急にターニングポイントみたいな回になってしまった...
「……よし、上手いこといったな」
門番に対して魔法弾をぶっ放して記憶を改竄したおかげで、すんなりと町の中に入ることに成功した。
それで、ここがどこかと言うと...
「おっ、やっぱり敗戦ムードだな...空気が重いや」
そう、ここはセンフリの町と戦争を起こした町なのだ。サンドラという国のメルトロという名の町らしい。戦争に負けたという話が既に伝わっているようで、町全体でだいぶ気分が落ち込んでいるようだった。
「とりあえず今のところこの町には魔族はいない...か」
町の中に入ってみてわかったが、どうもここら辺には魔族はいないらしい。戦争に三人も魔族を送り込んだのだから、一人くらい町に居そうなもんだと思っていたけれど、当てが外れたな。
「次の町に行く用意だけしてさっさと離れるか」
ここからはドンカラの力は借りられない。完全に一人旅だ。自分の足で歩くか馬車に乗せてもらうかはこれから決めるとしても、まず地図は絶対に必要だし、旅をするために食糧も必要だ。持っていた食糧はセンフリからここまで辿り着くまでの間に使い切ってしまったからな。買い足さないといけない。
「……っと、一応服も変えといた方が良さげだな。デザインだいぶ違うし目立っちまう」
敗戦直後で色々と出入りが厳しくなっているところを無理矢理突破してここにいるので、あまり騒ぎは起こしたくない。ここらで見かけない服を着ているせいでスパイ容疑をかけられるとかなったら最悪なので、さっさと適当に服を買って着替えてしまおう。お金はどっかの国が全世界で使えるものを一括して発行しているらしいので、手持ちの金も普通に使えるだろう。外貨だ怪しい!みたいなことにはならないから安心だ。
「まずは服屋探すか...出来るだけ人通りの少ないところを通って...っと」
目立たないように脇道に入る。早く見つかってくれれば良いんだが...
「……っ⁉︎」
突如、後ろ斜め上から魔族の気配がした。急に魔族の気配がしたのはこれで三度目だ。流石に慣れた。急いで魔力銃を作り出しながら振り返り、空間の裂け目から出てきた魔族を迎え撃つ...!
だが、俺が振り返るよりも先にトンっと肩に魔族の手が触れた。それを振り返る勢いで振り解きながら魔族に魔力銃を突きつけ...
「……え?」
振り返ったら、魔族が消えていた。魔族の気配もない...触るだけ触って空間置換で逃げたのか?
「わからん...何されたんだ?触るだけで発動する能力とかだと困るぞ...?」
チクショウこんなに早く消えるんだったら、魔族の気配を感じた時すぐに魔力を溜め込んで触れてきた瞬間に流し込んでやればよかったな。
「……身体に異変は無し...か。毒を打ち込まれたわけじゃなさそうで助かるぜ」
とりあえず、死に直結するようなことはされてないようだ。でもそれ以外のことは何一つわからないんだよなぁ...
「んーなんもわからないし、とりあえず考えるのは後回しにするしかないか。一応警戒しながら買い物再開だな」
ここまで何もわからないとなるともう、記憶をいじられたとか盗み見られたみたいな、今更どうにもできないようなことくらいしか候補が無い。さっさと記憶の片隅においやって目下の目的をこなすことにした。
「脇道には店ねぇのか...しゃーない大通りに出るか」
できれば人目の少ないところで買い物をしたかったが、店がないのでは仕方がない。大通りに出て最速で服買って着替えて、さっさと周囲に溶け込むことにしよう。っと、実際に出る前にまずここから見える範囲の店でどんなものがあるのかを見ておくか...
