伝道者を破壊せよ!   作:欠けたチーズ

7 / 23
初対面

鼻につく匂いが漂う薄暗い道を何処かの誰かから移った鼻歌を歌いながら足音を響かせる

 

「この時間にいるなんて珍しいな、クビ?」

 

主張の激しい秘密基地の扉を開ければ平日の昼にいるには珍しいリヒトの姿が目に入った、ジョーカーと何か話していたのかジョーカーの近くに立っている

 

リヒトの休みの日は輪廻もジョーカーも把握している、本人が言ったわけではない勝手に調べて知っているだけだ、それらを踏まえてもリヒトは休みではない、なのにいる姿にとうとうやらかしたかと納得する

 

「違うよ…輪廻を待っていたんだよ」

 

「何待ち?」

 

ふとソファに座りニヤニヤと笑うジョーカーが目に入った

何かあってもなくってもジョーカーはニヤニヤしているが何だか今日は気になった

 

「第八に転属になってね」

 

「間接的な処刑宣告?」

 

輪廻の言葉にいつもは見開かれている黒い目が細くなった

 

「違うよ」

 

「ふっ」

 

輪廻の言葉に吹き出したジョーカーを置いて話は進む

 

「灰島からの命令で、森羅日下部を監視することになった、運がいいことに第8は科学員がいない、てことだよ、で本題なんだけども」

 

森羅がアドラバースを扱えるようになったそれは知っていた

だからこそ、その本題が気になった

 

「輪廻ってシスターバッチ持ってたよね?」

 

「ん、あ?持ってたけど」

 

予想していなかった言葉に首を傾げつつ、ポケットの中に入っているそれを見せびらかす

 

傷一つない、もらった時と同じ輝きを放つバッチ

学生時代、やってみたら?という育ての親の言葉で受けてみた結果見事に1発合格した

 

「ならよかった、第8は出来たばかりで人手が少ない、かといってその中に灰島の息がかかっていると思わしき戦闘員を入れるのは嫌がるだろうからね」

 

ここでようやく全てを理解した

リヒトが左遷され、そして助手扱いの輪廻も行くことに戦闘員では警戒されるだろうからシスターとして向かうことに

 

「えぇ」

 

「表向きに伝道者をぶっ潰せるんだぜ?」

 

何故かジョーカーは輪廻が第8に行くことに乗り気だ

だが表向きの行動ができるようになれば、裏での悪さがしにくくなる、がよく考えたらアドラバースト持ちの森羅がいる時点で伝道者は第八に接触する、もうすでにしたいるのかもしれない、そう考えれば表に出た方がいい気がしてくる

 

「…断る理由も無いけど…いいの?私の能力的にバレる可能性の方が高いよ?」

 

 

火を喰らえば勝手に…

そんな能力だ、喰らおうと思ってなくとも口に入った時点で能力は発動する

 

「その辺は上手くやってよ」

 

「…フォローしてよね!」

 

「お互いね?」

 

くすくすと笑い合う

 

「それと輪廻先に言っておくけど無理しちゃ駄目だからね」

 

伝道者相手になると周りが見えなくなり自分の命も二の次で使命を果たそうとしているのはジョーカーから聞いていた、それ故の心配の言葉だった、リヒトも自分が誰かにこう言った心配するような言葉をかけることに驚きつつもそれ以上に驚き固まっていふ輪廻をみる

ついでに言えばジョーカーも驚き口に加えていた煙草を落としていた

 

「誰に言ってるんだ」

 

と自信満々にピースサインを向ければ、不安だから言ったのにと返された

 

ーーー

 

リヒトは書類を書いてくるといいまたどこかに行ってしまった

 

1人煙草を吹かしながらソファの真ん中に我が物顔で座るジョーカー

 

「寂しくなるねぇ?」

 

ニヤニヤしながら言えば目を細め、めんどくさそうに見られる

 

「元々俺は1人だった」

 

「3人ぼっちで仲良くやってたじゃん?それにたまには会いに来てあげるよ」

 

めんどくさくなったのかため息をつき手招きをされる

素直にソファに座っているジョーカーの元に駆け寄る

 

「わ、なに」

 

立ち上がったかと思えば雑に頭を撫でられる

 

「そうだなぁ、どっかの騒音馬鹿のせいで1人が寂しくなっちまうかもなぁ」

 

騒音馬鹿とは最初に出会った時のことをいまだに引きずっているのだろう

 

