ちょっととっ散らかってしまったかも...?
「お前...今まで幾つ罪を犯した」
チェルスがそう問いかけてくる声が聞こえてきたが、もうそんなことどうでも良かった。町に入ってから少しあった全身のだるみは、神殿に入ってチェルスの前に立った途端に何倍にも増幅されてとてつもない重みになっており、それに耐えるので精一杯だったからだ。
「罪...って、どんな...?」
「罪は罪だ。傷害窃盗恐喝強盗殺人といったメジャーどころも含まれるし、軽犯罪も軽と付いているが立派な罪だから当然含まれる」
「その罪と...この重みにどんな関係があるってんだ...?」
「その重さは刑罰の重さと数に比例する。人生生きていれば、無意識に罪を犯すこともあろう。だが、その程度ではほぼ影響は無い。それに見合っただけの罪滅ぼしが出来ていれば、重みは軽減されるからだ。そこの転生者が影響を受けていないのはそのためだろう。転生前後の行動を合算して、善行の方が上回っているようだ」
罪滅ぼし...か。湊が効果を受けていないのも納得だな。湊は魔力過剰症に苦しむ人を何人も救っている。魔力過剰症を治すため、リトライという手段を取りために仕方なく人を殺したり、襲いかかる火の粉を払うために人を傷つけたりといったことをしてきたはずだが、重みに反映されていないということはその罪滅ぼしは出来ているということなのだろう。
それに引き換え、俺は...
「罪滅ぼしによって軽減されても尚それなのならば、お前の罪は相当なものだ。その領域に至るには、千や万を超えるほどの窃盗をしていたり、無数の他者を傷つけていなければ説明がつかない」
それに引き換え、俺は...!
「その罪、この先の人生の全てをかけても雪ぐことは叶わないだろう。しかし、己を見つめ直し、自身を正す行為は誰にでも認められている。この場で自身の罪を全て吐き出し、少しでも多くの罪を雪ぐが良い」
……てっきり、死してその罪を晴らすが良い、とか言い出すのかと思っていたが、随分とまともなことを言うんだな。罰は与えるが、きちんと更生の道は示してくれるのか...
「……なぁ、その他者を傷つけたってのは、魔物も含んでるか?」
「私が生きていた過去では魔物との間に諍いは無く、魔物の殺傷も処罰対象だった。今は戦争中であるものの、魔物や魔王とは争うべきでは無いという私の信条に従い、この町では魔物の殺傷も許してはいない」
なるほどねぇ...魔物も一生物として認めてるってわけか。まぁ、協定が結ばれていた時代の人間ならそういう価値観で法を定めていてもおかしくは無いわな。この時代の人からしたら理不尽極まりないとも思うが。
「その罪の重さが魔物の殺傷によるものならば申し訳ない。戦争中なのだから魔物を殺さなければ生きていけないことも重々承知だ。だが、この町の、この私の法では罪に値する。懺悔するが良い」
「……なぁ、もう一つ聞いて良いか?」
「質問が多いな...いいだろう、なんだ?」
「人を...千単位で殺していた場合、その重さはどうなる」
「……一切身動きができなくなるだろうな」
「そうか...じゃあよぉ...俺はなんで動けるんだ?」
常に俺の全身を罪の重みが押し潰そうとしてくる。しかし、動ける。重さに逆らって立ち上がることが、かろうじて出来る。出来てしまう。
「俺は...沢山傷つけ、大勢殺してきた。魔物や魔族を殺した。魔族を殺した。人と魔物を殺した。そして、ここでは魔物と人を殺した...直接殺した者、間接的に殺してしまった者、殺せと配下に命じて殺させた者...合計すりゃあ数千は有に超えるだろうよ...」
俺はここに来るまでに、多くの者を殺してきた。転生前後、と先程チェルスが言っていたから、罪の参照は魂に行われていると予想できる。この世界だけではなく、過去に渡ってきた世界での行動も罪に含まれていると考えられるだろう。となると、その罪の中には聖杖世界での魔物との戦いや、法術世界での大虐殺が含まれているはずだ。殺した数だけ数えるならば、もしかしたら万の値にまで達するのかもしれない。
けれど、だからこそおかしいのだ。
「じゃあ、なんで俺は動けるんだよ...」
動けない方が、もしかしたら救いになったのかもしれない。自分が犯した罪に真正面に向き合うことができるからな。けれど、なまじ動けてしまうがために、疑念が紛れ込んでしまう。
「動けるってことは、多少は罪を雪ぐことが出来てるってことなんだよな...なにでだ?世界を救ったこと?世界の歪みを修正していること?人を助けたこと?そもそも命じられて殺したにすぎないこと?...どれであれ、人を殺した罪が軽くなる理由にはならねぇだろうが!」
何が原因で俺の罪が軽くなっているのかはわからない。だが、人殺しの罪が軽くなって良いはずがない。命じられた命じられてないに限らず、俺は最終的に自分の意思で殺したんだ。そこに罪が軽くなる要素があるわけない。こいつの法では免罪理由になる要素が含まれていたのかもしれないが、法が許そうとも俺が俺自身を許せない...!