「……ん?」
なにか、違和感があった。
「何かがおかしい...なんだ?これ」
なんというか、気配がおかしい。道ゆく人の服装はバリエーションに富んでおり、おそらく仲良しグループなのであろう中学生くらいの年齢の男女が和気藹々と話しながら歩いている。さっき俺がいた大通りはこんなのじゃなかったぞ?町の中の区画によって違うにしても限度ってものがあるだろう。
「……笑顔?」
笑顔でニコニコと笑っている人が多いような気がした。全体的に気分が陽気で、活気に溢れている。
「どうして笑ってられるんだ?さっきまで敗戦ムードだったじゃないか...もしかして、さっきの魔族が町全体に認識改竄の能力をかけていたりするのか?」
来た道を引き返す。これでさっきまでと変わらなかったら、今見た光景はそれが正常だったことになり、こっちにも変化があったら魔族の仕業確定だ。
「……確定、か」
大通りに出たら、少し前に見た光景から様変わりしていた。戦争なんてまるでなかったかのような活気に包まれており、陰鬱な空気はどこへ行ったのやら。これが当然といったように町の人たちは変わらない日常を過ごしているように見える。
「住民全てを対象とした記憶改竄?...流石にありえないか。なら、過去改竄?戦争なんて最初からなかったかのように変えたのか...?ってかやけにいろんな服が...って、そういうことか」
どう見てもこの国の文化以外のものがあるからこんなにもカラフルに見えたのか。俺が元々いた国の服を着ている人がいる...戦争が起きていたらこんなのあり得ないだろうな。実際、ここに来た俺も少し奇怪な目で見られて目立ってしまっていたし。となると、やっぱり戦争が起きていないことになっているようだ。
「……けど、こんなことできる過去改竄能力なんてあるのか?流石に現実離れしてるよな...」
そんな能力があったらとっくにこの世界の歴史が書き換えられまくって崩壊していそうなものだが、そうなっていないということは過去改竄じゃないってことになるよな。
「一応、戦争が起こらなかったことにすることで戦死した魔族を蘇らせる、みたいな理由づけはできるけど、それなら魔族の気配がしてないとおかしいもんな」
この町からは依然として魔族の気配を感じない。ここまで大規模な改竄をやってのけた魔族...おそらくはあの俺に触れてきた魔族なんだろうが、そいつもここにはいない。果たしてあいつはどこに消えたのやら...
「……あれ?なんだこの感じ...」
妙な胸騒ぎがする。魔族の気配を感じないことに、底知れぬ恐怖を感じているのか?この町には魔族はいない。ここに来た時と同じなのに、何が違うんだ?
「……そう...か」
神様が俺に与えた、魔族を探知する力。近くにいる魔族はもちろん、遠くにいる魔族でもある程度の方角と人数を探知して教えてくれる力。それが、一切反応していないのだ。それが意味しているのはつまり...
「この町にいないんじゃない。この世界全体のどこにも魔族がいないんだ...!」
残りの十一人の魔族。それがまるっきり消えてしまったかのように、魔族探知に引っかからない。一体どこに消えてしまったんだ...
「いや、違う!奴らが消えたんじゃない...俺が消えたんだ...」
魔族がいない世界。そして、戦争なんてまるでなかったかのように振る舞うメルトロの町。過去が書きかわったのではなかった。おかしくなっていたのは俺自身だった。しかし、幻覚や夢、記憶改竄のような能力では決してない。それよりももっと凶悪で、どうしようもない能力による仕業だった。
「並行世界への移動...あの魔族、俺を源流世界から追放しやがった...!!」
魔族のいない平行世界。どうやら俺は、魔族によってそこに追放されてしまったらしい...どうすりゃいいんだ?これ。
「良くやってくれたね、アマガリ」
空中に開いた空間の裂け目から降ってくるなり、サギリはそこにいた男に声をかけた。
「楽勝だったぜ?なんで最初に俺に頼まなかったのか不思議なくらいだ」
