらいしかいませんもの。」
アコ「して、どうでした?トリニティは。」
ジル「ツルギって娘いるじゃん?」
アコ「正義実現委員会の委員長ですね、それが?」
ジル「あいつ怖い。」
アコ「………そうですか。」
ゲヘナ学園 万魔殿
プルルルル、プルルルル
ジル「ただいま帰りました。」
マコト「ようやく帰ってきたか。どうだった?」
ジル「真正面からは無謀でしたね、死にかけましたよ。イブキ先輩は?」
マコト「イブキなら別室でスヤスヤ寝ているぞ。」
ジル「そうですか、それはよかった。」
数分後
ジル「ただいま帰りました。」
マコト「ウギャァァァァァ!!!!!ジルが化けて出てきたァァァァァァ!!!!!イロハァァァ!!!サツキィィィ!!!チアキィィィ!!!塩だぁ!!!塩まけ塩ォォォォ!!!!!」
イロハ「悪霊退散!!!悪霊退散ンンン!!!!!イブキには指一本触れさせません!!!!!」
サツキ「マコトちゃん!!!オバケに催眠術って効くっけ!?効いたっけ!?!?」
チアキ「うおおおおおシャッターチャーンス!!!!!」
ジル「イギャァァァァ!!!!!傷口に塩が!!!塩がァァァァァァ!!!!!!!」
シュゥウウウ…
マコト「すみませんでした。」
ジル「次やったらマジ頭噛み砕くからな?(#^ω^)」
染みる傷口を堪えてトリニティで起こったことを洗いざらい話した。聞いてく内に皆の顔色が青白くなっていき、しまいには「もう十分、十分です…。」という声も聞こえた。姿の事も話した。黒服と会った事のある羽沼議長はたいして驚く素振りは見せなかった。しかし問題なのは…
マコト「イブキがこの姿を見たら…間違いなくまずい事になるな…。姿を戻せんのか?」
ジル「あー…戻せるには戻せるんですが…代償としてさっき受けたダメージが再度一気に来るんですよね…それがマジで痛い。以前この姿で戦った時は、被弾をほぼゼロで立ち回ったから無事だったんですが…。」
ジル「とりあえずセナさんのとこに行ってから戻します。そうすれば即時治療ができて楽ですし。」
マコト「分かった、セナにもそう伝えよう。」
そうしてこの後の動きが決まった、その時!
イブキ「マコトせんぱーい…本読んで………!!!」
イブキ以外の一同「!!!!!!!!!!」
未曾有の緊張が襲いかかる。
マコト(ああああ何故寝る前の読み聞かせをしなかったのだこのゲヘナバカマコトォ!!!)
サツキ(じ、ジルちゃんのこの姿を見たら…!!)
イロハ(確実にトラウマになる!!!)
ジル(あーマコトせんぱーいどうしましょーう)
チアキ(もう駄目です…万魔殿は、ゲヘナはもうおしまいです…)
しかし
イブキ「もしかして…ジルちゃん?」
ジル「!!!」
マコト・イロハ・サツキ・チアキ「(^ν^)」
なんというファインプレー、なんというジャイアントキリング!やってる事は虎杖悠仁!丹花イブキ!
ジル「イブキ先輩…私が分かるのですか?」
イブキ「なんとなく…ジルちゃんでしょ?」
ジル「…………羽沼議長。」
マコト「………何だ。」
ジル「………雨漏り…してますよ…。」ポロポロ
マコト「そうだな…。」
夜空は雲一つ無かった…。
To be continued
どうもこんにちは、作者です。一章も終わりが近づいて来ました。怒涛の連続投稿は結構疲れますね私が。1章エピローグで2章のタイトルをここで発表しようと思います。暫く可哀想な物が多かったので、今回は箸休めとしてコメディチックに書きました。次回は和解に向けて動き出します。
それでは次の物語で会いましょう。