「ヴァルカンの工房が襲撃された後リヒトが調査した結果、伝道者の一味はネザーに潜伏していることが分かった」
第八のメンバーが集められ、真剣な面持ちで始まった会議の内容
リヒトからある程度聞いていたため驚きはない
「西洋教の教えではネザーは太陽神の光が届かない不浄の地とさていますが」
「シスターの言った通り、ネザー東京皇国の地下は近畿の地とされているそこを拠点とする奴らは西洋教の教えに反する異教徒かもしれない」
「そのネザーですがかつて東京には地下鉄道が張り巡らされていたす、ほとんどが大災害の日時に崩れて埋まってしまったみたいですが、まだ地下には空洞だけが残っている場所があると判明したっす、じょばんにんの遺留物と人工ホムラビトが発生した地域からそこを絞りしたす」
お前そんな喋り方だったか?
首を傾げ話の内容よりもそちらの方が気になる
いやでもたまに…なって…ないなうんおかしい、しばらくいじって遊ぼ
変なキャラ付けならばいじり倒そうと心に決め話をちゃんと聞くことにした
「明日向かうのは人工的に焔人を作っている奴らの拠点となる場所、そこには必ず人体発火の謎があるはずだ、これは鎮魂じゃない、命をかけた戦闘だ」
「弟を連れ戻すぞ」
森羅の肩に手を置き
「各員明日に備えよう」
そう言い放った桜備を無言で見つめる
ーー
寝るのはあんまり好きじゃない
寝れば世界からの声が聞こえる
夢なんてない
だけども生きている以上睡眠は必要だ、それが道具であろうとも
寝台の上に寝っ転がり、眠るのを待つ
少しずつ瞼が重くなり意識が少しずつ落ちていく
ーー
黒く燃える地平線
見慣れてしまった地獄のような風景
「…」
見つめてくる金髪青目の少女
「また嫌がらせに来てくれたの?」
「お前はよくやるな」
呆れたような顔をして言われるが心当たりがない
「使い捨ての道具とわかっていて、命をかける」
ピンと来てないことに気づいたのか、そんなことを言われる
使い捨ての道具
世界は大して力も情報も与えずただ使命を与えてくる時点で分かっていたずっと前から、でもそれは第八に来て確信に変わっていた
絶望をする事も出来ない、伝道者側に有利にならないように作られている、ただの使い捨ての死んでも痛くない道具
「使い捨ての道具でも、使命を与えられた。命を与えられた。そういうふうに作られた。」
自分に言い聞かせるようた言葉を吐く
「世界の捨て駒であろうと、この星が望む結果を出す。それしかないから…やるんだよ」
「悲しいな、お前は」
「お互いね」
ムッと怒ったような顔で見つめてくる
鼻で笑う
ブザー音が聞こえた
「森羅?」
一柱目が振り返って森羅を見つめている
一瞬、本当に一瞬森羅が一柱目とリンクした、たまたま一柱目とリンクしていた輪廻ともリンクをしたが、一瞬の出来事森羅には輪廻の存在は気づいていなだろう
「これからはアイツにもちょっかいを出すとするか」
森羅が去った後そんなことを言い笑っていた
嫌がらせのつもりなのだろう
ーー
地震の揺れで目が覚めた
「…久しぶりに世界の声聞かずに目が覚めたな」
そんなことを呟き、窓の外を見るがまだ暗く寝てから1時間しか経っていないことに気づき、起き上がっていた体をまた寝台に放り投げる
ーー
ネザーに向かうマッチボックスの車内
「輪廻のシスター服はアイリスのと違うな」
確かにアイリスとは違い丈が少しばかし短く動きやすい
「なー」
「輪廻さんとの初めての出動楽しみです」
微笑み嬉しそうに笑っている
アイリスは一柱目と違って嫌味な事も言わない、優しく可愛い
無意識に口角が上がる
「頼むぜ、先輩」
「はい!」
「…」
無言でアイリスを見つめる森羅と目があった
それに気づいたのか話していた環とアイリスも森羅の方を見ていた
ーー
目的地につきマッチボックスから出る
2人が相変わらず言い合いをしている
大きな扉鉄の扉、ネザーへの入り口
「本当に入るんですか?」
「こんなところに近づいたらママに怒られちゃう」
怖がっているのか環の手が輪廻の手に触れ流れるように手を繋ぐ
「ヴァルカン君は平気そうだな」
「まぁ得意ではないけど、浄水施設の検査で何度か入ったことあるけどな、得意ではないけど」
地下に出入りしているからか、感覚が麻痺しているが実際はこれだけ怯えられ、怖がりれ恐怖の対象なのだとぼんやりしながら考える