アマガリと呼ばれた男はニヤけながら言った。アマガリは、その姿を見れば十人中十人が調子に乗っていると答えるだろう様子のまま、続けて口を開いた。
「同胞を殺しまくったって聞いたからどんな奴かと思ってたが、蓋を開けたらただのガキだな。俺の力の敵じゃねぇや」
「それでも奴は同胞を八人も殺した人間だ。底知れぬ力を持っているのは間違いない」
「確かによ、俺が穴から出た時にはもう反応して振り返ろうとしてはいたが...改めて考えてみると何者なんだあいつ。八人殺すとか普通じゃねぇぞ」
「奇妙な武器を作り出す力と、おそらく魔族を探知する力...少なくとも二つの力を持つマルチであることはわかっているが、その他のことは何もわかっていない。前に穴越しに記憶や思考を読み取らせられないか、ノストールに頼んでやらせてみたことがあったが、彼曰く全くの意味不明だそうだ」
「なんじゃそりゃ。ますます訳わからねぇ...が、もういねぇんだから忘れちまおうぜ」
「だな。アマガリの世界追放の力を受けて帰ってこれた奴はいない。損失は大きかったが、一番の危険分子は消えてくれた。ゆっくり世界の破滅を進めるとしよう」
「また消したい奴がいたらいつでも呼べ」
「ああ、また頼むぞ」
そう言って、サギリは空間の裂け目の向こうへと消えていった。
「……さて、俺はゆっくりここで休暇でも取るか」
アマギリは脇道を抜け、大通りの人混みの中へと紛れていった。
「並行世界から戻るってどうすりゃ良いんだ...?」
魔族によって、さっきまでいた源流世界から魔族のいない平行世界に飛ばされてしまった、というのは理解した。だが、帰り方がわからない。
「世界を越える魔法とかねぇからなぁ...そもそもあの世界、世界って概念がないし、パラレルワールドも存在しないからなぁ」
魔法弾の中には元の世界に戻れそうなものはない。過去跳躍の魔法も、この場所の過去に飛ぶだけだから元の世界に戻れるわけじゃないから無意味だろう。
そして、創作上の銃を参照したとしても、異なる空間をつなげる銃はあれど世界や次元を越え、並行世界へと移動することができる銃はないだろう。探せばあるのかも知れないが、俺が知らないから作り出すのは無理だ。
「俺の能力じゃどうしようもない...か」
こうなったら、困った時の神頼みをするしかなさそうだな...一度この世界から出て、もう一度送り込んで貰えば...って、世界から出るには死なないといけないんだっけ?あっ、そういや器の再生成がどうとかって話があったな。ということはこの方法じゃ無理?
俺がこの世界に来た理由の一つに、聖杖世界にすぐにはいけなかったというのがある。世界に一つにつき器は一つしか作れない。壊れればそれを時間をかけて作り直す必要がある。世界を出るために死ねば、器が壊れるからまたこの世界に入るのに時間がかかってしまう...他の方法を探すしかないか。
「けど、一応連絡だけはしておくか。案外なんとかなるかもしれないし...神様ー!」
天に向かって呼びかけてみる...が、返事が返ってこない。
「連絡不能...並行世界に飛んだ影響か?それとも、魔王が復活しかけているのか...どちらにせよ、神の力を借りるのは無理か」
神様と連絡が取れないとなると、もう残された手段は...
「この世界のどこかにいる、並行世界の移動が可能な能力者を探す...それしかないか」
ユーリの話からして、並行世界の存在はある程度広く知られていることがわかる。ということは、決して少なくない人数でそういった能力を持つ人がいるはずだろう。その大半は別世界の観測のみにとどまるかもしれないが、必ず世界移動を出来る人はいるはず。その人となんとかしてコンタクトを取って、源流世界に戻してもらう...これしかない。
「つっても、途方もない旅になるよなぁ...特定の能力者を見つけるとか魔族を見つけるよりも難しいぞ」
道ゆく人に能力を尋ね、知り合いにそういう能力を持つ人がいないかを尋ね...その作業の繰り返しになるだろう。果たして見つけられるかどうか...
