比企谷 八幡の異世界漂流記(沈黙)   作:Lチキ

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IS インフィニット・ストラトス 4

この世界は俺から見たらやたら出鱈目だと思う事が多々ある。

代表的に言えばISなんかがそうだろう。一体どんな理論や理屈で設計されてるのか不明、絶対防御、量子変換、ハイパーセンサーなど便利な機能が多々あるもそれに比べ、一般の医療技術は俺のいた世界とたいして変わらない。これもおかしな話だ

 

昨今ではおもちゃの技術が戦闘機に利用されたり、軍事技術が医療の場で使われることだってある。このように、優れた発明、技術は様々な分野に利用されるのが世の常である。しかし、ことISの技術ではそういったのが極端に少ない

 

アラスカ条約とか色々あるのだろうが、それでもこの世界でISという兵器はあまりにも不明虜である。

 

あと、女尊男卑もそうだろう。そもそもこのような風潮が出回ったのはほんの数年前の事だ。俺もいつから風潮があったかは知らんが、約10年前にISが世界的に発表され、元近代兵器たちの立つ瀬がなくなりそれからしばらくしてどこぞの学者が男と女が戦争をすれば三日で決着がつくだのという論文を発表これが大体8年くらい前で

 

それからだんだんと世間が女尊男卑だのという事になったのだ。

だが、ここで考えてみろ。たかだか8年という歳月でここまで変わるものか?

 

今、18歳のやつが10歳の頃だぞ?まあ、10歳というと小学生だしそのくらいの年ごろならそういった物に流されやすいかもだが

 

それより上の20代以上の連中がここまでこの風潮に染まってるのはどういう事だよ。

それまでは皆俺の世界と同じように普通の世界だったんだろ?じゃあなぜそこまで立場が逆転するんだよ。

 

仮に立場が入れ替わってもかなりの年月が必要のはずだろ?そりゃあ、女子がやたら集まれば上長するのはいつもの事だが、男の方はなぜ何もせず黙って受け入れてるんだよ、草食系男子か!

 

 

しかも、その問題の論文も調べてみたが、あれは詐欺といっていいレベルだったぞ。

まず、世界にある400数個のコア全機使用で各国の首都が落とせるというのは、まあいいだろう。

 

しかし、その後が問題だ。確かにIS相手に近代兵器を使っても倒すことはできないかもしれない。例えば戦闘機10機に戦車が20機、ミサイル30発 対 IS1機だったらISの方が勝つ

 

だが、例え倒しても無傷とはいかない。正確に言えば機体や人体は平気でも弾薬やエネルギー、操縦士の疲労などを削る事は出来る

 

そうすると、武器やエネルギーの補充はもちろん操縦士の交代か休養は必要になる。

そのために基地やその他の施設、物資が必要なのだがこの論文にはそのことが記載されていない

 

 

戦争において、兵器は勿論だが物資、基地はそれと同等並みに必要になる。だが、逆にそこを叩かれるとどんなに優れた兵器も使用し続ける事が出来なくなる

つまり、戦闘で無敵のIS唯一の弱点となる部分だ

 

 

歴史などを見ても分かるが攻略できないほどの性能差がある兵器に対してとる戦法はパイプラインの除去、兵糧攻めや後は特攻とかも手ではあるな

まあ、要は戦っても勝てないなら無視して大本を叩くか、自滅を待つかみたいな事だ

 

 

それに、いくら相手が戦闘機を凌駕するほどの兵器でも歩兵の存在は必要だ。歩兵の場合は兵器との戦闘そのものではなく、後方支援の排除などで使えるし、決して考慮しなくていい訳ではない

 

 

論文にはそのことも記載されていない

IS側の基地、物資の有無

 

男側の歩兵又はそれに準ずるものが記載されておらず、さらにIS側はあくまでデータ上での計算で戦闘で操縦士にかかる影響もほとんど考慮されていないのだ。そうするとどう考えても三日で決着は不可能だ

 

 