「……ほう、ここまで自罰的とはな。既に自らを自身の手で追い詰め、罪の意識に苛まれ続けていた...それゆえに、禊をある程度済まされたと判断され罪の重さが軽くなっているのだろう」
「冗談じゃねぇ!それじゃあ俺が殺してきた奴らの命が軽いみてぇになるだろうが!」
「……なるほど。そういう認知をしているのか...続けたまえ」
「俺はその人らのかけがえのない一生を奪った!世界の摂理で死んでなきゃならなかった人たちだったとか、悪党で犯罪者だったとか、そんなのは関係ない!その人らにはこれまで歩んできた人生があって、これから歩むはずだった人生があったはずなんだ!命に価値の差なんてない!誰だって生きる権利はあって...それを、世界の部外者である俺が奪った...!」
「世界の部外者...?これは、だいぶ訳ありなようだな...では、ここでひとつ聞くとしよう」
「……なんだよ」
「法律では、殺人を犯した者にはこれだけの刑罰を与える、といったことしか定められていない。なぜ殺人を犯してはいけないのか、という理由については明記されていないのだ。お前は、殺人をしてはいけない理由をどう考えている?」
「……そんなの、さっき言った通りだ。人の人生を、自分勝手に奪ってしまうことが悪いことだからだろ」
「悪い、とはなんだ?」
「……何が言いたい」
「法律には、殺人が悪いことであるとは一言も書かれていない。ただ、この行為をした者には罰を与えるとしか書かれておらず、それが悪いことだから罰を与えるとは書いていないのだ。何故だかわかるかい?」
「……」
「それは、悪という概念がその時々で変わるからさ。戦争では殺人は許容されてしまう。敵を大勢殺せばヒーローで、そこらの通行人を一人殺せば大罪人という例え話は耳にしたことくらいあるだろう。その時の情勢、治世者、世論によって、何が善で何が悪かなんてものはコロコロ変わってしまうのさ。だから、罪には理由が無い。してはならないことと一意に定めてしまい、ただそのルールを破ったから罰を与えるといったように機械的にしなければ、適当な理屈を捏ねて全て無罪に出来てしまう」
「……で?そんなこと話して結局何が言いたいんだよ。俺が人を何千も殺した事実は変わらねぇんだぞ」
「つまるところ、現在殺人が悪だとされているのは社会通念として殺人が忌避されているからだと言えるわけだ。お前もその認識だからこそ、自らのした行為に深い深い懺悔をしているのだろう。だが、もし殺人罪というものが存在していなかったら?そこに住まう者は殺人に一切忌避感を抱くことが無いだろう。そもそも殺人の発想が無くて刑罰が定められていない可能性もあるがな」
「ああもうまた話が逸れ出した...!なんなんだよさっきから!結論を言え結論を!主文後回しじゃねぇんだからさぁ!」
「そう焦るな。話は最後まで聞くものだぞ...殺人罪が無かったら、という仮定は、現在殺魔に関する条項が無いことでも同じことが言える。先程も言ったが、協定の結ばれていた過去では魔物を殺すことは罰則対象だった。だが、今では違う。魔物は敵であり、忌むべき者として捉えられている。魔法使いが忌避されるのも、魔物だと勘違いされているからだ。本来なら同じ権利を持つ者であるはずなのに、当人たちの認知が異なるせいで問答無用で殺す対象となってしまっている」
……もう、黙って聞くことにした。
「先も言った通り、罪とはその時の世間の価値観によって決まる。価値観によって、表面的には同じことをしても罪であったり罪でなくなったりする。悪いとされていた行為が突然推奨される行為になることもある。そんなことになるほど、法律というものは完璧なものではないということだ」
「……お前、完璧な法とか言ってなかったか?」
「ああ、私自身は完璧だと思っているさ。そりゃ、私目線ではな。だが、私の作った法による免罪によってお前が憤ったように、他者の視点では完璧とは言えない。万人が納得できる完璧な法は存在しないのさ」
……っ⁉︎重さが...消えた?
