五条悟…キミは北へ行け!!   作:猫蕎麦

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よろしくお願いします。


第2話 私はもちろん…北へ行きます。

シャワワァー

 

 

起きてからというものの、いつもより身体が重く感じます。

倦怠感が酷く、そのまま二度寝したい…。そう思いますが、父から話があると言うことなので、それもできず…。

そしてそのままお話をする。というわけにもいかないので、昨日の醜態を洗い流しています。

 

 

そんな魅惑のお色気シーンを挟んだあと私は居間に行きました。

すでに父さんが座っており、お話をする準備ができているみたいです。

 

待たせてしまったか。と思いつつ、私も席に着くと、父から昨日は大丈夫だったかと聞かれ、まずは心配をかけたことを謝ろうとしましたが。

 

しかし、またしてもそこでストップがかりました。

 

ただいまの時間は朝7時。

 

そして多分ですがお話のあとに食べるであろう朝食をお母さんが作っているのか、台所から朝の良い香りが漂っています。

 

しかも私は昨日、疲れて寝てしまいご飯を食べていません。

 

なのでこれは仕方がないでしょう。

 

ぐぅぅぅう~

 

 

私のお腹の音が鳴り響き、お父さんは微妙な顔をして母に先にご飯をするように言ってくださりました。

 

私はというと昨日からの失態の連続に、顔が赤くなりながら朝ご飯を美味しくいただくのでした。

 

 

ご飯を食べたあと私たちは居間でお話を再開しました。

 

そこからの情報は無量空処を受けているのか!?ってぐらい私にとっては情報の暴力ものでした。

 

完結せぬ情報を噛み砕いていくとなるほど、この世界には呪霊というものが存在しており、古来から人々はそれの驚異に晒されていたそうです。

ですが、それに対抗する力というものも存在しており、その力"呪力"を使い、呪霊共を祓う呪術師という人達がいるそうです。

 

そして私の父はその呪術師とやらであり、昔からその化物どもを退治している人間だそうです。

 

元々父の家系は代々呪術師であり、父の父、そのまた父もさらには親戚一同みんな呪霊を祓って生活している人達らしいです。

私は生まれてこのかた親戚付き合いをしている父を見たことがないしお爺ちゃんすらまともにあったことは無かったので、そりゃ私が知ることはできないよなと思いました。

お父さんは寡黙な親父という雰囲気の人だし。

 

まあそういうわけでこの血筋に生まれたなら自然と術師になる素質があるそうで。

私にも術師としての適正があるそうです。

しかも私は生まれたときから呪力の流れが不規則だとかなんだとかで、呪霊から狙われやすい存在だったそうです。

 

ですが父としては、術師の世界に娘が入ってきてほしくなく、無縁の世界にいてほしいとの思っており、このことを今まで私には伝えてこなかったそうです。

 

ですが、その想いも虚しく昨日私は呪霊を認識してしまい、あろうことか殺されかけました。

私が今此処にいるのは、父から毎年渡されて肌身離さず持っていた呪力の籠った御守りのお陰でした。

今まではその力により狙ってくる低級呪霊達から身を守ってくれていました。

しかし私の成長と比例して寄せられる呪霊も強いものになってくるし、これ以上強い御守りは私に取っても毒になる。そもそも父にはこれ以上のものは作れないし、伝を使おうにも、そこから娘の状態がバレても困る。

年々呪霊が力を増している昨今の状況も加えて、どうしたものかと頭を悩ませていたところ。

とどめに昨日の騒動が起こりました。

 

地に倒れる私を見た父は、一瞬娘を喪ってしまったのかと思い、頭を殴られたような衝撃と深い悲しみを覚えたそうです。

私に怪我1つ無いということが確認できてもこのままでは先程の想像が現実になるだけ。

せめて自分を守る力を持たせようと考えを改め、今私にこの世界の話と今後のお話をしてくれています。

 

昨日の件でうすうす気付いていましたが、その話を聞いて確信に変わり私は思いました。

 

まじかァ~この世界って呪術廻戦の舞台なのかよ。ヤバくね?と。

 

前にも言ったとおりこの世界の命は軽いです。

 

ただの一般人ですら渋谷での事件をはじめとした未曾有の人災に巻き込まれます。

 

