森羅達は中華半島に向かうらしい
アタシは怪我がまだ治っていないからお留守番
一年前も両手怪我したなぁなどと思いな
そんな事を思いながらヴァルカンに呼ばれたので作業場に向かう
「お、来たな」
ヴァルカンの足元にある重そうなハンマーが目に入る
「前に言っていた武器完成したぜ!」
「おー」
よっと、掛け声をあげながら重そうにハンマーを持ち上げている
「ただの重いハンマーじゃねェからな」
そういい差し出してきた、両手で持ち上げる輪廻でも少し重いと感じる
サンドバッグを指差している、思いっきりハンマーを当てろという事だろう
「当てる瞬間に持ち手にあるスイッチを押してみろ」
言われた通りハンマーを振り上げサンドバッグに振り上げる、あたる瞬間にスイッチを押す
ハンマーの丸い面がサンドバッグに当たったのと同時に大きく爆発した
「おー!」
使い物にならなくなったサンドバッグを見つめる
焦げ、大きな丸ができたようになっていて、その衝撃のせいか真ん中から下が地面に落ちていた
「すげぇな!ヴァルカン!」
爆弾で騒音騒ぎを起こした輪廻からしてみればこれは夢のような物だった、消防官という立場上爆発物は扱えない、それを合法的に使えるこの武器に目を輝かせ、新しいおもちゃを手に入れた子供のようにハンマーを見つめる
「気に入ってくれて良かったよ、ってもほとんどリヒトが設計したんだけどな」
なるほど、少し話納得した輪廻が扱いやすくそして破壊衝動もついでにカバーできてしまう武器に
「輪廻に渡すかは結構悩んだんだぜ?前に起きた火災の時に輪廻結構無茶してリヒトに怒られてたろ?」
「…すごく怒られた…」
今思い出しても、背筋がゾッとする
「これを渡してさらに無茶するかもしれないと思ったが、リヒトの説教が効いたみたいで安心したよ。何言われたんだ?」
「無理したらダメって…静かに怒るから怖い」
しょぼくれた顔で言えば笑われた
「リヒトは輪廻のこと妹みたいに思っているもんな!」
大きな声で笑っているが微かに聞こえてくる無数の足音
「すごい音したぞ!」
焦ったように扉を開けた大隊長の後ろには中隊長やマキ、アイリスの姿もあった
ヴァルカンと顔を見合わせ、逃げようとした手を掴まれる
「もう怒られすぎてお腹いっぱいだから!」
「いやいや!俺1人で怒られるのはごめんだ!」
輪廻は怪我がまだ完治してないのにこんなことするなと、ヴァルカンも怪我人にこんなことさせるな、備品を壊すなと2人仲良く怒られた
ーーー
「中華半島ってどんな場所なんですか?」
と不思議そうに呟いたマキの発言に輪廻に視線がいく
「災害前の事の方しかあんまし知らないぞ」
「それはそれで気になるな、話せ」
墓穴を掘った気がする
「元々は1番人口の多いい国だった、民族が集まりどんどん大きくなった。災害が起きてからはほとんどの人が焔人になって、大陸もほとんど諸滅した。」
言える範囲で知っている情報を出す
「文字で分かる通り、中華料理発祥の地だな」
「生命体の方はどうだ?」
未知、それゆえに心配なのだろう心配そうに聞いてきた大隊長に申し訳なそうに答える
「世界は人間に試練を与えるのが好きみたいで、言えない」
色々とやばいのは居るのだが、世界は何気に厳しい、終わりたくないと本当に願っているのかと疑いたくなるレベルで非協力的だ
「心配だなぁ」
ブザー音が頭の中で響く
「…なぁマキさん、人って土食うの?」
「食べないけど、いきなりどうしたの?」
森羅の炎を喰らった日から、何でか相性が良かったのかそれとも長く一緒にいたせいか何故か頻繁にリンクする、特に森羅の感情が高まった時に
「アドラバースで繋がってるから、分かるんだけど…森羅達中華半島に着いたぽいんだけど…土食ってる」
頭に流れて来る森羅の声
ー異国の土だ!!いっぱい食っとけ!ー
「…何してるんだあいつ」
「そんなことが出来るんですね」
呆れている面々と何故か感心しているアイリス
アイリスを微笑ましく眺める
ーー
「何したんだ?」
ハイテンションな声がリンクをたたって頭に流れ込んでくる
首を傾げ、うるさいからリンクを弱める
…そう言えば中華半島ってことはあの人に会うのか
世界経由で黒の女とは何度かリンクしたことがある、森羅ともリンクで繋がっている今あの2人がアドラリンクした際、もしかしたら繋がるかもなと思いながら、結局自分にできることはないしまぁいいと、考え体を伸ばす
ーー
「輪廻は伝道者を破壊するんだよな?」
「うん」
武器の調節のためと飛び出されていた時ヴァルカンが不安そうに聞いてきた
「白装束については…どう思ってるんだ?」
その言葉に何となく察した、ヴァルカンが感情移入しているリサと言う女性のことを思い出した
「邪魔をするなら殺害する。でも一応伝道者の破壊以外にも人類の保護も使命の内に入っているんだ、邪魔しないなら殺害も害も何も与えない、与えたくない」
その言葉に安心したように笑っていた
「輪廻は優しいな」
そういい雑に頭を撫でられた
「優しくないよ」
与えたくない、本音が漏れ出てしまったが仕方ないのだ
矛盾まみれの感情を思考を与えられているのだから