探究者の為の世界樹   作:ロングコート

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ドヒナって…ボス戦向きの性能だね。


2章5話 雷帝に関する記録と証言"ゲマトリア編"

会議室に出されたボイスレコーダーに録音された音声が再生される。

 

――――――――――――――

黒服「やはりそうですか…雷帝が戻ってたのですか。」

 

ジル「まさかあのOGさんがそんな特級の危険人物だとは。」

 

黒服「所で私が呼ばれた理由は…いや、質問しなくても分かってることですね。雷帝の事で何か知っているか…そうでしょう?」

 

ジル「貴方なら何か知っているかな…と思って。それでも知らなかったらただ単に驚きますが。」

 

黒服「…結論から言うと、彼女の事は無論知ってますよ。」

 

ジル「やはりね…それで?知っていることは。」

 

黒服「彼女がした事は、当事者達が一番知っているでしょう。なら此方が出せるものは、彼女が宿す神秘…雷帝の神格についての情報です。」

ジル「神秘…!いったい彼女は何の神秘を…!?」

                     ・・

黒服「彼女が宿している神秘は…、キヴォトス最強の神秘です。」

 

ジル「キヴォトス最強の神秘?最強の神秘を持っている者は暁のホルス…小鳥遊ホシノじゃあないですか?」

 

黒服「確かにホシノさんはキヴォトス最高の神秘を持っています。ですがあくまでも最高というだけ。私が言っている最強というのは、神秘由来の力に関する最強です。」

 

ジル「神秘由来の力…。」

神秘由来の力…確かに以前戦った剣先ツルギの異常な回復力、あれは神秘が関わってないと説明がつかない。もしかして雷帝の神秘は己の神秘がもたらす神秘由来の力が強大なのか?

 

ジル「じゃあ雷帝の神秘がもたらす能力というのは、一体なんですか?」

 

黒服「雷帝の神秘がもたらす能力…それは」

 

 

「雷雲を作り出し、雷を自由自在に降らせる…所謂天候操作です。」

 

 

ジル「!?!?」

天候操作!?そんな人知を超えたことを!?…いや、神秘由来の力だと考えればなんら不思議ではない。

 

ジル「ならそれ程の強さなら彼女が宿す人格も只者じゃあ無いですね…一体何の神格を?」

 

黒服「…彼女が宿す神格、それは…。」

 

 

黒服「雷を司る最高神、ゼウスです。」

 

 

ジル「!!!!!」

ゼウス…遠い異国の神話に登場し、その神話で最強の力を持つ神。その神格ならばあんなクソチート神秘も納得が行く。

 

黒服「ですが、極めてたちの悪い事に彼女、自らの神秘の力の事をしっかり知覚しているようです。それにより神秘の力の応用が出来るらしいです。」

 

ジル「なっ…なぜそれを知っているのですか?」

 

黒服「以前彼女をマークしてた時に判明したんです。雷雲がキヴォトスを覆った日に雷帝がいた位置から半径数メートルの金属器に電磁力が検知されました。」

 

ジル「…天候操作はまだ分かる。が、何故そこから電磁力を操るまで至れるんですか…貴方が作ったものだから狂いはないんでしょうがイマイチ信じられない。」

 

黒服「単純に雷に関する事のため解釈を広げたんじゃあ無いですかね?それで使えるようになったかと。」

 

ジル「…なら尚更分からない。何故それ程の力を持っているにも拘わらず、部下による失態であっさり失脚したのかが尚更分からない。」

 

黒服「…それは私も分かりませんね。後でマコトさんにも聞いてみますか。」

 

ジル「それでは、会議室まで移動しますか。…ホシノさんも居ますが大丈夫ですか?」

 

黒服「その時は貴女に任せます。ヒノム・クリスタルの発見によりもう彼女の事は興味を無くしました、彼女が私を見て攻撃するようでしたら煮るなり焼くなり好きにしてどうぞ。」

 

―――――――――――――――

黒服「以上が会話の内容です。」

 

ネル「…確かにアイツとの戦いで、やけに天候に愛されてるなと思っていたら…そんな秘密が。」

 

ヒナ「ということはあの時の戦いはただ遊ばれてたのね…。」

 

ホシノ「これは油断ならない…いや、死力を尽くさないといけない相手だね…。所で」

 

ホシノ「最後のところどういう事?まるで私は君に勝てないって言われてるみたいじゃあないか。」

 

ジル「気に食わなければ後でやり合います?今日の予定は空いてますので、ちなみに私は空崎ヒナ委員長に勝ってますが。」

 

"二人とも!落ち着いて!"

