この世に産まれてきた理由があるとするならば
アレを殺すことなのだろう
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昔から常に破壊衝動を抱えて生きていた
昔から何故か全ての生物が愛おしいと感じていた
2つの矛盾を抱えて生きていた
産まれた時から何故か頭の中にあった『この星を守る』と言う使命を実行するため、今日も
今日も?きっと明日も?
矛盾を抱えて、普通を演じて自分を押し殺して、ストレスを溜め込んで、生きていく
銀色の髪、右目が隠れるほど長い前髪、長い髪を1つの三つ編みで纏めて
何でか取れないヘアピンを横髪にあるのを確認して
青緑色目が鏡越しに見つめている
やる気のない顔と一緒に
ーーー
太陽が照らす中、さっきの鏡の反射で映っていた時とな打って変わって笑みを浮かべ女の子らしい柔らかいものになっていた
情報は多少ある、今は力が欲しい
目的を果たすため
学校に通う平和的な時間でさえも頭の中は使命のことでいっぱいだった
「輪廻さん、ごきげんよう」
「ごきげんよう」
小中高一貫性のお嬢様学校
そこに通う生徒
輪廻 小町として少女は存在していた
ーーー
学友につくり笑みを浮かべ「ごきげんよう」そういい、さる
外は真っ赤な夕日に染められていた
輪廻は迷うことなく、薄暗い路地裏を歩き進める
歩いて
歩いて、ついた先は人が入れるぐらいの
ネザーへの入り口
そのに迷うことなく入り込む
ネズミや虫しかいない薄暗く、鼻をつんざくような悪臭を無視して慣れたように歩き進める
とある開けた場所、ところどころ壁には亀裂が入り、崩れてもおかしくはない状況だった
輪廻は持っていたスクールバックをあさり、円柱形の物を取り出した
それを迷うことなく火をつけ投げた
転がり、輪廻がいる場所から離れた壁にぶつかり
大きな音を立てて爆発した
それをただ嬉しそうに眺めていた
この世界への鬱憤は溜まっていく、溜まって溜まって、いつかは爆発してしまう、ならばコソコソと隠れて、鬱憤を発散するためにこんな事をやっている、いわば輪廻にとってはストレス発散のための行動だった
次をと思い鞄を漁っていた時、足音が聞こえたその足音はこちらに近づいてきている
邪魔が入り、さっきまで尖った歯を剥き出して笑っていた笑みは消え、心底つまらなさそうなうんざりした顔になっていた
「お前か、毎日毎日、ドカドカと騒音立ててるのは」
「あ?」
タバコを咥え全身黒のスエットの長髪男
一般人でもただものではないそうわかるような威圧感があるが、今の輪廻にはそんなことをどうでもよかった
今はただ邪魔をされ苛立っていた
「だったら何?邪魔なんだけど」
「邪魔なのはそっちだ、睡眠妨害してるのお前だろ」
「睡眠妨害?普通の生活してれば…あそっかぁ、ネザーだもんね仕方ないかぁ」
くすくすとバカにしながら笑う
さっきの爆発のせいか、壁にヒビが入る音が響いた
男が動き、火を纏ったカードを輪廻に投げていた、カードは早く普通なら避けられないだろうがそれを輪廻は簡単に避けた
「ただの爆破魔じゃ無さそうだな」
「弾け飛んじゃえ!」
輪廻の手にあるのはさっきと同じ爆弾、それを男目がけ投げる
だがそれは簡単に切られる、
「キャハハ」
「っ」
切ったと言うのに爆発したそれを避けられるはずもなく
男の顔の近くで爆発した
「…案外平気そうだね」
「げほ、何処がだ」
煙を手で払い退けながらそんなことを言われる
爆破のせいかタバコは口になくズボンのポケットからタバコの箱を取り出しているのが見える
それを口に咥え、能力で火をつけていた
そんな隙を見逃すわけもなく鞄から爆弾を取り出して数個投げる
「へー」
目を見開き驚く
男は人が到底できる動きとは思えないほど早く動き爆弾を避け、輪廻の元に走り寄っていた
それを焦るでもなくただ余裕そうに見つめていた
「終わりだな」
首元に突きつけられた、カード
「どーだろ」
視線の先、男の背後で爆弾が爆発した
輪廻は笑みを浮かべていた、不気味に、尖った歯を剥き出して
「あ?」
「アタシだって爆弾しかないわけじゃないんだよ?」
口を開け、火を纏ったカードを口に入れた
「は?」
視界が変わる
背景が変わる
地獄のような場所、そこに居る誰か、神のような姿なのだれか
「なんであの時の」
「何だお前、アドラリンク体験者か」
残念そうに呟いた言葉に、男はただ茫然と輪廻を見ていた
気づいた時には景色は戻っていた
「お前何者だ」
紫色の瞳が鋭く見つめている
「伝道者ぽくないし、どっちかと言うと違う…もっと血生臭い…いや元か?」
ぶつぶつの何かを呟きながら首を傾げている
「答えろ、何でお前みたいな小娘がそんなことを知っている」
「…小娘ね、君には私が人間にただ女の子に見えてるの?」
楽しげに笑みを浮かべる姿に、男は圧倒されていた
「まぁいいよ、君とは気が合いそうだ」
緑色の瞳が男を捉える
「アタシはね、伝道者をぶっ殺したいんだ…ああ別に恨みがあるわけじゃないよ?そう言うふうに作られただけだから」
一つしかない紫色の瞳を見つめる
その目には笑みを浮かべた輪廻が移っていた
やっと自分の思考から戻ってきたのか、笑っていた
「面白いことになったな」
タバコの匂いが鼻につく
「お前ダークヒーローに興味ないか?」
「興味ない」
即答で答えたせいか驚いたような反応をされる
「今のは流れ的に興味あるって言うところじゃないのかよ」
「無いものはない、でも嫌いなもの全部ぶっ壊していいなら君のやりたいこと手伝ってあげるよ?どうせ必要なんだろ?アドラリンクが」
紫と緑の目が交差する
2人とも笑みを浮かべ、楽しげに笑っていた
「それはそうとして騒音やめろ」
「アタシはどこで遊べばいいんだよ!」
その叫びは嫌に響いた