探究者の為の世界樹 作:ロングコート
その銃はサブマシンガンと言うには異質な形状で…エネルギーが迸っているラインは黄金色に輝いていた。
ジル「終幕・デストロイヤー"Origins"…!?」
チアキ「あの銃…完全に風紀委員長さんの銃と同じものですよね…!?」
ジル「いや…分からない。けど大きさが違うから、一丁の威力はヒナ委員長のものより劣るかもしれない…。」
すると急に雲行きが怪しくなり、程なくして雷雲が立ち込めた。
ジル(この雷雲…あの時と同じ…。)
するとゼラさんは、立ったまま上体を前に倒し銃を持つ両腕を左右に広げる構えを行い、次の瞬間!
ピシャァアアアアン!!!
ジル「ぐうッ!!」
チアキ「きゃあ!!」
2つの閃光がゼラさんの銃を貫いた。
ゼラ「久しぶりに戦うからナマってないか心配だったが…どうやら問題は無いみたいね。」
バチバチと迸る銃の片腕を前に突き出し、遂に技が放たれた。
ゼラ「終幕・イシュ・ボシェテ"Origins"!」
ギュルルルズガガガガガガ!!!!!
その弾幕はヒナ委員長のそれと全く遜色ない、それどころか上回っているように思える。
スケバンA「イギャァァァァ!」
スケバンB「ぐわぁぁぁぁぁ!」
スケバンと戦うには過剰な程の火力を見せつけられた私達は只呆然とするしか無かった。
ジル「うお…あ…。」
チアキ「な…これは…。」
すると、1人のスケバンがやってきた。服装からしてゲヘナの生徒だろう。するとそのスケバンは、
ゲヘナ生徒スケバン「どうした!風紀委員長襲って来…あ。」
ゼラさんを見て言葉を失い
ゲヘナ生徒スケバン「あ…ああ…!あああああああ!!!!!」
突如として錯乱を起こし、仲間達を置き去りに脱兎の如く逃げていった。いつの間にか雷雲も晴れていて快晴の空が顔を出していた。
ジル「これは…。」
ゼラ「それじゃあ行こっか!シャーレだっけ?」
チアキ「は、はい。それじゃあシャーレに行きましょう!」
ジル(何だ、今の強さは、エネルギーは、覇気は…。)
シャーレオフィス
チアキ「おはようございます!先生!」
"おはようチアキ、…ジル。?後ろの方は?"
ジル「あぁ、この方は少し前にキヴォトスに戻って来…ッ!?」
ゼラさんの表情は、不愉快極まりないとでも言おうか、まるで潰れたバッタを見るようなそんな顔をしていた。
ジル「ゼラさん?どうかしましたか?」
ゼラ「?あぁ何でもない。自己紹介がおくれましたね、私の名前は霹靂神ゼラ、ゲヘナ学園の卒業生です。」
"OGさんでしたか!どうも初めまして、私はシャーレの先生です。"
ゼラ「シャーレの先生…ねぇ…。」
チアキ「いやーこの人、物凄く強いんですよ!さっき襲いかかってきたスケバン達をヒナ委員長のデストロイヤーみたいな銃でボコボコに返り討ちにしたんです!」
"そ、それは…"
ゼラ「向こうが先に襲いかかってきたんだ、返り討ちにされる覚悟はするべきなんだろう?大人相手なら尚更だ。」
"でも、"
ゼラ「でもじゃない。甘い、甘過ぎる。」
ゼラさんの持つ雰囲気が一気に険悪なものへと変わる。
ジル「ま、まぁこの辺で。気分を害したならすみませんね。」
"ううん大丈夫。あ、待ってジル。"
ジル「何でしょうか?」
"トリニティでの事だけど…"
ジル「あれは関わった者が全員不幸になった出来事だ、全て終わったってのにまた掘り返すおつもりで?」
"違う。ケガ、もう大丈夫?"
ジル「…お説教かと思えば、ケガの心配か。」
"ナギサとミカは騒動の翌日からお見舞いに行けた。君のことは避けられない戦争を止めたから責めないで欲しいと言われたんだけど…。"
ジル(あれだけやられたと言うのに…なんて懐の広さだ。)
"ジルのお見舞いもその日の内に行きたかった…でも面会謝絶になってて。
ジル「そう…その時意識が無かったからねぇ。」
"だから改めて言いたい。ケガはもう大丈夫?"
