伝道者を破壊せよ!   作:欠けたチーズ

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なかま

森羅が退院する日、ヴァルカンが迎えにいった

 

「おいアーサーさっさとやれ、またこっちに回ってくる」

 

「ぁあぁ、」

 

「ダメだなこいつ」

 

数分で根を上げたアーサー

数日前に書類をエクスカリバーでも燃やそうとしていたため、壁に貼り付けられたエクスカリバーとアーサーを交互に見つめる

 

こうなるほどに書類仕事が苦手なのか

 

「輪廻、目見せてくれ」

 

「引っ叩くぞ」

 

あの日からアーサーはちょくちょく面白がって目を見せて欲しがる

 

「ヘアピン持ってるぞ」

 

「環…」

 

可愛らしい猫のヘアピンを取り出した環、助けを求めるようにリヒトを見つめるが知らぬ顔をされた

 

おとなしくヘアピンを付けられることにする

 

「…!てかお前あれだ騎士王なら事務仕事も余裕でやれなきゃ駄目じゃね?」

 

「なっ!」

 

目を見開き驚くアーサーを見て内心ほくそ笑む

 

「確かに…」

 

やる気の出たアーサーに内心安堵する

 

「取っていい?」

 

「えぇもう取っちゃうの?」

 

やる気が出たならばこのヘアピンも付けられる必要はないと聞くが残念がるので仕方なく付け続けることにする

 

ーー

 

仕事も終わりひと段落した頃、森羅が帰ってきたのか騒がしくなる

 

「おかえり森羅担員、アドラバーズが無事で何より」

 

「おかえり、森羅」

 

「…輪廻」

 

帰ってきたと分かり1番に部屋を出ていったと思えばすぐに戻り雑誌を読み始めた環

 

「その、あの時はそっけない態度してごめん、でもありがとう」

 

「……?おう!」

 

「分かってないだろ!」  

 

分かってはいるが気にしてないそれにいつもの調子に戻ったようで何よりだ

 

「後、イメチェン?」

 

「違う」

 

ーー

 

森羅の退院パーティーを開催することとなった

 

「なぁ、環アタシいつになったらこれ取っていいの?」

 

「可愛いからいいじゃないですか」

 

「アイリスまで?」

 

どうやらもう今日は取れないならしい

 

なんかリヒトが変なことやってる、いやリヒトが変なことしてるのはいつものことだけど、なんでカップ麺に囲まれてるの?なんでアルコールランプとビーカーでお湯沸かしてるの?少なくない?お湯の量、あの人何やってんの?

絶対にツッコマないと決めつつ眺める

 

どんどん人が集まってくる

第一に第五第七

第八の協力者たちが集まっていく

 

大隊長が何か言っているが、皆が皆盛り上がり話を聞いていない

 

ジュースを飲みながら盛り上がる様子を眺める

 

笑って、楽しそうにして、

 

「輪に入らなくっていいの?」

 

「お前が言うかよ」

 

一歩下がって見ていたところ、リヒトにそんなことを言われる、リヒトも同じく一歩後ろで見ていた

 

「まぁ僕達は違うからね」

 

「まーな」

 

輪に入れないのが少しばかし悲しいかも

 

そんな気持ちはジュースと一緒に流し込む

 

ーー

 

「輪廻、退院したばっかであれだけど、訓練付き合ってくれ」

 

その言葉に目だけで中隊長をみる、頷きOKサインが出た

 

「いいぜ」

 

書類仕事も終わったしいい息抜きだと思い、体を伸ばしながら立ち上がる

 

「む!俺も行くぞ!」

 

「お前は仕事してろ」

 

事務仕事から逃れるためかやっと手元に戻ってきたエクスカリバーを持ちながらついてきた

 

 

屋上につながる扉を開ければ、何か作業をしていたヴァルカンと目があった

 

「おーお前ら何すんだ?」

 

「これから輪廻と手合わせするんだ」

 

「輪廻はシスターじゃなかったのか?」

 

