探究者の為の世界樹   作:ロングコート

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1章5話 羽沼マコトの大博打

ジル「ハァ…ハァ…勝てた…けど……流石に疲れたね…」

一騎打ちに勝利した私は、倒れているヒナを抱きかかえた。

 

ジル「くぅッ…背中が痺れる…」

勝負を決めたデストロイヤーの暴発、至近距離にいたヒナのダメージは言わずもがな、ある程度離れた位置にいた私も爆風により大きく吹き飛ばされ背後の壁に叩きつけられた。それ故背中がたまらなく痛い。何より驚いたのは

 

ジル「至近距離から爆風を受けたのに…なんて耐久力、空崎ヒナ。」本来ならあの爆発では両腕が粉砕骨折していてもおかしくないのに、中度の骨折で済んだどころか意識を保ってたなんて…

間違い無い、この人はあの死の神に匹敵し得る実力者だ。と認識した。路地裏を出てる時

 

野次馬A「いたぞー!こっちだー!」

 

スケバン「うぉぉぉ!!!私のスナイパーラ…え?」

 

野次馬B「う、嘘だろ…?あの委員長が…??」

外にいた野次馬達が此方に近づいてきた。、そして一瞬の沈黙、次の瞬間

 

野次馬A「うぉぉぉォォォ!!!!!!

 

野次馬B「え!?かか勝ったのか!?!?あの委員長に!?!?」

 

野次馬C「私達に出来ないことを平然とやってのける!そこに痺れる憧れるぅぅ!!!」

 

野次馬D「マジか!やりやがった!!まじかよあの野郎!!やりやがった!!!」

巻き起こる悪童達の大歓声、

 

ジル「ちょっと…目立つから落ち着いて…」

 

野次馬「落ち着いてられっか!問題児のカリスマ、問題児の救世主が誕生した瞬間だからな!」

 

ジル「そんな金髪の吸血鬼じゃ無いんだから」

そうわちゃわちゃしてる時だった

 

アコ「委員長!…え?」

 

野次馬「あ、行政官だ。」

 

ジル「アレが風紀委員会のナンバー2なの?」

 

野次馬が私の問いにYESと返した。

 

アコ「嘘ですよね…?委員長…?」

 

ジル「残念ですが…これは現実です…でも生きてはいるので医務室まで連れてってあげて下さい]

そうしてヒナをアコの前に置いた私は、その後のアテもなく前に歩んだ。後ろから私に向かって罵声を飛ばす声が聞こえたが、それでも歩みは止めなかった。

 

数時間後、万魔殿にて

 

マコト「ヒナが負けたか!キキキッ、風紀委員会も落ちたものだなぁ。」

 

アコ「はい…今でも信じられませんが…」

 

マコト「学園の問題の一つ解決できない、一体何の為の風紀委員会だ!」

そう嘲るように嗤う。

 

アコ(ぐっ…このタヌキめ、言わせておけば…!)

 

マコト「んん〜?どうした行政官殿、そんな顔されたらコチラはお前たちのことを助けてやれんぞ?お前たちが負けたのは事実だしなぁ、キキキッ!」

 

アコ「クッ…」

 

マコト「しかし、あのヒナが負けるとはな…正直信じられん。この件は我々"万魔殿"に任せると良い。先ずはその者の詳細を説明してもらわねばな、アコ行政官。」

 

アコ「貴女方が戦っても勝てるとは思えませんが…分かりました、これが件の人物の詳細です。」

説明後

 

マコト「てっきりグループが引き起こした問題だと思ってたが、まさか単独犯だとはな…」

 

イロハ「それでどうします?マコト先輩」

 

マコト「ヒナに勝ったが代償は大きいはず。このまま我らが動かせる人員を送り、数の暴力で押し潰し、連邦生徒会に突きつけ…」

その時、マコトの脳に電流が走る。

 

マコト(いや、待てよ?これってつまり裏を返せば…しかしそもそも奴の素性が知れないのに…この策は危険過ぎるではないか?だがもし上手く行けば…)

数秒の沈黙

 

アコ「?マコト議長?」

 

マコト「アコ行政官、一つ聞きたい事がある。」

 

アコ「??何でしょう」

 

