探究者の為の世界樹 作:ロングコート
一同「!?」
キヴォトスの全ての力を結集したゼウス追放戦の結末は、…まさかの降参に終わった。それも圧倒的に有利である筈なのに。
ジル「何故今、この状況で降参する?」
そう尋ねるも、返ってきたのはいたってシンプルな物だった。
ゼラ「そりゃあ大人気無い事に本気になっちゃったもん、本気の私に勝つ後輩は誰一人として居ないのは分かってるから本気出すのはフェアじゃない。しかしね、この私に本気を出させるなんて…凄いことだ、成長したね。」
そう言いゼラは、ヒナ委員長と小鳥遊ホシノに微笑みかけた。
ホシノ「うへ〜、風紀委員長ちゃん…雷帝ってもしかして意外といい人?」
ヒナ「そんな訳ない。ああ見えてキヴォトスでもトップクラスに危険な人物よ、人柄はああでも騙されちゃダメ。」
ゼラ「人柄は褒めてくれるの!?ありがとう!」
ヒナ「はぁ…。…昔っから変わってないわね、雷帝。」
ゼラ「私は不変がお気に入りだからね!さてと、君達の目的は私のキヴォトス追放だよね。」
ヒナ「分かったなら早く身支度を―」
そう言いだした…その時
ジル「"霊弾フギン・ムニン"」
ズガァン!ダァン!
ヒナ「ガアッ!!」バタッ
ホシノ「ウグウッ!!」バタッ
ゼラ「!?」
私はヒナ委員長と小鳥遊ホシノの頭を撃ち抜いた。
マコト「なっ!何をしているのだジル!仲間だぞ!」
イロハ「そうですよ!一体何をしているのですか!」
ゼラ「…これは、どういう風の吹き回しかな?ジル君?」
ジル「…貴女に一つ話がある。」
ジル「私達の組織…ゲマトリアに加わりませんか?」
ゼラ「ゲマトリア…聞いたことがある。キヴォトスで暗躍してる組織だったかな?ある者はカイザーと繋がりを持つひび割れた怪人だったり、ある者はスランピアにて青白いドールを生み出す双頭のマネキンだったり、ある者は忘れられた学園…アリウスの紛争を終わらせその生徒会長になり、恐怖で支配した複眼の女王だったり、キヴォトスのあまねく存在を記号として見、それらに干渉する道具を生み出す不死身の絵画と首無し男だったり…まぁ色々知ってるよ。」
ジル「御名答、正直アリウスの事を知っていたのは想定外ですが…。まぁ良いでしょう、彼女はもう居ませんし。」
ゼラ「…まぁ今のキヴォトスは私の解釈と違ってるし、逆に解釈と一致してる貴女の組織に入る方が性に合っているだろう。後輩君にも嫌われてるし。いいわ、入ってあげる、ゲマトリアに。」
ジル「話が早くて助かります。」
ゼラ「…でもいいの?それはゲヘナで得た大切な人達を裏切る事と同義だけど。」
ジル「ッ………!!」
ゼラ「??」
ジル「……いい、いいんです…それが…私の役目なのですから…
……。」
マコト「ジル…!待ってくれ…!」
…私の後ろにワープホールが現れる。
ジル「……お先にどうぞ。」
ゼラ「……分かったわ、失礼するわね…。」
そうしてゼラはワープホールへ消えていった。さて、私も入らないと。
「待って下さい!!!」
ピタッ
チアキ「待って…下さい…!」
ジル「チアキさん…!」
戦車隊を指揮していたマコト先輩、そして戦車の中にいた先輩達が続々と現れる
マコト「待てジル!何処へ行くつもりだ!」
……ザッ…頭の中でパキッと音がする。
イロハ「イブキも居るのに何勝手なことを!」
………ザッ…音が増えていく
サツキ「待ってちょうだい!まだ貴女にはやってもらわないといけないことが沢山あるの!」
…………ザッ…何かが割れた音がする。
イブキ「何処へ行くの…?ジルちゃん…!」
……足取りが重くなる。後ろの声を聞けば聞くほど足を上げる力が出なくなる。右の視界がぼやける。
ジル「みんな………。」
彼女達の方へ振り向く。頬を熱い何かが通る
「すみません。」
もう一枚、何かが割れた音がした。口元がしょっぱく感じる。
マコト・チアキ「…ッ!」
ワープホールを通る時、後ろから何か叫び声が聞こえた。でも何を言っているのか分からない。視界が水でぐちゃぐちゃになる。憂鬱な気分になる。そしてワープホールを進む時、音を立てて何かが直る気がした。
私はこの一瞬、物凄く気分が良かった。
To be continued
どうもこんにちは、作者です。
ジル…どうなったんだ…!何故気分が良いのだ!何があった!
そう思う人がいるかも知れませんが、それは次回明かされるでしょう。リアルが忙しくなったので、次の投稿はかなり遅くなると思います。しかし第2章のプロットはできてますので、再開する時は忙しくなければトントン進むと思います。
それでは、次の物語で会いましょう。