漫画での規模は一般人目線じゃないためわかりにくいですが、かなりのものだったと思います。

 

まず都市部にいた場合には死滅回游に巻き込まれる可能性が高くなるでしょう。

そうなるとほとんど死ぬ可能性が高いでしょう。

生死を分ける条件がわからないですし。

 

それならば原作知識を生かして舞台に選ばれないであろう田舎か、海外へ行き呪霊とは無縁の人生を歩めば少なくとも2019年までには確実に安全に生きられるでしょう。

ならこれがこの世界で平和に過ごす道でしょうが。

 

それも一般人だった場合です。

 

なんとも迷惑なことに私には呪力アリという属性がつけられてしまっています。

 

父は護身のために呪術を教えると言ってくれていますが、そうなるとどう足掻いても呪術界からは逃れることはできないでしょう。

力を使えれば必ずあの世界へ足を踏み入れなければならないでしょうから。

 

ということは一般人枠はどうあがいても無理なので、呪術界に関わるタイプの人間になります。

 

そうなってくると更に命が軽くなります。

 

原作に出てくる一般善良呪術師くんがそんなにいないので、私に置き換えることができずどうなるか、断言は出来ないのですが、任務の等級誤認とかいうやべーのとか、高専の卒業者が入学した人数より少ないのが当たり前とか、そういったのが常識みたいな世界です。

 

しかも私は女なので、有用な能力を持っていたら母胎として狙われる可能性もあるし、無用だったら禪院家を筆頭に男尊女卑人間たちに虐められるだろうし。

 

そんな世界で生きていかなければなりません。

 

女が生きていくにはあまりにも呪われた世界じゃないですか?

 

お先が真っ暗なんだが?

 

私の転生人生、暗黒なんだが?

 

その事実に私がまたやべーやべーとなっていましたが、そこでお父様が更に爆弾を落としてきました。

 

 

 

 

 

目の前で憔悴している愛娘を見ながら男は悩む。

それもそうだろう昨日の衝撃が抜けきれぬまま、の彼女にもっと衝撃を与えているのだから。

むしろここまでの話を理解できている様子を見るに自分の子供の聡明さに男は少し驚いていた。

 

しかし、護身のための呪術を教える、か。

十中八九一般人のままというわけには行かないだろう。

よくて高専、悪くて本家や他の家の人間たち、もっと言うと上層部に目を付けられ飼い殺されるかもしれない。

しかし、高専で彼女が役立たずの烙印を推されれば、そして私が身を差し出せばなんとかなるかもしれない。

胎としてしか使えない女より、そこそこ使える男を手駒にできるなら上も本家も納得するだろう。

そうなるように男が動くしかない。

 

一般人として歩んできた人生があれば、もう少し別の案が自分にも出せたのかもしれない。

男は家庭を持つまでは暗い呪術界の中で暮らしていた。

外のことはなにも知らず、狭い世界のルールでしか生きてこなかった。

妻となる女と出会い男は変わった。

それによってあの世界の嫌な部分も目につくようになったが、それでもその世界から距離を少し置いただけで、抜け出すことは出来なかった。

男の人生いや、その親そして先祖から続く血からは逃れることが出来なかったのだ。

だから娘も逃れられない。

その血の重さによって。

 

男は自分の力の無さに悔やむ。だがそれでもやれるだけのことをする。その想いを強くする。

この娘が生まれたとき、もっと言うと妻と結婚したときに自分の命は彼女たちに捧げると誓ったのだ。

彼女達を危険な場所から遠ざけるためには何でも使うしかない。

そのためにはまずは娘をどうにかしなくてはならないのだが…。

 

 

自分の伝手。

まずは自分の古巣である加茂家を使うこと。

男は妻と結婚する際に、女が一般人だったため揉めてしまい、絶縁を叩きつけられ男も幸いと一切の関係を絶ったのだが。

それ以降家庭を持った男は守るものができたためか、めきめきと力をつけて強くなっていったが、そのお陰というかそれが原因というか、最近は加茂家に戻らないかという風に手紙などで声をかけられることが増えてきた。