マコト「その者、智神ジルは今、何処にいる?」

 

 

ジル「結局、私も医務室行きですか…」

実はあの後急激な背中の痛みによりうずくまり、それを偶々通りかかった氷室セナさんにゲヘナの救急車に投げ込まれ現在に至った。他の病室はゲヘナとは思えぬほどに静かだが、私の居る病室はというと

 

 

野次馬A「よっ!謎の最強ゲヘナ生!」

 

野次馬B「頼む、サインをくれ!私のノートに!」

 

野次馬C「ちょ、ずるいぞ!私にもサインをー!」

 

…ちょっとしたサイン会場になってた。

 

ジル「皆さん、もう少し静かにして…ここ病室だから…」

そうわちゃわちゃしていると、一人の来客があった。

 

イロハ「どうやらココですね、外まで聞こえてましたよ。」

 

マコト「やかましいぞ貴様ら!ここを何処だと思っている!」

現れたのは軍服を思わせる黒光りするコートを羽織った、気だるそうな赤髪といかにもトップだと思わせる雰囲気を醸し出すイケメンの美女だった。

 

ジル「貴女方は誰ですか?」

 

マコト「始めまして、私の名は羽沼マコト、我が偉大なる万魔殿の議長だ。」

 

イロハ「私は万魔殿の戦車長を務めています。棗イロハです。」

 

万魔殿…確かゲヘナの生徒会だったな

 

ジル「それで?そんなお偉い様が私に何のようで?」

 

マコト「単刀直入に言う、智神ジルよ…」

 

 

「我が万魔殿に入れ!」

 

 

イロハ「!?」

 

ジル「!!…へぇ、いきなり何を言い出すかと思えば」

 

ジル「いきなり大きい博打に出ましたね。」

 

マコト「ああ、確かに博打だ。はっきり言って素性が謎に包まれている者など他の学園だと生徒会に入れようとはしないだろう。しかし…」

 

マコト「あの空崎ヒナをも制す実力者、そうそう手放すような真似をするのも勿体ない。」

 

ジル「故に貴女方の生徒会に入れということですか。ですが私は偽の学生証を持ってるだけの不法侵入者…試験諸々はどうするつもりなんです?」

 

マコト「そんなもの風紀委員会との戦闘を実技試験として処理すれば良い。その場合は1日で風紀委員会のナンバー2とナンバー1を相手取って勝ったのだから即合格だ。むしろこちらが聞きたいことは」

 

マコト「貴様が何処からやってきて、ここに来た目的だ。」

…やはりこれが気になるか…恐らく彼女は私の目的が分からない、しかし類まれなる実力を持っている、故にこのような大勝負に出た。もしゲヘナを滅ぼすとかの目的ならゲヘナは破滅する、しかしもしそうでないのなら、キヴォトスでも最強格のヒナを制した力がゲヘナに付く。何よりその目からは、ゲヘナを背負い守る覚悟を孕んでいた。

 

ジル「私は…今現在、一時的に解散してるとある組織に居ました。そして私の上の人間が私に学園の潜入を命じたのです。その目的は多く言えませんが組織を構成する人員の勧誘でありゲヘナの、ひいてはキヴォトスの滅亡ではない事は確かです。」

 

マコト「つまり…」

 

ジル「賭けは大勝ちです。不束者ですが、どうかこれからよろしくお願いします。羽沼議長」

 

マコト「…キキッ…キキキッ!キヒャヒャヒャ!!!どうだ!勝った!勝ってみせたぞ!」

 

イロハ「その組織がどういうものかが唯一の懸念点ですがね。」

 

ジル「まぁ先生とも面識はありますし、俗な言い方をすれば先生ファンクラブみたいものですよ。まぁ肝心の先生には煙たがられてますが…」

 

ジル「それで?私はどのような役職に就けばよいでしょう?」

 

マコト「か、考えてなかった…」

 

ジル「ウフフ、意外と抜けてる所があるんですね。ならこれはどうでしょう?」

 

ジル「"万魔殿議長補佐官兼ボディーガード"智神ジルというのは」

                  To be continued

 

 

 




どうもこんにちは、作者です。だんだん物語が軌道に乗り始めました、後はやる気の問題です。
それでは次の物語で会いましょう。
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