「なに、ちょ、」

 

髪が崩れるのも気にせず頭を雑に撫でられる

逃げられないように肩に手を置かれている

必死に抵抗しようとジョーカーの手を掴もうとするが、叩き落とされる

 

「実はめちゃくちゃ寂しいんだろ!」

 

「ちげぇよ」

 

解放された頃には三つ編みもほとんど解け、鳥の巣のような髪型になっていた

 

「酷い」

 

手櫛で直しているのを心底楽しそうに見られる

 

ニヤニヤと不気味な笑みで楽しそうにタバコを吹かし、吐いた煙は黙々と空中を舞う

 

ざっととかし終え、三つ編みを作る

 

「まったく」

 

わざとらしくため息をつく

 

「バレるなよ?」

 

「バレねぇよ」

 

何となく寂しがっているのを隠しているのだとわかり、笑みを浮かべる

また手を伸ばされ急いで距離を取れば笑われる

 

ーーー

 

どうやらアタシはリヒト加入後の数日後に配属されるらしい

入隊の書類が間に合わなかったらしい

 

アジトで1人ぼーとする

地上の家に居たところでやることもないと言っても地下にいてもやる事はないが

 

ブザー音が頭の中で響く

 

『3柱目と4柱目が出会うぞ』

 

くすくすと笑う声が後ろから聞こえる

 

「アタシに関係あるのかよ」

 

『あるさ、転びようによってはお前の役目は難しくなるぞ』

 

振り向けば見える金髪青目の少女

その少女には似合わない地獄のような風景

 

目にかかる前髪が風もないのにゆらゆらと揺れている

口元は笑みを浮かべている、不気味な笑み

 

一瞬意識が途切れたような感覚と共に現実に戻る

 

「…キャハハ」

 

「どうした」

 

いつからいたのか心底不思議そうな顔でジョーカーが見つめてくる

 

「一柱目とあったぜ?象日下部と森羅日下部が接触するぜ」

 

「アイツにも言ったほうがいいんじゃねぇか?」

 

楽しそうに笑うジョーカーの言葉に、確かに!と納得しながら無線を取り出す

 

「今いいか?」

 

『よくなかったら出てないよ』

 

「森羅と象が接触するぞ」

 

少しの沈黙の後

 

『森羅君達は今ヴァルカンの工房にいる、3柱目といると言うことは…輪廻もジョーカーも来てくれる?』

 

「楽しそうだから行くー」

 

煙草を吸っているからか、煙でYesと返事をしている

便利だよなそれ

 

「おめかししなきゃなぁ?」

 

「早く着替えろ」

 

こいつ着替え長いんだよ

 

ーーー

 

『潮時だ、ヴァルカンを殺せ』

 

ブザー音の後に聞こえてきた声

 

誰だかわからないが今から行く場所でかなり大きな問題が起きることは確かだ

 

「おいジョーカーいつまで着替えに手間取っているんだよ、大変なことになったぞ!」

 

「あ?」

 

着替え途中だろうがお構いなしに扉を開いたがもう服は着替え終わっていたらしい、なら何で出てこないんだよ

 

「誰だかしらねぇけど、ヴァルカンに殺意むき出しのやつがいるぞ!リンクした!多分アドラバースト持ってる森羅もリンクしてんだろ」

 

「急ぐか」

 

そういい帽子を被っている

 

こいつ何気に女並に準備長いんだよな

 

そんなことを思いながらジョーカーの腕を引っ張り急ぐ

 

「お前どうせラフな格好でも平気で外出るんだからおめかし特に必要なく無いか?」

 

「ダークヒーローには必要なんだよ」

 

そういいジャボらしき物をいじっている

 

「意味わからんし!そんなのいじったところでかわらねぇよ!」

 

ーー

 

急いでリヒトと合流する

 

「アドラリンクでヤベェー事になったぞ!あとジョーカーの支度が長い!あれどうにかしろ!」

 

「落ち着いて話してくれない?」

 

「知らん奴とリンクして、ヴァルカンに対して殺意むき出し!コイツずっとジャボいじってんだぜ意味わかんねぇ!?」

 

「後半のは今さらすぎない?」

 

軽い説明を終え、ジョーカーは別行動することとなった

 

森の中を歩くリヒトを珍しげに見つめる

 

「遅いなぁ…」

 

「仕方ないでしょ?整備されている道は伝道者らしき人達がいるんだから」

 