仮に三日で女がISを使い男を倒すとするなら、その操縦士すべての技量、精神力が千冬並みになくてはならないだろう

 

それなのになぜ、この論文は世間一般に認知されているんだ

割烹着を着て実験をしていたとかでも叩かれるうちの世界ではまずありえないぞ

 

そんな明らかにおかしい世界を平気な顔して受け入れるこの世界の人間は寛容というかなんというか出鱈目である

 

そして、そんな出鱈目な現象が今まさに俺に降りかかっている

 

これまた正確に言うと俺ともう一人

隣にいるこの若干顔が引きつってるイケメンフェイス(弟)に降りかかっている

 

 

「八兄、これ思った以上につらいんだけど‥‥」

 

 

「気にするな、気にしたら負けだと思え」

 

 

「いやいや、どうしたって気にするでしょ。むしろ八兄はなんでそんな普通なわけ?」

 

 

「別に・・・しいて言うなら心を無にすることだ、目をつぶって考えろ、自分は一人だけだ。人なんて誰もいない。いるのは自分一人だけ、孤独と絶望の中に自分はいると‥‥さあ選べ、このままパンダの気分を味わい続けるか、一緒にダークサイドに落ちるかを」

 

 

「そんな救いのない究極の選択嫌だよ!?」

 

 

 

 

 

あの受験の日、俺と一夏は道を間違えてIS学園の受験会場に行ってしまい、さらにそこでISに触れたら起動してしまった。そうして気が付けば男でISを唯一動かせる兄弟となり、世界中から注目される時の人となったのだ

 

 

ちなみに、各メディアにはそれぞれ写真や名前を勝手に使用した事で文句をいい、起訴寸前まで行ったが示談金をふんだくり事なきを得ている

 

 

それから色々あって本来、女子校であるはずのIS学園に俺達2人は入学したのでした。俺達に拒否権がなかったので入学というか連行といったほうが正しいかもだけど

 

で、入学初日1年1組の教室にて女子の中に放り込まれた男二人は上野のパンダ並みに見られている

 

 

一夏は唯でさえ、知り合いもおらず精神的にきてるのに、それに加え周りすべてが女子で、完全に参っている

 

 

俺は、先ほども言ったが心を無にしてるのでさほど気にしてない

 

 

「じゃあ、諦めて寝たふりでもするかイケメンらしく話しかけてこいよ」

 

 

「寝たふっりて、今からしてもバレバレじゃん…それに話かけるとかこの状況でどうしろっていうわけ?」

 

 

「知るか、そもそも俺に聞くな。こうみえても非リアのボッチだから女子との話かたなんて知るわけないだろ」

 

 

「こう見えてもって、見たまんまだと思うけど?」

 

 

この弟何気に失礼である。

俺だってお前と同じくらいの身長で同じくらいに整った顔立ちしてるんだからな?ただちょっと、それを飲み込むくらい目が濁ってて後ろの効果音がドロドロドローなだけで、それ以外の基盤は高スッペクなんだからな?

 

精神年齢大人の俺は今更そんな事を言ったりしないがな。

ということで精神年齢大人の俺はおとなしく寝たふりを開始する

 

あれ?これじゃあ高校の時と変わってなくね?‥‥‥まあ、いいか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

これは…これは思った以上にキツイ…

 

あたりを見渡してもいるのは全員女子であり、男は俺と兄ちゃんの2人だけだ。しかも、その八兄も今は寝たふりをしているのか、机に突っ伏している。

 

そうすると自然とクラスの視線は俺へと集中的に注がれる。友人である長髪赤毛にバンダナをした男なら涙ながらに喜ぶか、むしろこの状況なら嬉々として周りにいる女子にアプローチをかけていただろう。

 

しかし、俺こと、織斑 一夏はそんな積極性も度胸も持ち合わせていないのだ。先ほど兄に聞いた実に悲しい対処法も俺向きではない、というかあんなの八兄くらいしかしないだろう

 

友人のようにも兄のようにもできない俺のとる選択は沈黙しかないのだが、状況が全然変わっていないので相変わらずキツイ…

 