しかも住所を教えておらず、呪術界にバレないように立ち回っているためため、任務に出たときや、上層部に赴いたときに、そういったものをいただく、のだ。

それに辟易していたが、逆に加茂家の力を使うこともできるかもしれない。

話を聞くだけ聞いて先延ばししつつ、加茂家にいる信頼できる者の力を借りれれば。

しかしそうすると芋づる的に娘のことが晒されてしまう可能性もある。

信頼できる者といっても自分が離縁してから大分経っているし、何処から漏れるかわからない。

彼女がせめて身を護れるほどの力をつけるまでは、彼女を晒したくない。

どうしたものか。

そう考えながら男が独り言を呟いただけだった。

 

 

「本家いや…分家ならば…?いやそもそも加茂の者に頼るのは不味いか。上に伝わるかもしれん。だが…。うぅむ…。」

 

 

 

脳内で処理しきれず、口からついその言葉が出てしまったのだ。

御三家と繋がりがあるということを口に出すのは無用心だと言えるかもしれない。

しかし此処には娘と妻しかいないし、気が緩んでしまってもしょうがないと言えるだろう。

それに、そもそも目の前の娘が加茂という単語に反応するなど想像できるはずがない。

だがその娘はその呟きを聞き逃さず、しかも御三家という知識を持っていたので食いつかれてしまった。

 

「加茂!?お父様加茂って言いましたか!?」

 

少女は先程の憔悴がまるで全力ではないとでも言うようにさらに狼狽えた。

先ほどまではおろおろという擬音が付く程度だったが、今はその慌てぶりに呪力の乱れが激しくなり、家がミシミシと音を建てている。

少女は滂沱の汗を流しながら、目が激しく顔中を動き回り顔のパーツがぐちゃぐちゃになっている。

お父様といきなりかしこまった呼ばれ方をして顔をあげればほとばしる呪力と落書きのような顔が目の間に現れた。

これには考え込んでいた男も一転して娘の惨状に大慌て。

 

「なっ!どうした小花!落ち着け!!」

 

ほとばしる呪力を前に男は何とか耐え少女を抱き締め呪力の抑制を促す。

娘に影響がないように呪力を変質させ、御守りを作ることを長年し続けたせいか、娘の呪力に対しても自分の呪力で調和させ、なんとか落ち着かせるという技を身に付けていた。

これも父の愛がなせる技である。

親父は偉大なのだ。

 

「すまない。小花。いきなり多くを喋りすぎたな。落ち着くんだ。大丈夫。大丈夫。何があっても私がお前達を守るから。」

男は額に汗を浮かべながらも背中をなでながら、ほとばしる呪力と娘を宥める。

数分してようやく力は収まるが少女の表情は晴れない。

 

「朝から難しい話をしてすまなかったな。少し疲れただろう。体を休めてきなさい。」

少女に対して男は寝るように促してくるが、残念ながら少女は眠気なぞ吹き飛んでいた。

「いえ父様。それよりも先程の話を聞きたいのですが!」

飛び付くかの勢いで少女は男に迫る。

「む。先程の話…?」

先程の話と言われても男には思い当たる節がない。

そもそも男は少女に呪術界の話をしたきり話をした覚えがない。

それよりも呪力の暴走と娘の見たことの無い、見せられない凄まじい表情のイメージでその前後のことなど吹き飛んでいたからだ。

 

「はぐらかさないでください!お父様!」

 

少女はそれを違った意味でとらえたようで、ずいっと男にさらに迫る。

「先程の加茂と仰りましたよね!?加茂ってあの加茂家ですか!?御三家の!?父様と何の関係があるのですか!?」

少女の質問に男は驚いた。

先ほどまでこの少女には呪術界のじゅの字も教えていなかったのに、なぜ御三家というものを知っているのか。

 

「父様!?何故なにも答えてくれないのですか!?父様!!」

 

少し返答に詰まっただけなのだが少女はそれを沈黙ととらえたようだ。

また先程のようになってしまっては困ると思い、努めて冷静に男は娘に語りかける。

 

「まあ落ち着け。小花よ。まずなぜ御三家という単語を知っているのか聞きたい。どこでその話を知った?誰から教えて貰った?」

 

その返答に今度は少女が詰まることになる。

目の前の愛娘は転生してこの世界やってきました。

前の世界では、この世界のことを漫画で読んでました。

何で呪術界の事は詳しいです。

なんて言えないからね。

しかし少女の天才的な頭脳がある記憶を思い出した。

天啓が降りてきたと言わんばかりに目を見開き少女は口を開く。

 

