探究者の為の世界樹   作:ロングコート

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三章 "忘れられた神々の黄昏《ロスト・ラグナロク》"
3章プロローグ ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯


その日、少女は夢を見た。もう見るはずの無い夢を見た。

 

身体中のありとあらゆる穴から血を流し事切れる誰か。

亡骸を抱き、慟哭する少女

そして…虐殺の後涙を流しながら貪る異形…

 

そこで目を覚ました。

少女はあまりの凄惨さに吐き戻した、胃酸しか出なくなっても吐き戻した。吐き戻すものが胃酸ごと無くなった直後、ドアが開く。入ってきたのは一人の男、存在するだけでえもいえぬ威圧感を感じる。少女は聞いた、何故またこんな夢を見たのか。男は答えた、一時的に本質を蘇らせた、と。少女は聞いた、この夢は覆らないのかを。男は答えた、これからの働き次第で覆る、と。少女は聞いた、どうすればこの結末を覆れるのか。男は答えた、自分に付いてくれば覆せると…。そして少女は決意した、この男について行く。そして、少女はその日、学び舎から姿を消した…その男と共に…。

 

これは、とある生徒が遺した手紙である…。

 

「これを見てるということは、私はもうそこには居ないという事でしょう…。あの会議の後、雷帝をゲマトリアに引き入れるという指令を受けて、私は板挟みになりました…。第一の家を取るか、第ニの家を取るか…私は前者を取りました。あの人も最後まで私の意思を尊重してくれていましたが、それでも…私には帰るべき家を選ぶしか出来ませんでした…。無論、第二の家が嫌ということは微塵も無い。只、皆を裏切るような事になったのは…とても辛く、悲しいです…。マコト先輩、私はもっと貴女とバカやりたかったです…。イロハ先輩、もっと虎丸に乗ってゲヘナを凱旋したかった…。サツキ先輩、もっと催眠術を共に精進したかった…。イブキ先輩、寂しい思いをさせてしまって…申し訳ございません…。チアキ先輩、最後に行ったカフェ…まだまだ行きたかったです…。もし一つ願いが叶うならもう一度、貴女達ともっと楽しくバカをやりたかった…こんな身元が分からないような人間を拾っていただき、ありがとう…。」

 

始めに読んだ黒髪の少女は声を上げて泣いたという…。

 

これは、誰かの記憶の奥底である。

 

目が覚めると、その男は見知らぬ空間の見知らぬ椅子に座っていた。男の名はクロカワ、今日から新任の先生になる予定の少々トゲのある青年だった。空間は赤褐色のオフィスみたいで所々ツタが生えていた。男が困惑していると、奥の扉からナニカが入ってきた。そのナニカの背丈は今時の女子高生より少し大きいくらいだが、青白い肌をしており、眼窩には何も無く、二本の髪束の先と眼球が一体化していた。男がその異形に驚愕していると、そのナニカは見た目によらない流暢な言葉でこう続けた。

 

異形七神リン「連邦生徒会首席行政官…七神リンと…申します。クロカワさん、貴方には…連邦捜査部「シャーレ」の…担当顧問の一人に…なって頂きたく…ここへお呼びしました…。」

 

                 To be continued




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