ジル「…あぁ、もう大丈夫。セナさんの看護とカスミの温泉のおかげで完治した。」
"そうか、それなら良かったよ。"
チアキ「それじゃあそろそろ別の所に行きましょうか!え~と次は何処へ…。」
ゼラ「今日はもう良いかな。時間もアレだし。」
ジル「そうですね、イブキ先輩も心配してるでしょうし。」
チアキ「それでは私達もゲヘナへ戻りましょうか。」
ゼラ「…先に行っておいで。先生と話が有るから。」
チアキ「?分かりました、外で待ってますからね!」
ピシャン
ゼラ「……さて、先生。」
"どうしました…ッ!?がっ!"
いきなりゼラさんは先生の首を掴み、こう言った。
ゼラ「私はお前が気に入らない。余所者のくせに生徒達に寄り添う貴様が気に入らない。心底死んでくれと思うほどに…な。」
バッ!
"!カハッ!ハァ、ハァ…"
そうして彼女はシャーレを後にした。
"………"
チアキ「ゼラさーん!待ってましたよー!」
ゼラ「ごめんごめん、それじゃあそろそろ…あ!」
ジル「?どうかしましたか?」
ゼラ「ヒナ君に渡したい物が有るからそれを届けてくれるかい?」
ジル「分かりました、お任せ下さいね。」
そうして私達はゼラさんについていき、その渡したい物を渡された。
ジル「うおっ重い…中に何が入ってるんですか?」
ゼラ「それは見てからのお楽しみ。是非ヒナ君と一緒に見てね。」
そうして私達はゼラさんと別れ、ゲヘナ学園へ戻った。
ゼラ「ぜぇ…ぜぇ…これ重い!何が入ってるの!?」
チアキ「でももうすぐで風紀委員長さんの所です!ファイト!」
風紀委員会 本部
ジル「ヒナ委員長!いますかー!」
ヒナ「ジルじゃない、何その荷物。」
チアキ「OGさんから託されたものです!どうぞ開けて下さい!」
ヒナ「…分かった。一応爆弾じゃあなさそうだし。」
そうしてヒナ委員長が箱の包装を解き、箱を開けると。
ジル「あっ!これは!」
中にあったのは、ヒナ委員長の銃、デストロイヤーだった。
チアキ「風紀委員長さんの銃じゃあないですか!良かったですね!…え?」
しかし、当の本人は…
ヒナ「え?何で…こんな物が…?……!!ハッ!ハッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!」
イオリ「!?どうしたんだ!委員長!」
アコ「ヒナ委員長!どうかしました…ええっ!?」
突如として息が乱れたヒナ委員長。その時。
ヒナ「ジル!チアキ!」
ジル「!?」
チアキ「は、はいっ!」
ヒナ「これを一体誰から貰ったの!答えて!」
ジル「!?ゼ、ゼラです!霹靂神ゼラさんです!」
バッ!
アコ「待ってください!ヒナ委員長!」
ジル「私達も追おう!」
チアキ「はい!」
万魔殿 議長室
ヒナ「マコトォ!!!」
マコト「ど、どうした空崎ヒナ!そんなに慌てて!」
ヒナ「…雷帝…!」
マコト「!?まさか雷帝の遺産が見つかったか!」
ヒナ「ち、違う。もっと最悪なことが…!」
マコト「何?もしかして誰かに利用されたとか?」
ヒナ「雷帝がキヴォトスに戻ってきた!!!!!」
マコト「何ぃ!?!?!?悪い冗談はよせ!!」
ジル「どうやら悪い冗談じゃあなさそうです。」
私はチアキ、イオリ、アコと共に執務室に入った。デストロイヤーを担いで。
マコト「!!…………どうやら悪い冗談じゃあ無いようだ。」
マコト「アコ行政官!」
アコ「はい!」
マコト「直ぐに連邦生徒会へ連絡だ!"雷帝がキヴォトスに戻ってきた"と!セミナー、ティーパーティー、陰陽部、玄龍門、レッドウィンター事務局、…アビドス対策委員会にも同様の連絡を飛ばせ!!!」
アコ「分かりました!」
キヴォトスの全てを巻き込む闘争が今、…始まろうとしていた。
To be continued
どうもこんにちは、作者です。
ここから多く登場人物が増えてきます。
こんなにも登場人物を増やして大丈夫かと、そう思ってると思いますが、やるしかないんです。
次回からは「雷帝に関する記録と証言」"ゲヘナ編""連邦生徒会編""ゲマトリア編"の3つを公開する予定です。
それでは次の物語で会いましょう。