 

 

 

 

「皆さん入学おめでとう。私は副担任の山田真耶です」

 

 

緑色の髪にメガネをかけた副担任という女性は、明るい声でクラスを見渡す様に自己紹介をする。

 

 

「‥‥‥」

 

 

しかし、クラスからは声一つ上がらない。これには先生も顔をひきつらせている。

本当なら名前のヤマダマヤとおいうのにツッコミを入れたいところだが、せっかく減った視線をまた戻す事になりそうなので俺も無言を突き通す。

 

 

 

「き、今日から皆さんはIS学園の生徒です。この学園は全寮制、学校でも放課後も一緒です。仲良く助け合って楽しい3年間にしましょうね」

 

 

気を取り直して学園の大まかな説明に入り、このような締めくくりで会話を閉じまたもクラスの反応を伺うが

 

 

「‥‥‥」

 

 

相変らず無反応だ。その上さらに厄介な事に、先生の説明が終わるや否やクラス中の視線はまたも俺に突き刺さられることになる

 

教壇の前に位置する俺の席は本来このような場合では先生にちゃちゃを入れるなどして、場を和ませる位置取りだが、生憎と俺は自分の事でいっぱいなのでフォローに入ることもできない

 

 

というより、このクラスにはムードメーカーとかいないのかよ!俺なんか見るよりこの場の空気をどうにかしろよな!

 

 

内心そんな事を考えながら、じりじりと突き刺さる視線に耐え、ふと一番端の席にいる女生徒にすがるような目を向ける、が、俺の視線に気が付くと彼女はそっぽを向いてしまった。

 

 

(それが6年ぶりに再会した幼馴染に対する態度か…もしかして俺嫌われてるんじゃ…?)

 

 

彼女は名前は篠ノ乃 箒、俺の幼馴染で彼女の実家である篠ノ乃道場に千冬姉と一緒に通っていたことがあり、お互い不器用ながらにもそれなりに仲良くやっていたと思う。

 

でも、この態度を見るとそう思っていたのは俺だけだったのか?まさか箒のそっくりさんで本当は赤の他人なのではとか軽く現実逃避をするが、俺の名前が呼ばれている事に気が付きすぐさま意識を戻す

 

 

「織斑君?…織斑 一夏君!」

 

 

「は、はい!」

 

 

それは先ほどから一生懸命に話してる副担任の山田先生の声だった。

 

 

「あの~大声だしちゃってごめんなさい。でも、あ から始まって今 お なんだよね。自己紹介してくれるかな…駄目かな?」

 

 

なぜか、子供に言い聞かすような口調で先生は身を屈めながら聞いてくる。その時ちょうど俺の座っている位置と先生の胸の位置が水平上になり、その豊満な胸が目の前で揺れる

 

 

な、なんだこの破壊力は!?これが本当に人体の一部というのか!

 

 

それに一瞬、目を奪われすぐに返答することができなかったが何とか、自制を取り戻し話をしようとするが、申し訳なさそうに謝る先生に対し、むしろ俺の方こそ邪な目線で見てしまいすいませんと謝りたくなった。

 

だが、ここで下手に謝ると最悪牢屋いき、よくてもこれからの学園生活で初日に教師に対しセクハラした最低男という汚名が付くことになるだろう。

 

というかいつまでもそんな下らんこと考えている場合じゃないな

 

 

一度大きな深呼吸をし、意を決して立ち上がる

 

 

「えー‥えっと、織斑 一夏です。よろしくお願いします」

 

 

無難ながらもザ・自己紹介という感じの挨拶を終へ座ろうとするがどうやら周りはそれを許してはくれないようだ

 

突き刺さるように向けられた視線は一瞬、キランと光り輝き先ほどまでとは比べられないほどの強い視線が体を貫く

 

 

いかん、このまま黙ってしまっては、暗いやつのレッテルを張られてしまう。それはさけねば!

