鍼灸師辻友紀乃   作:クライングフリーマン

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私の後輩、茶側伊智郎。高校の茶道部の後輩だ。
私が卒業後、後輩の幸田は懸命に部員集めをした。



8.サポーター

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

============== 主な登場人物 ================

辻友紀乃・・・鍼灸師。柔道整復師。高校の茶道部後輩、幸田仙太郎を時々呼び出して『可愛がって』いる。

茶側伊智郎・・・辻鍼灸治療院の常連。

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私の名前は辻友紀乃。

辻は、所謂通り名。そして、旧姓。戸籍上は「大下」。

旦那は「腹上死」した。嘘。

本当は、がんだった。

膵臓がん、って奴だ。

私は、鍼灸師で柔道整復師だ。

お馴染みさんは、これでも多い方だ。

今日も、「お馴染みさん」の話。

 

私の後輩、茶側伊智郎。高校の茶道部の後輩だ。

私が卒業後、後輩の幸田は懸命に部員集めをした。

だが、新1年性の茶側が、ある事件で幸田の顔を潰し、廃部に追い込まれた。

口に出すのもおぞましいから、言わない。

ある日、幸田は、茶側を連れてきた。今は区役所の職員をしているという茶側は、昔の面影が微塵もなかった。

茶側は、巨漢だったから。当時のことは置いといて、30年以上経つと、こんなに変わるのか?と思った。

茶側は、着膨れしているが、上着を脱いで行くと、足首サポーター、ふくらはぎサポーター、膝サポーター、太ももサポーター、腰サポーターがあらわになり、順に脱いで行く。

そして、タイツ、パッチ。パッチとは股引のことだ。

そして、パンイチになる。

色々と治療を試したが、「お灸」が一番いいみたいだ。

「天に昇る気持ち」と、うっとりしている。

「お灸を据える」とは本来「灸で治療する行為」を指し、「きつく注意したり罰を加えたりしてこらしめる」という意味で使われて来た。

誤解を招くことから、鍼灸師の団体からの申し入れをふまえ、本来の意味以外では使われなくなった筈だが、マスコミはアホな記者が多いから、未だに使っている。

法律違反では無いが、ルール違反、マナー違反である。

そんな誤用の為に「怖いことされる」という固定観念が生まれ、未だに「営業妨害」をしている。

ウィキペディアに載っていたとしても、「慣用句」でも「諺」でもない。

お灸は熱い=懲らしめる(罰を与える)は、あまりも短絡的な連想ゲームだ。

茶側は、十津川先生によると、「脊柱管狭窄症」以外に、左膝の軟骨が、すり減って、もうあまりない。

心筋梗塞も脳梗塞も経験している。十津川先生のカンでは、内臓もどこかやられている。

物思いしている間に、もぐさが燃え尽きた。

「起き上がりヘルパー」で起き上がって、着替えながら、茶側は言った。

「先輩。今年度末で役所を辞めることになりました。」

多分、体裁良くリストラされたのだろう。

幸田曰く、「運の無い奴」だから。

「今度から、月一でなくて、好きな時に来い。ただし、予約はせえよ。個人事業主やさかい、留守の時もあるし。」

「はい。」

茶側が帰った後、私は幸田に電話した。

「幸田、私や。茶側のことやけどな。」

―完―

 

 

 




茶側は、十津川先生によると、「脊柱管狭窄症」以外に、左膝の軟骨が、すり減って、もうあまりない。
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