「私は…その…。あの。むっ昔!!父様がいないときに!父様の部屋の本棚にあった本で読みました!!興味本意で部屋に入って読んでしまいました!父がいないときは入るなと言われていたのにすみません!!」

 

少女はしどろもどろになりながらも答えた。

前半は記憶を思い出しながら答えているようにするために意図的にしていたが、後半は父の顔があまりにも怖く萎縮してしまったためである。

しかし男の表情は険しくなり、更に彼女を詰める。

 

「ほぅ…。無断で約束を破ったのは置いといて…。

それはどんな表紙の本だった?私の本棚の何処にあった?」

 

父が鋭い目で聞き返すと少女は口を噤んでしまった。

何故なら真っ赤な嘘であったからだ。

少女の脳内はオーバーヒートしていた。

 

だいたいそういう古い家にはそういう家系図とか歴史書みたいなのがあるはず!

そういうものを家から出るとき持ってきている、そう少女は思った。

更には父がいないときに、勝手に父の部屋に入ることを禁止されていたので、少女の脳内で計算式が構築され、父親の部屋に呪術関連の者があると確信を持ったのだ。

だからその嘘をでっち上げたし、だいたい転生系はそういうので誤魔化せると鷹をくくっていた。

 

 

しかしこの男は家族を呪術界に触れさせないよう奔走してきた男だ。

縁を切った際に、男は実家にあった自分の者を売り払い家財道具や呪具すら持たず、少しの金だけ持って出ていったのだ。

それから呪術のじゅの字もこの家には、極力近寄らせていない。

せいぜいが在宅の時に書類や少しの呪具を持ってくるぐらいで、それも彼女達の目に付くような場所には絶対に置かない。

少しだけだがその事情を知る妻にもあまり触れさせないようにしているし、その協力もして貰っている。

そのために少女の嘘はバレたのだ。

 

 

「はぁ…。まあいい。その話は今度ゆっくり聞くとしよう。これ以上お前に負担をかけたくない。」

少女は安堵の息を吐いた。

 

「それでだが。そうだな。私の生家…。生まれ育った場所は呪術界に置いて強力な力を持つ御三家の加茂家という所だ。」

 

「でも!私の名字加茂じゃないじゃん!!」

 

「ああ。それは私と妻が一緒になるときに変えたんだ。加茂のままだと不都合だからね。幸徳井という名前にね。」

 

 

 

「さて聞きたいことはまだあるみたいだが、今度こそ休みなさい。明日は学校へ行くんだ。今はしっかり寝て体調を整えなさい。」

 

そう男は言い、少女はゆっくりと自分の部屋へ戻っていった。

 

 

 

布団に入りながらも一向に眠くなる気配がない。

起きたときはもう一度寝たいと思うほど眠かったというのに今の私の頭はぐるぐると回り続けている。

 

幸徳井(かでい)なんて名字聞いたこと無い珍しい名字だなと思ってたけど、父が作ったんかい!

こんな名字じゃ逆に目立たないのか!?

なんだよ幸徳井って!

いやいやそんなことよりあの加茂!

最悪の呪術師 加茂憲倫で有名なあの!!

というか原作で羂索に滅茶苦茶にされて無かったっけ!?

ヤバくない!?

呪術師で女で、加茂家!?

ヤバくない!?

何か可怪しなことしたら目えつけられて実験台にされたりするんちゃう!?

てか目つけられなくても崩壊するやんか!加茂家!!

うちは幸徳井なので!関係ないやんな?なぁ!?

 

うわぁぁぁどうしようぁぁあ!!

 

 

ぐるぐるとどうしようもない事に頭を悩ませていた。

しかし流石に疲れが貯まっていたようで少女はうつらうつらと眠りに入っていった。

 

 

頼むぞ!チート能力よ!私に力を授けてくれ!!!

 

その言葉を最後に少女は眠りにつきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




チートオリ主を作ろうと思ったらチートパパができてしまった…。

何をもってこんな設定にしたんだ私は…。

まあ強強パパじゃないとこの世界でやっていけないし、私の頭じゃ書けなくなるからね。

加茂家と呪術界が悪いです。
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