森羅が入院している間も大して出動がなかったため、輪廻が戦えるということはヴァルカンは知らない、工房を襲撃された際に助けに入ったが、その際も戦闘は行なっていないためヴァルカンの中で輪廻は普通のシスターと大して変わり無かった

 

「輪廻は強いぞ」

 

一つにまとめた前髪を揺らし何故かドヤ顔で言い放つアーサーにため息をつく

 

「少し興味あるな、休憩中だし気にせずやってくれ」

 

「おう」

 

軽く準備運動をしてからパーカーを脱ぐ

 

「今日こそ勝つ」

 

「おーがんば」

 

意気込む2人に適当な声かけをする

 

開始の合図ともに駆け出す2人

ラビットを使い真っ先に飛んできた森羅の足の攻撃

足を掴み投げる、それがわかっていたように追撃をされるがそれも簡単にいなす

 

その隙を狙ってアーサーのエクスカリバーが切り掛かって来るが、手で軌道を変る

 

「っ!」

 

「どわ」

 

一歩下がり耐性を低くして森羅の蹴りを避ける

低くなった体制からアーサーの足を狙い転ばせる

 

立ち上がる勢いのまま森羅の顎を手で押すように飛ばす

 

「ぅぐ」

 

軽くよろめき距離をとっているが、アーサーが立ち上がる前に森羅を潰そうと、距離を取らせまいと追いかける

 

追いつき、腹に一撃を入れ膝をつくのを見届けてから背後から無言で斬りかかろうとしていたアーサー、エクスカリバーを持つ手を振り下げた瞬間を狙い、持っていた手を上に叩き上げる

 

「なっ」

 

思いもしなかった攻撃のせいかエクスカリバーは簡単にアーサーの手から離れ宙を舞っている

 

「おしまい」

 

「ぐ」

 

森羅と同様腹に一撃を入れ倒れ込むアーサーを見送り一言

 

「…輪廻ってめちゃくちゃ強い?」

 

「おー強いぞー」

 

ヴァルカンの信じられないような視線を受けながら両手をあげ高らかに宣言する

 

「なるほどな…」

 

考え込むような仕草をしているヴァルカンを横目に森羅とアーサーの首根っこを掴み上げ立たせる

 

「くそぉ!能力すら使わせられなかった!」

 

「無念…」

 

「がんば」

 

悔しがる2人を面白げに眺める

 

「2人とも強くはなってるんだぜ?」

 

フォローかのように言えば2人とも輪廻の顔をじっと見つめ何か言いたげにしていた

 

「輪廻を越えなきゃ意味ないだろ」

 

「ああ」

 

「がんば」

 

それしかい言いようがない

 

「輪廻、武器に興味ないか」

 

キラキラと目を輝かせ肩を掴まれる

 

「なんで?」

 

突然の言葉に困惑しながら何故そうなったのかを聞こうとしたが、肩を揺らされる

 

「今ヴァルカン君と作っている物に耐えられそうなのが輪廻だからだよ」

 

相変わらずニヤニヤとした顔をしながら、差し入れと缶ジュースを何故か頭に乗っけられる、頭のてっぺんから熱が抜けていく

 

「何作ってるんだ?」

「リヒト捜査官と何作ってるんだよ」

 

2人も差し入れをもらったのか飲みながらそんなことを聞いている

 

「なぁに、ちょっとしたおもちゃだよ」

 

「強力な武器だ、これがあればどんな強大な敵でも1発だ!」

 

「強大な武器?」

 

「おーヴァルカンって結構素直だな」

 

リヒトがぼかしたのに対してヴァルカンは色々教えてくれた

その様子に少しばかり苦笑いをしているのをみて鼻で笑い、ずっと頭の上にあった缶ジュースを掴み開ける

 

「まだ未完成だから、完成するのを待っててくれよな!」

 

「おー」

 

「結構気になるよな」

 

輪廻よりも興味のある2人を眺めながらどんな物を作るのか、と少し気にはなった

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