 

 

「す「織斑 八幡。好きな食べ物は甘いものと肉、座右の銘は押してダメなら突き落せです。よろしく」

 

 

本日2度目の意を決して話そうとした矢先に、先ほどまで寝たふりをしていた後ろから言葉を遮るようにして自己紹介をはじめた

 

 

「ん?…なにまだ立ってんだ一夏?座れば」

 

 

「ァ…はい」

 

意気消沈して静かに席に座りなおすが、なんとも微妙な空気のまま、俺と兄の自己紹介は終わり教室の空気は依然と重いままで、山田先生もオロオロとしっぱなしだ。

 

 

次に自己紹介をするであろう人も何も話さず…というか、立とうとすらしない。

クラス中の時間が止まったかと思うような錯覚を起こしそうになる。誰でもいいから何か喋れよと思うが、俺の願いとは裏腹に誰一人として喋らない、沈黙が教室を支配している。

 

そんな時、教室のドアから救世主が現れた

 

 

「すまない、山田君遅れて‥‥‥なんだ、この空気は?」

 

 

救世主は全身黒いスーツに、スカートが全身のシルエットを強調し、唯でさえいいスタイルが一層はれ、長髪でややウェーブのかかった見慣れた黒髪…というか

 

 

「なんで千冬姉がここに!?」

 

 

職業不詳で週に数度しか帰ってこない、IS世界大会2連覇を成し遂げた俺の実の姉だった

 

 

「学校では織斑先生だ一夏、それと八幡も顔を上げろ。まだHR中だぞ!」

 

 

俺の声と、八兄の姿に反応し出席簿と思わしき物体で頭を殴りながら注意する。

目にもとまわない速さで繰り出された出席簿は俺の頭を割らんばかりの力で押し付け、あまりの衝撃にその場で頭を押さえうずくまる

 

そのまま目線を上げ、この殺人出席簿のもう一人の犠牲者であろう兄の姿を確認しようとするが予想に反し兄は、平然としていた。

 

 

「ほう…今のをよけるか」

 

 

「入学初日から虐めとは感心しませんよ」

 

 

「人聞きの悪い。こんなのただのスキンシップだろ?」

 

                 ・ ・ ・ ・ 

「公私の区別はつけた方がいいですよ織 斑 先 生」

 

 

なんと兄はあの一撃をよけていたのだ。机に突っ伏してる状態からどうやってよけたのかが気になる。なんせ兄と姉で火花を散らしてる後ろにいる女生徒は軒並みありえない物を見たという風な顔をして、机の真上の天井には出席簿と思われる物体が深々と刺さってるんだもん

 

天井に刺さってるとかどういうことだよ?俺の見てない一瞬にどんな攻防があったのか凄く気になる

 

 

「まあいい、二人とも席につけ」

 

 

千冬姉は教壇のほうに移動し、クラス全体を見渡しながら言葉を続ける

 

 

「諸君!私が担任の織斑 千冬だ。君たち新人を1年で使い物にするのが仕事だ」

 

 

まさに威風同等、大胆不敵といった感じの自己紹介を終えると先ほどまでの沈黙が嘘のように教室が湧いた

 

 

「きゃああああああああああああああっ!!!!!」

 

「千冬様よ!本物の千冬様よ!!」

 

「私お姉様に憧れてこの学園に来たんです!北九州から!」

 

「私!お姉様のためなら死ねます!!」

 

 

一体なにがどうしたのか分からんが、クラス中の生徒は千冬姉に向け一様に羨望の眼差しを向け、頬を赤らめ黄色い声を放つ。その有様はまるで、どこぞのテレビで見たような光景であり等の千冬姉は呆れるように頭を掻く

 

「毎年よくもこれだけ馬鹿者が集まるものだ。それとも私のクラスに集中させてるのか?」

 

そうするとまたも教室が湧きあがる

 

「きゃあああああああああああ!!!!!」

 

「お姉様もっと叱って罵って!!!」

 

「時には優しくして、そして付け上がらないように躾をして!!」

 

おいこら最後、人の姉になんつうアブノーマルなプレイを頼んでやがるんだ?

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