「まぁウダウダ言ってても仕方ないか。まずはこの町からだな」
情報を整理している最中に、色々必要なものを買い込んで服も着替えたため、一応旅をする用意はもうできている。だが、灯台下暗しって言葉があるからまずはこのメルトロの町から調べることにしよう。
「適当に話しかけるしかないよな。初対面で能力を尋ねるとかハードルクソ高いけど、やるしかない。一人目でビンゴだったりしてなはっはっは...あっ、記憶を覗き見て能力探る方が何倍も早いか。道を尋ねる風に近づいて、気を逸らした瞬間に撃ち込むか」
作戦を練ってから適当な人にアタックを仕掛ける。
……そうしようとしたその時だった。視界の端に、そいつの姿が映り込んだ。
「あいつは...!」
俺はそいつの後を追い、追い越して振り返りそいつの顔を見た。
「っ⁉︎なんで...こいつが...?」
そこにいたのは、俺が殺した魔族...精神干渉系の能力を持っていた魔族と全く同じ姿をした少女だった。
「……なによ。用がないならどきなさい」
「あ...ああ、すまない」
少女に睨みつけられてしまった俺は、足早にその場を後にした。
「な、なんであいつがここに...」
殺したはずの魔族がなんでここに...ってか、魔族はこの世界にはいないはずだろ?一体なぜ...
「……って、そうか。魔族は魂が変質した人間...魔族として生まれなかったなら、普通に人として生まれているのは当然のこと。魔族じゃないなら今ここにいるのも不思議じゃない...か」
あの少女がここにいる理由はわかった。だけど、ひとつ気になるのは...
「魔族の気配はしなかったのに、視界に入ったら魔族だってわかるんだよな...」
少女を追いかけたのは見覚えのある顔が見えたからではない。視界の端にチラと後ろ姿が見えただけだからな。見えた瞬間に、この可能性世界には存在しないはずの魔族だと探知能力が反応したから追いかけたのだ。魔族ではないのに魔族だって反応が出ることの理由はよくわからんが、多分同一人物だからか?源流世界の影響を少なからず受けているのかもしれない。
「……ちょっと待てよ?同一人物なら魔族の反応が出るということは...俺をこの世界に飛ばした魔族も探せるんじゃないか?それで協力して貰えば...!」
おそらく他の魔族でも、見れば同じように見分けることができるだろう。俺の知らない魔族もそれは同じはず。闇雲に世界移動の能力持ち。探し回るよりも、目視で見分けられる魔族を探す方が何倍も効率がいいだろう。他の魔族の顔や能力を知ることもできるかもだしな。
一応の懸念点として、能力が可能性世界によって違う可能性があるっていうのがあるが...まぁ、試す価値はあるはずだ。もし同じ能力を持っていた場合、魔族じゃないから事情を説明すればきっと元の世界に飛ばしてくれることだろう。
「よし、方向性は決まったな。とりあえずこの町から探すとして...あっちから行くか」
まずはメルトロの北門...俺が入ってきた方の門へと向かう。何か基準になるような場所をスタート地点にしないと、全部回れたのかわからなくなるからな。
「ここからぐるっとまずは外周を回って...って、早速一人見つけたな。知ってる奴だけど」
魔族が見えた!と思ったら光を操るアイツだった。話しかけてもどうにもならないので、無視して歩き始める。
「二人ともここにいるってことは、あの幻覚能力の奴もメルトロにいるのかな?源流世界の位置関係がこっちでも同じなんだったら嬉しいんだけど...」
もしも源流世界での魔族の所在地がこっちの世界の同一人物と同じだった場合、俺を飛ばした魔族の同一人物もまだメルトロにいる可能性が高い。高いだけで確実ではないが、重点的に探す意味はあるはずだ。
「……っと言った側から発見じゃねぇか!」
後ろ姿が視界に入り、魔族だとわかった。そして、背格好からして幻覚能力の奴ではない。世界移動の魔族じゃなかったとしてもそれはそれで僥倖だ。早速接触しに行こう。
「すまない、君ちょっと良いか?」
魔法弾は使わない。洗脳で無理矢理言うことを聞かせることはできるが、洗脳のせいで能力の操作を誤りまた別の世界へと放逐される、ってなことになったら困るからな。万が一の最終手段として残しておくことにして、まずは純粋な会話にて協力を得ることにする。
「はい?なんすか?」
男は振り返った。そして、俺の顔をまじまじと見て...
「……あんた、別の世界から来た?」
急に、そんなことを言い出した。もしや初っ端から当たりか...!
「わかるのか?」
「なんとなくっすけどね。空気が違うっていうか...まぁ、なんとなくわかる。で、どっから来た?」
こりゃ話は早く済みそうだな。さっさと事情を伝えて源流世界に...いや、それで良いのか?
