探究者の為の世界樹 作:ロングコート
黒服?「そうか…俺はあの時。」
黒服
黒服?「死んだんだった…。」
"!?"
クロカワ「俺の名前はクロカワ。俺は昔、あんたのようにキヴォトスに招かれたんだ。」
"え?"
クロカワ「だがそのキヴォトスと生徒の姿は異形じみていた。青白い肌で眼窩には何もなく、目は2束の髪束の先に取り付かれた異形の化け物だった…その上見た目の割に理性的で流暢な言語を話していた…名前を七神リン…と言った。」
"リンちゃん!?"
クロカワ「俺の他にも前園、鳥居って新任の先生もいたみたいだがその場に押しかける生徒が三人居た。その一人が…チアキだった。」
ジル「!!あ…ああ…!」
クロカワ「他の二人は磔にされた修道女の像が飾られた四足の巨大な石碑…サクラコと、二又の尾を携えた怪猫…名をキキョウと言った生徒が押しかけていた。そしてその生徒たちは私達、先生の護衛としてそれぞれ付いた。前園にはサクラコが、鳥居にはキキョウが、俺には…チアキが。」
チアキ(アンブロジウス)「…………」
クロカワ「皆、化け物みたいに強かった…というよりバランスがおかしかった。前述したキキョウに互角に戦える元スケバンの怪猫がいたし、ヘルメットで武装した生徒は学園の治安維持部隊のトップと互角に戦かえる奴もいた。」
"それってまさか…カズサとラブ?"
クロカワ「知っていたのか…他にもキキョウと同じ部活に所属する赤い龍、クソゲーや死にゲーを作るのが大得意な部活、華奢な見た目だが後頭部に2つ目の口が付いた美食家、学校の復活を祈って奮戦する英語を喋るウサギの怪物…誰も彼も個性的だった。」
レンゲ、ゲーム開発部、ハルナ、Rabbit小隊…どれも自分の生徒とは似ても似つかぬ特徴だが誰が誰なのかはっきりわかった。
クロカワ「だが…そんなある日!あの光が来たんだ…!!」
"色彩?"
クロカワ「ああ!奴が選んだのは…俺が初めて事に当たった対策委員会の…小鳥遊ホシノ!!」
ホシノ「私!?」
クロカワ「反転したホシノを止めれるものは誰も…居なかった!皆殺された!それが悔しくて…苦しくて…化け物だらけでも確かに愛はそこにあった!それに…報いることが出来なかったのが堪らなく悔しかった!!そして私は大人のカードを使った…ある人間から教わった異名を使った最悪な罵倒をぶち撒けて…。」
暁のホルス!!貴様は退学だぁぁぁぁあ!!!!!
クロカワ「それでも…自分の力のみで全てを解決できなかった。その時、俺の手に添えてくれたのが…初日から付きっきりで行動を共にしてくれた…チアキだった。」
ジル「あ…ああ…!!」
クロカワ「結果、あの時の犠牲者の殆どを蘇らせる事は出来たがホシノだけは無理だった。そしてカードを使った俺とカードに身を捧げたチアキはもうどうしようもなかった…。けど奇跡的に残高は僅かに残ってたみたいだった。その小さな奇跡が俺とチアキと前園と鳥居の記憶を封印し、姿を張り替え、ここに流れ着いた。ゲマトリアとして…。」
"そうだったんだ…。"
フランシス「それでどう責任を取るつもりだ?智神ジル。」
"ッ!!"
セイア「待てフランシス!空気を読むんだ!」
ジル「…………」
フランシス「トリニティの半壊、雷帝の追放失敗、キヴォトス壊滅未遂…そのどれもが貴様がやった行いの結果だぞ?その莫大な罪、一体どうやって清算するつもりだ!」
バチィン!
フランシス「ぐっ…!黒服…何をする―」
クロカワ「黙れ」
クロカワ「これは俺の実力不足が招いてしまった事だ!あの場で俺が全て解決出来てたらこのキヴォトスに色彩が来ることもなかった!」
ジル「あ…!」
クロカワ「鳥居を殺さずに済んだ!」
ジル「ああ…!!」
クロカワ「チアキを苦しめることも無かったんだ!!!」
責任なら、力不足の俺にある!!!
ジル「アアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」
ドロオッ…!
チアキ(アンブロジウス)「ジルちゃん!?」
"溶けた…!?"
ポウ…
タールのように溶けたジル。その液体が光に変化し集まっていく!
チアキ(アンブロジウス)「え…?」
光が晴れたその姿は、顔以外の要素は元宮チアキそのものだが、顔は異形のままの人間が立っていた。
チアキ(異形)「……………」
ガシッ
クロカワ「そうか…帰りたいか。」
チアキ(異形)「……………」コクッ
その時、先生とクロカワの持つカードが光り輝きゲートを生み出した!
クロカワ「…お別れだな…いや、お別れですねのほうが良いのかな?先生」
ホシノ「本当に…帰るの?」
クロカワ「妙だな?キミは俺…私のことを忌み嫌ってたのに何寂しそうな目をしている?」
ホシノ「いや…いざいなくなると思うと寂しくなるな…って」
クロカワ「そうか…なら憎たらしい返事を返そう。…クックック、ご息災で。…それと先生、一つ頼みがあります。」
"頼みって?"
クロカワ「私、黒服のキヴォトス永久追放を条件に今回の騒動の関係者の一切を不問にしてください。」
"うん、分かった。"
クロカワ「ありがとう…」
チアキ(アンブロジウス)「待ってください!」
チアキ(異形)「!」
チアキ(アンブロジウス)「約束したじゃないですか!いや厳密にはしてないですけど!もう離れないって!!」
チアキ(異形)「……ッ」ブチッ
ホシノ「な、何を?!」
服に入ってたメモ帳に血で文字を書く。それをチアキ(アンブロジウス)に見せた。」
やくそくをやぶってしまいごめんなさい。
でも大丈夫!チアキなら、万魔殿のみんななら私が居なくなっても元気にやれるはずです!なぜならそう信じてるから!
それに…暫く会えなくなっても遠い未来、また必ず会えますから!!
それでは私、元気でね!
チアキ「う…うう…!うあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!」
気が抜けたのか、アンブロジウスの力を失い泣き崩れる。
ギュッ…
チアキ(異形)「カチカチカチカチ………」
クロカワ「先生、あとはお願いします。」
トランシーバーを渡された先生は次の事を伝えた。
戦争は終わった、私達の負けだ。黒服がこのキヴォトスを永久に去る事を条件にこの騒動における君達の一切が不問になった。
マエストロ「そうか…寂しくなるな、黒服」
フランシス「記憶を取り戻した以上、黒服にとってこれ以上の探求は無意味となったか…。」
マエストロ「記憶?」
フランシス「さぁな。少なくとも私には関係の無い記憶だ。急ぐぞ、彼女達から力を回収せねば。」
チアキ「…ジルちゃん…いや、もう一人の私!絶対に、ぜえ〜ったいにまた会いましょう!!」
ゲートの中に消えていく2人、その先にあったのは―
To be continued
最終話 エピローグ
それでは、最後の物語で会いましょう。