 

ホシノ「わ、分かったよ…。ゴメンねジルちゃん。」

 

ジル「は、はあ…。…ちなみに先生。」

 

"どうしたの?"

 

ジル「あの時、雷帝に何を言われました?」

先生に動揺の色が見える。

"い、いや。特に何も"

 

マコト「とぼけるな、これはキヴォトス全体の問題。一人で抱え込むなぞ断じて許さん。」

 

"いやでも…"

 

黒服「マコトさんの言うとおりです。もしこれで貴方の身に何かが起こればそれこそキヴォトスがどうなるか分かりません。最悪滅亡するかもしれませんよ?貴方の責任感で生徒を殺してしまうのですか?」

 

"…分かった、話すよ。でも落ち着いて聞いてね?"

そうして先生は話した、あの時雷帝からかけられた言葉を。

 

 

「私はお前が気に入らない。余所者のくせに生徒達に寄り添う貴様が気に入らない。心底死んでくれと思うほどに…な。」

 

 

黒服「それは…殆ど殺害予告ではないですか…。」

バッ!!!

"ホシノ!"

 

ジル「また突っ走って…わからず屋が…。」

ジジッ…ジジッ…

 

ミカ「ヒッ!」

 

ネル「うおおお!?何だその姿!」

 

ナグサ「新手の怪異!?」ジャキッ

 

ジル「誰がお化けだ雪女。」

ズオオオオオ

 

リオ「ワープホール!?」

 

ホシノ「うへっ!?」

ガシイッ!

 

ホシノ「は、離せ!」

 

ジル「少し頭の血を抜け。」

ガブウッ!

ホシノ「ぐううっ!」

頭に齧り付き血が流れるのを確認して、手と口とを彼女から離した

ジジッ…ジジッ…

 

ジル「アビドスの一件で何を学んだ?アレは一人で戦うものじゃあ無い、皆で一丸になり戦う事でようやく活路が見えるもの。一人でアレと戦う事は自殺行為に等しい。それでも行くのならどうぞ一人で行き、そして美しくも孤独に、残酷に桃色の光輪を粉微塵にされろ。」

あえて厳しい言葉を投げかける。

ホシノ「…そうだったね。でもなんでそれを知っているの?」

 

ジル「なあに、風の噂。」

 

黒服「…ところでマコトさん、雷帝を失脚にまで追い込んだと聞きましたが、彼女をどうやって失脚させたんですか?」

 

マコト「………わからない。」

 

黒服「?なぜです、失脚させた張本人なのですから分かるはずでしょう?」

 

マコト「………アレを失脚と呼んで良いのか、分からないんだ。でもこれだけは言える、奴がいなくなってから奴と繋がったことは一度も無い。」

 

"と、とりあえず彼女をどうやって倒すか考えよう。"

 

黒服「ならばこんな物はどうでしょうか。」

 

―――――――――――――――――――

 

ジル「そうか…それなら勝機はある。」

 

リン「それでは現時刻を持ちまして"ゼウス追放戦"の開始を宣言します。開始時間は―」

 

ジル「それなら私の雷帝への攻撃を開始の合図にしよう。奴の思惑も聞きたいしね。」

 

ヒナ「聞いてどうするの?」

 

ジル「もしかすると無害かもしれないだろう?実際奴の思惑も知らぬまま話を進めてるのだから。」

 

マコト「それはそうだが…。」

 

リン「話はまとまったでしょうか。」

 

"そうだね。それじゃあ解散!"

会議が終わり、各々が会議室を出る中

 

黒服「……ジルさん、貴女に頼みたいことがあります。」

周りに誰もいない中、黒服が話しかけてきた。

 

ジル「どうしました?」

――――――――――――――――

 

ジル「………拝命しました。」

 

黒服「無理して承諾しなくても良いんですよ?この頼みは―」

 

ジル「復興…それが元々の目的だから。」

寮に戻り、シャワーを浴びて最後に手紙を書き…その日は寝た。

                 To be continued




どうもこんにちは、作者です。次回は雷帝との対決、その火蓋が切られます。ゼウスという強大な神格相手に彼女達はどう挑むのでしょうか。
それでは次の物語で会いましょう。
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