鍼灸師辻友紀乃   作:クライングフリーマン

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鴻巣は、元アナウンサーの女性だ。「電波オークション」の前の話だ。
東京にいる頃、すっかりはまってしまい、吸盤治療もやっている所を探して、ウチに来た。
今は、大阪でフリーのアナウンサーをしている。



24.ユニーク

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

============== 主な登場人物 ================

辻友紀乃・・・鍼灸師。柔道整復師。高校の茶道部後輩、幸田仙太郎を時々呼び出して『可愛がって』いる。

鴻巣恭子・・・辻鍼灸治療院の常連。

幸田仙太郎・・・南部興信所所員。辻先輩には頭が上がらない。

 

=====================================

 

私の名前は辻友紀乃。

辻は、所謂通り名。そして、旧姓。戸籍上は「大下」。

旦那は「腹上死」した。嘘。

本当は、がんだった。

膵臓がん、って奴だ。

私は、鍼灸師で柔道整復師だ。

お馴染みさんは、これでも多い方だ。

 

今日も、「お馴染みさん」の話。

「鴻巣さん、終ったで。」

私は、鴻巣の吸盤を外していった。

鴻巣は、元アナウンサーの女性だ。「電波オークション」の前の話だ。

東京にいる頃、すっかりはまってしまい、吸盤治療もやっている所を探して、ウチに来た。

今は、大阪でフリーのアナウンサーをしている。

 

「旦那は『タコオンナ』でも愛せるんやったな。」

「うん。吸盤の跡、吸うことあるよ、セックスの時。」

「変態夫婦やな。」「おおきに。」

鴻巣は、長らく東京に行っていたが、元々関西の人間だ。

私は見たことがないが、鴻巣は、バラエティーショーのMCに引っ張り『ダコ』らしい。

 

才能は、どこで花開くか分からない。東京にいた頃のテレビ局は未だに裁判がどうの、と揉めている。

「先生、どない思います?」「どの事件や。」

「天神祭の夜、『けんかしようや』って声かけて、断ったらスプレーかけられたっていう事件。原稿読みながら、奮えたわ。」

「『けんかしようや』って言われて『ほな、しようか。』って言う人間おるかいな。言い訳の為の『アリバイ作り』やな。後輩の幸田やったら、そう推理する。迷惑な話や。」

「アリバイ作り?」「ほら、大概裁判の時、弁護士が『心神耗弱』とか言うて、無罪にしようとして頑張るやろ?」

「ああ、そのアリバイ作り。その時はまともやなかったから堪忍して下さい、っていうやつ。汚いわ。『精神異常』やったら、『お咎め無し』か減刑っていうシステムがおかしい。」

「これは、私の推理やけどな。昔、睡眠薬の副作用で亡くなったり、精神がおかしくなったりした事件が複数あったらしい。それで、『薬の流通』が悪いということで、睡眠薬は簡単に街の薬局で入手出来んうようにして、精神科の医師が都度症状にあった処方をして、薬局では、『入眠剤』っていう軽い睡眠薬しか売れんようにした。そこで一件落着に思えるやろ?」「うん。」

「精神障害は病気やから、健常者と同じ罪はおかしい、って言い出した、『精神障害』の弁護士登場や。聞くところによると、アメリカさんの『エエトコ取りシステム』らしい。」

「そう言えば、国会の発言なんかみても、弁護士の資格ある議員やのに、変な理屈こね回す人おるな。」

「みんな、勉強しすぎて頭おかしなるんやろな。元財務官僚も、なんで減税せなあかんか分からへん、って言うてたな。」

「私、凡人で良かったわ。」「凡人ちゃうわ。タコオンナやのに。」

「あんまり、褒めんといて。」

鴻巣が精算して出て行くと、入れ替わりに幸田が入って来た。

必死に葉を食いしばっている。

「なんや。歯ア痛いんか?肩こりがキツいんやな。」

「いや、漫才が面白うて。」

「何?思い切り痛くしてくれ?心得た。」

 

私の客はユニークな客が多い。

私の影響やろうな。

 

―完―

 




「先生、どない思います?」「どの事件や。」
「天神祭の夜、『けんかしようや』って声かけて、断ったらスプレーかけられたっていう事件。原稿読みながら、奮えたわ。」
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