「魔法を...解いたのか?」
「そうさ。私の法ではお前を縛ることは不適切だろうからね」
「何千人も殺した殺人鬼だぞ俺は...それを許すってのか⁉︎」
「そうは言っていない。私の法では裁けないというだけの話だ。お前が抱える罪は、お前の尺度で裁け。お前は、人が作り出した尺度で裁かれて満足できるような精神性をしていないはずだ」
「色々話しての結論がこれかよ...」
「そもそも、刑を処したところで当人が反省しなければ何も意味はない。逆に、当人の気質によっては刑期満了前に釈放されることもある...結局は、当人が反省し罪を贖えば良いのだ。刑罰はそれを促すものでしかない」
それは...そうだろうけどさ。
「お前が私の裁量を認めないのならば、私が刑罰を与えることに意味はない。己を許せないのならば、一生苦しみ、一生贖い続けることだ」
「……最初から、そのつもりだっての...!」
「……嘘だな」
「あぐっ...⁉︎」
また身体が重く...!
「どのような嘘であるかはわからないが、嘘をついたことはわかる。虚偽申告の罪だ。今...もしくは過去に、意志が揺らいだことがあるな?」
「……幸希は、罪の意識に苛まれ一度自死を選んでいる。おそらく、そこが最初からという部分に引っかかったのだろう」
「なるほど...お前、一度逃げたわけだな。お前一人の死が、殺した数千の命に匹敵すると思うなよ。その罪は、何度一生を繰り返したとしても償うことはできん。だからこそ、生き続けて罪滅ぼしをしなければならん。たとえ、全ての罪を雪ぐことが叶わぬともな」
「っ...そりゃ、最初は血迷ったさ。今思えば、あの選択は最悪だったよ。自らの役目すら投げ出す行為だったからな...」
チェルスの言葉が響いた...そんなことは一切思ってない。けど、自問自答の機会は得られた。
「……俺は何度転生を繰り返したとて償えない罪を背負った。今更それらを投げ捨てるつもりはさらさらない。そして、俺にしか出来ない世界修正の役目も捨てるつもりはない。だから、多分これからも命は奪う」
ここで俺が役目を捨ててしまったら、多分別の人がやることになる。誰かがやらなきゃならない役目ならば...すでに罪を背負っている俺がやるべきだ。一人に罪を集約させた方が、裁く側もやりやすいだろう...なんて、ちょっと神視点に寄りすぎか?
「だが、ただ流されるままには決してならねぇ。やらされたから仕方なく、なんて言い訳は作らない。俺が選ぶ。俺が選んで...より良い過程、より良い結末を掴んでみせる」
……これじゃ、湊が言ってた二つ目の選択肢そのままか?
……いや、自分で考えて、自分で選んだことが大事なのか。この選択には、俺の意思がある。誰かに選んでもらったり、誰かに選ばされた答えじゃ無い。これが、俺の我儘...!
