飛梅の日常   作:白雪(しらゆき)

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ストックが切れるので次回は3日後位になります。


ヒメが傘を忘れた話

「あ~雨降ってるかぁ」

本屋から帰ろうとすると外は雨が振りだしていた。

そういえば朝にミコトが出かけるなら傘を持って行くように言ってた気がする。

 

「うわっ雨降ってんのかよ」

横を見ると高校生だろうか、私と同じように傘を忘れたようで困ったように頭をかいていた。

傘を買いに行こうにもその間に買った本が濡れてしまう。スマホで調べるとあと1時間くらいで止むようで、それなら雨がやむまでもう少し時間を潰そうかと店の中に戻ると背後で話し声が聞こえた。

 

 

「あっ青山くん。傘ないなら駅まで一緒に入ってく?」

「本当か?助かる」

「いいのいいの困った時はお互い様でしょ、参考書でも買ったの?」

「おう、いい加減定期考査も近くなってきたしぼちぼち勉強しないとなぁ」

「それじゃあ今度一緒に―――」

二人は1つの傘を使い、雨の街に消えていった。

「いやぁ青春だね~」

傘を渡したときに耳まで赤くなりながらも勇気を出した学生をみてそうつぶやいた。

 

 

 

「私も誰か知り合いに傘を借りれたらいいんだけど・・・」

とはいえ店の中に客はほとんど残っておらず、知り合いはいない。

「そう都合のいい話は無いか」

諦めて時間をつぶそうと本を選ぼうとした時、後ろから声がかかる。

「やっぱここにいたか」

「携帯持ってんだから返事してよ」

そういわれてスマホを見るとミコトからのラインが何通か来ていた。

 

『傘持たないで出かけたでしょ、迎えに行くけど何処にいる?』

『駅に着いたけど何処?』

『おーい』

 

「ごめん、気が付かなかった。でもよくここってわかったね」

「何にも連絡無いから本読むのに集中してんのかと思ったからね」

そういうとミコトは傘を差しだしてきた。

「ありがと、本買っちゃって濡れながら帰るわけにもいかないからやむまで待とうかな~って考えてた」

「そんなことだろうと思ったよ」

2つの傘が並んで雨の街を歩いていく。

 

 

   ◆   ◆   ◆

 

ヒメと並んで帰る途中、ふと気になって質問した。

「それで沢山買ったようだけど何買ったの?」

「そうそう! このシリーズの新作が出てて前にミコトがオススメしてた本もあって衝動買いしちゃった!あとはこれの初回特典付きがちょうどラス1でもう運命感じちゃってそれでね―――」

まくしたてるようにヒメが話始める。

探し続けていてようやく見つけた本、気になっていたシリーズの続編、前に少しだけ話題にした程度の本も読んで買ったようだ。

僕とヒメの本の趣味は合う。だからこそ僕がオススメしたものも気に入ったのだろう。

「じゃあ今度ヒメのオススメも貸してよ」

するとヒメは一瞬固まり、その後満面の笑みでうなずいた。

 

「まっかせてよ! ミコトが特に好きそうなの厳選するから!」

あれは絶対で~こっちは反応みてからで~と、ヒメは上機嫌で何を貸すか考えている。

梅雨の間出かけられなくてもどうやら暇にならずに済むようだ。

 

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