そう言うことでは無いのだが…

 

そう思いながらリヒトを抱えて走る

 

「は、わちょ」

 

「舌噛むなよ」

 

木々を避け走る

 

ーー

 

途中人を拾いながら工房に到着する

裏口から工房に入る

 

「リヒト捜査官と…」

 

一柱目にそっくりな少女

 

重症者1名

怪我人1名

 

「裏に軽トラがあったよな」

 

「鍵は持っている、それをよりユウを!」

 

「輪廻運べる?」

 

「はいはーい」

 

赤髪の男を掴み簡単に持ち上げる

 

「な」

 

重症者であろう黒髪の少年を慎重に持ち上げる

 

「君も」

 

「は、はい」

 

リヒトが何か仕掛けているが気にせず軽トラに運ぶ

 

「もう大丈夫だ…」

 

重症者の手当てを軽く手当てする

 

「あの、」

 

「配属予定の、輪廻 小町だ」

 

一応名乗りを上げる

心当たりがあるのか少女が目を開いていた

 

「大隊長から一応聞いています」

 

「ならよかった」

 

軽トラが発進し始める

 

視線の先、象と森羅が戦っているのが見えた、一方的な戦い

 

「森羅!のれ!」

 

そういいヴァルカンが手を差し伸ばし、それをとった

 

「なんとか無事のようだね」

 

「リヒト捜査官…と」

 

そういい真っ赤な目と目が合う

 

「輪廻 小町…一応配属予定」

 

心当たりがあったのか納得したような顔をしていた

 

「リサ来い!」

 

伝道者の

 

ヴァルカンが手を出してた、リサと呼ばれた女性も手を伸ばしかけたが、すぐに引っ込めた

 

「…」

 

伝道者である限りあたしは敵になるぞ

 

「っと…手で掴むもんじゃ無いな…」

 

飛んできた火の矢を咄嗟に掴み投げ捨てる

 

「おま!大丈夫なのかよ」

 

「熱への耐性は人一倍あるんでね」

 

なんとも無い手を見せつける

 

「どうなってんのあれ」

 

その発言に前方を見る、先まではいなかったはずの象が平然と立ち刀を構えていた

 

「やるか?」

 

運転席に向かい話す

 

「…うーん、出来れば輪廻には護衛として残って欲しいけど…このまま振り切れなかったら」

 

一応バレる可能性もあるから戦闘は避けたいのだろうと納得して頷く

 

「残念まだそっちにはやれないな」

 

何処からともなく現れたジョーカー

 

「英雄参上」

 

アイツ何処にいたんだ

 

そんなことを考えながら時間稼ぎをする姿を横目に通り過ぎていく

 

「象絶対に向かいにいく!絶対に!」

 

身を乗り出し落ちそうな森羅を掴み小さくなる2人を眺める

 

パーカーを脱ぎ、半裸の森羅に差し出す

 

パーカーを脱いだところでティシャツに短パンと見られて恥ずかしくない格好だ

 

「一応着とけ」

 

オーバーサイズだから一応着れるだろう

 

戸惑い、ほんの少し顔を赤くしてパーカーを気取ったのを確認する

 

ーー

 

病院に向かい、森羅が電話で報告しているのを横目にリヒトに自販機を指差したかる

 

案外簡単に奢ってくれた事に内心驚きながら、買わせたココアの缶を開け飲む

 

「しかし、何故お前達はあんなタイミングで現れたんだ」

 

「やだなぁ帰りが遅いんで心配になってきてみただけですよ」

 

鋭い目つきで睨み上げてくるのは第五の火花大隊長だった

 

「よもや伝道者の一味を連れてきたのはお前らなんじゃ無いんだろうな?配属予定の奴まで連れて」

 

そういい輪廻を指差す

 

「やだなぁ違いますよむしろ僕達が来たおかげでみんな助かったんじゃ無いですか」

 

「…」

 

視線で何か言ってと催促便乗する事にした

 

「仲間ならあんなピンチな中助けに入らないだろ」

 

「変な動きをしたらめためたに踏み躙って潰してやるからな」

 

少しの沈黙の後そう発言した火花にリヒトは圧倒されているらしい

 

それを眺めながらココアを飲みきる

 

ーー

 

病院の売店で白いティシャツを買ったのかパーカーを持ち

 

「ありがとう助かったよ…洗って返したほうがいいよな」

 

「いや別に気にしないけど」

 

受け取り羽織る

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。