「俺は一生背負う。一生引き摺る。そして、進むんだ」
「……ようやく、良い目になったじゃないか。さっきまでずっと、意識薄弱の目をしていたぞ」
「どんな目だよそりゃ...ごめんな、みな...フォルス。ここまで迷惑かけた」
「別に構わない。子供の面倒を見るのは年配者の仕事さ」
「そりゃお前からしたら子供だろうよ...」
「こちらこそ謝ろう。自己決定の意志が弱い状態を利用していたようなものだからな」
「あん時の俺にはあれくらいして強制的に働かせなきゃダメさ。最良の選択だよ。そんで...あと一週間しか無いが、これからも協力させてくれ。これは俺がやりたくて言ってるんだから、断るのは無しだぜ?」
「えっ、これまでは嫌々やっていたのかい...?」
「わかってて変な解釈すんのやめろやい」
少しニヤリと笑っていた湊の頭を軽く小突く。いつの間にか、嘘の分の重みは消えていた。
「傷害罪だぞ」
「重っ...冗談だぞ重すぎ!」
また重くなったよ罪の裁定が厳密すぎる!!
「……冗談はここら辺にしておこうか。では、この町の正確なルールを...」
「ちょっと待ってくれ。俺らはこの町に留まろうとは思ってない」
またフッと重みが消えたので、チェルスの言葉を遮る。
「ほう...この町にいれば、魔法使いの人権は保障されるぞ。だというのに外に出る理由はなんだ?」
「俺らの旅の目的は二つ。一つは、魔力過剰症に苦しむ人を助けたり、魔法差別を無くすなどして人類に魔法を取り戻すこと。そしてもう一つは...魔王を懲らしめて、人類ともう一度協定を結ばせることだ」
「……なるほど。どちらも茨の道だが、必ずしも叶わない目的では無いな。そして、どちらもこの町に留まっては叶わない願いだ」
「そんで、こちらから一つ提案というか、協力を願いたい」
「強力だと...まさか、共に魔王と戦えとは言うまいな?」
「そこまでは言わないさ。やって欲しいのは、魔王に魔力を供給している施設に囚われている人間の救出だ。魔力の素養を持つ人間が魔王軍に連れ去られ、魔王に魔力を供給する発電機のようなものにされているのを止めてほしい」
「……魔王に連れ去られた人がいると噂では聞いていたが...まさか、そのようなことになっていたとはな」
「今から七日後、俺が魔王と戦っている最中に一斉に送信施設を潰すつもりなんだが、フォルス一人では同時には叩けない。軍に呼びかけて攻撃させるつもりではあるが、魔王軍に育成された魔法使いがそこにいた場合、軍はそいつも撃ち殺してしまう。それを防ぐために、魔法使いがいる場所では他の人に...例えば、出会うことのできた味方の魔法使いに頼むつもりだったんだ。チェルスには、その役割を頼みたい」
「なるほど...その施設とやらの位置は特定できているのか?」
「今はまだ。だが、期限までには場所を特定し、戦力調査まで済ませるつもりだ」
「……そもそも、その七日後という時間設定はなんなのだ?」
「実は魔王とは既に一度戦っていてな...その時は負けたんだが、再戦要求をしたら一週間後に勝負だと魔王から言ってきたんだ。勝てば協定を結ぶと言質も取っている。魔王自ら魔法についての説明もすると言っていた。魔法の誤解を解くならば、その難度は別としても最短の道ではある」
「魔王がその宣言をそのまま履行するとは限らないのでは?」
「いいや、その点については問題ないと思う。実際に対面していなければ理解できないかもしれないが、あの性格ならば一度言ったことを覆すとは思えない」
「……協定を結んでいた時代のことを思えば、あり得ない話では無いか...その施設を潰さなければ、魔王には勝てないのか?」
「魔法使いならば、無限に魔力を持つということの意味を理解できないはずがないだろう?」
「……そうだな。魔力を持たないその男がどれだけの力を持っているかは知らないが、どれだけ強かろうと無限の魔力を持つ存在に敵うはずがない」
「わかっただろ?魔王に勝つ可能性を上げるために協力してほしい。無論、無理矢理にというわけではないけどね」
「ふむ...」