「源流世界からだ。君の力に巻き込まれた結果、ここに行き着いたってわけ」
「ああ、だから俺に声をかけてきたのか...戻りたいのか?」
「出来るならね。戻せるか?」
「俺の力なら可能だ。今すぐにでもできるが、やるか?」
「……いや」
少し考え、やめた。
「いつかは戻ろうとは思っているが、今すぐではないな。せっかくの体験だ。少しは楽しんでからでも良いだろう」
この世界に魔族はいない。それはつまり、魔族の襲撃がないことも意味している。安全なこの世界で、魔族の顔と能力を調べる...そうすれば源流世界に戻った時に役立つことだろう。だから、まだここに残る。
「……別に良いが、また会えるとは限らないぞ。しばらくはここに居るが、ふらりとどこか気の向くままに出かけちまうからな」
「行き先は?」
「まだ決めていない。その時思い浮かんだ場所に行くだけだ」
……源流世界の魔族の行動の影響は、こっちだとそんなふうに現れるんだな...って、困ったなこれだとどこに行くかわからん。
「じゃあ君がどこかに行く前に戻ってくる。ここにはいつまでいる?」
「そうだな...一週間はここにいるだろうと思う」
一週間...か。短いが、仕方ないか。
「わかった。一週間後のこの時間に、南の門の辺りにいてくれ。そこで待ち合わせしよう」
「その時まで覚えてたらな」
「そこはなんとしてでも覚えていてくれ...」
「そう言うならせめて名前くらい名乗ってくれ」
「そういや名乗ってなかったっけか。カリヤだ。君は?」
「アマガリだ」
「アマガリか。よろしく頼む...っと、名前と聞いて思いついた。一つ聞いても良いか?」
「なんだ?」
「サギリ、ハルラ、ミシュ、アーテル、この四人の名前に聞き覚えあったりするか?」
魔族の位置が一致しているなら、魔族同士の関係性もこちらの世界での関係に影響を及ぼしている可能性が高い。もしこの名前を知っていたならば、そこから他の魔族や出身地を知ることができるかもしれない。
「あるぜ。知り合いなのか?」
おっ、まさかほんとに知ってるとはな...こりゃ都合が良い。
「まぁな。そいつらとはどういう関係性なんだ?」
「同郷だ」
「……マジ?」
ちょっと...これは想定外だぞ?故郷が同じ?魔族が同じ場所で何人も生まれるとか、そんなことあり得るのか?チッ、今すぐ神様に確認取りたいのに出来ねぇのがもどかしい...!
「そこ、どこだ⁉︎教えてくれ!」
「耳元で大声張るなよ煩いな...地図あるか?」
「あるぞこれだ」
「っとだな...ここだ。地図には書いてないが、ここに小さな集落がある」
アマガリは山の中を指差した。
「ここなら往復一週間もありゃ行けそうだな...小さな集落と言ったが、規模はどの程度だ?人口何人くらい?」
「俺みたいな若者は村を出ちまってるから、子供とジジババの数人しかいない。寂れた村だな」
数人...か。人数的にも矛盾はない。そこが魔族の住む村だと考えて良いだろう。
「ありがとうアマガリ。そこに行ってみる」
「どうしてだ?なんもないぞそこ」
「やらないといけないことがあるもんでな。じゃあな、ちゃんと約束覚えておいてくれよアマガリ!」
「わかったわかった。一週間後に待ってるぞカリヤー」
アマガリに別れを告げ、北に向かって歩く。魔族たちが生まれ育った村...そこに向かうための旅が始まった。
並行世界に飛ばされて、普通だったら元の世界に戻る手段を探しに翻弄する流れになるところを、あっさり見つけて解決できてしまうのがカリヤくんなんですよねぇ...しかも情報集めのために居残るっていうね。
そして、最後に旅が始まった...とか書きましたが、多分次回の冒頭で村には着いているはずなので道中は全カットになります。
まぁ魔物も魔族もいないから妨害とかないしね、仕方ないね。