それはそうとしてリヒトはもうちょい怯えたフリしとけよ
「輪廻は怖くないのか?」
「…ぶい」
人の声を言えないなと思いつつ、誤魔化すかのように環にピースサインをする
「私たち本当に入っていいんですか?」
「ピーピー喚くな」
中隊長の一括で騒がしい声が一瞬で治った
先輩シスターである、アイリスが祝詞うをすることとなった
皆がシスターを見つめている時、1人動くヴァルカンを目で追う
電気が通っているのか確かめているのだろう
何故今やる、と言いたいのをグッと抑える
ーーー
電気が通っていたらしく祝詞うを行い終わったのと同時に扉が開き、阿鼻叫喚が聞こえていた
「わーくらいネザー」
「ネザーやだー怖い」
アイリスと輪廻の背にしがみつきそう喚くのは環とマキだった
「…」
アイリスも怖いのか輪廻の手を握っていた
その手を優しく握り返す
「!」
驚いたように見つめてきたアイリスに優しく微笑む
「中には何があるんだ見せてくれて!」
アイリス達と微笑ましいあれこれをやっている中アーサーのそんな声と
「うわぁ!入っちゃったよ!」
大隊長の悲鳴が聞こえた
終わりの見えない暗闇の入り口に立つ桜備をはじめ皆が暗闇に入っていく
「大隊長ビビりすぎだ」
「だってネザーだぞ」
「これから向かう先を地獄であることを忘れるな、伝道者の拠点人体発火の謎はここにある油断せずに向かうぞ」
右手にアイリス、左手に環の手を繋ぎながら歩き進める
「輪廻モテモテだね」
「いいだろ」
そんな様子を見てかリヒトに揶揄われるがそれを一周する
線路の上を歩き進める
薄暗く終わりが見えない線路の先、突然霧が迫り来た
「みんな!離れるな」
一瞬で周りが見えなくなる、突然のことで2人の手は離れてしまった
「輪廻!森羅君!助けて何かに引っ張らてる!」
「輪廻!アイリス!」
霧の向こうからそんな声が聞こえるが、似たような声が複数箇所から聞こえる、身体能力が人の倍高い、それ故に聴覚も人の倍能力が高い、それが仇となり正確な位置が分からなくなっていく
時間が経つたびに、人の声が増え人の気配が増え
誰かに引っ張られた
ーー
どうやら逸れてしまったらしい、周りに人の気配はない…いやあるにはあるが
足音を立ててゾロゾロと白装束が5名
「なんだ、小娘しかもシスターか」
リーダー格らしくき男がそんなことを言い下卑た笑い声をあげていた
「丁度良かった」
第8に来て数週間、出動もなく下手な動きもできずただ大人しくするしかなかった
破壊衝動もグッと抑え抑え抑え
「1人でよかったぁ」
「恐怖で頭がおかしくなったか?」
1人、壊滅すべき相手が多数
抑えに抑えた破壊衝動を爆発させるにはいいタイミングだった
「壊滅する!」
シスター服に隠していた爆弾を取り出して駆け出す
スピードについて来れなかった1番前にいたリーダー格の腹を殴り飛ばす、思った以上に飛び、地面にバウンドして倒れ込んでいった
「なに」
「よそ見してんじゃねぇよ!」
2人目の口に爆弾を突っつこみ、3人目に投げる
2人同時に爆発し、地面に転がる
「後、2匹!」
尖った歯を剥き出して笑う
「キャハハ!」
炎を出して抵抗する2人、炎の軌道を手で変え、顔目がけ殴り飛ばす
壁にぶつかり倒れ込む
「なんなんだ、貴様」
「お前らの!敵だよ!」
笑い声をあげ爆弾を投げる
爆風が鳴り響く
爆風があたりに靡く
「…思ったより弱い」
無傷で立ち、余った爆弾を持ち悲しげに見つめる
「まだ、遊びたかった」
仕方がない残党を潰して回ろう
そんなことを考え軽い足取りで進む
ーー
ブザー音が頭の中に響く
ーあの子達を助けてー
また聞こえた優しい声
「いいよ」
目にツノが生えている鬼に手を差し伸ばす
「君には前に助けともらったから」
きっとあの時、伝道者とリンクした際に話してくれたのはこの人だ、だから
「2人を助けてやるよ」
黒い手に触れる
ーーー
森羅がアドラの世界に干渉している間、あの人を森羅を合わせる
他のドッペルゲンガーや柱からの干渉が起きないように手を回す
「…」
「引き込まれすぎるな」
顔は見られていないから平気だろ、なんなら呆然としすぎて、引き込まれそうになっていた
そのため声をかけた
森羅とのリンクが途切れた
「後は現実で助ける…またな」
「ありがとう」
優しい声、優しい
お母さんとお父さんを思い出すような優しいく安心する声