チェルスは考え込む...が、それは格好だけなように見えた。顔はもう、意思が決まっていることを示唆していた。
「……魔王自ら魔法の知識を広めるというのなら、拒否する理由がない。どちらにせよ、捕らえられている人がいるのなら救い出さなければならんしな」
「助かる...!」
「だが、私のやり方でやることを了承してもらいたい」
「協力してくれるだけでありがたいから、どんな方法でやってくれても構わない...けど、一応どんな方法でやるつもりか聞かせてくれ」
「まず第一に不殺。魔物を殺すことは法に反しているからな。出来れば傷害もしたくは無いが...それが難しいことは理解している。それに、奴らが襲い掛かってきた場合なら正当防衛も成立するだろうから反撃はさせてもらう。だが、殺しだけは絶対にしない」
んー...魔物は精霊みたいなもんで、魂があるわけでもないから別にバンバン殺しても構わないと思うんだけども...まぁ、いちいち口出しする必要はないか。せっかく協力してくれる流れになっているのだから、その流れを折ってしまいたくはない。
……こちらから施設に攻め込んでいるのに正当防衛は成立するのか?とは問いただしたくなるけど...うん、これもやめておこう。話の腰は折らない方が良いな。
「そしてもう一つ。どう考えても、私だけでは戦力は足りない。よって、この町の住民である魔法使い見習いたちも出陣させる」
「……それ大丈夫か?戦闘経験もなく、魔法使いとしての練度もない...そんな人らが戦闘に参加するのは危険すぎじゃね?」
「問題はない。彼らには私の魔法を付与させておく。危害を加えてきた相手に傷害罪の刑罰を与える、そんな自動反撃があれば傷つくことはあれど死ぬ事態に発展することはないはずだ」
「うーむ...どう思う?フォルス」
「少し不安ではあるものの...魔法の練習の機会にもなるし良いのではないかな。それに、任せるとしたら魔法使いがいる施設になる。その魔法使いを自動反撃で決着をつけられるとしたら殲滅もしやすいだろう」
「なるほど、そういう利点もあるか...」
「まぁ念のため、攻略難度が低めの場所を担当してもらうことにするとしよう。死なれても困るからな」
「了承してもらいたいのはこの二つなのだが、その様子は了承で良いな?」
「ああ、それで構わない」
「施設の情報は分かり次第連絡をする。テレパスのこのチャンネルで通信をするつもりだから、そのつもりで頼む」
「それと、町の人を動員するならしっかり訓練をつけておくんだぞ」
「了解した。連絡を待つ間に魔法使いの育成はきちんとやっておく。任せてくれ」
「協力感謝する。では、私たちは今から施設の偵察に向かう。邪魔したな」
そう言って湊は神殿の出口へ向かって歩いていく。スパッと切り上げれるの凄いな...こういう時、どうやって別れたものか毎回ちょっと悩むのに俺。
「それじゃ失礼します」
「お前が何者なのかは知らないし、これまで、そしてこれから何を成していく者なのかも知らない...」
俺も湊に続いて出ようとしたその時、チェルスに声をかけられた。
「だが、これからも励み続ければ、必ず救われる時が来る。罪を犯した人だとしても、救われて良いんだ。だから、いつか幸せになれるその日まで励み続けろ」
「……はは、俺が救われるのは一体いつになるのやら...けど、ありがとな」
多分、この世界で救われることはないと思う。けれど、こことは別の世界、いろんな世界を旅していれば、いつかは...!
「頑張るよ俺。絶対に、諦めてやるもんか...!」
俺は神殿を後にした。少しだけスッキリとした心を感じながら、先に出ていた湊の顔を見る。
「行くぞ」
いつもと変わらない様子で湊はそう言う。
「おう!」
湊に並び立ち、俺らは次なる目的地へと一歩踏み出した。
そこまで話自体は進んではいないものの、カリヤくんの精神の回復という重要イベント...なのですが、上手く表現できなくて一生悩みながら書いてました。
一応、吹っ切れてからは地の文でのカリヤくんの呟きを砕けたセリフにしてその様子を表現しているのですが、どうでしたかね...?