「ただいま~」
玄関から少し疲れたようすでミコトが帰ってきた。
「おかえり~、遅かったね。」
「帰る間際にお客さんの対応とか重なっちゃってね。わざわざ来てくれるのはうれしいけど、おかげでこんな時間だよ」
確かにいつもより2時間くらい遅い帰宅だ。
「夜ご飯用意しとくから先お風呂入っちゃえば?」
「うん、お言葉に甘えてお願いしようかな」
「ヒメちゃんに任せなさーい」
◆ ◆ ◆
夜ご飯の準備をしていると、ふと置いてあったものに目が止まる。
「これって炙るといいおつまみになるんだっけね」
話に聞いたことはあっても食べたことはないのを思い出し、網はさんで軽く焼いていく。
「夜ご飯にしてはいい匂いだと思ったけど、それか」
「そう! スルメイカの炙り! 一回やってみたかったんだ~」
「おいしそうだね、夜ご飯の後に僕も貰おうかな」
「焼き終わるまでもう少しかかりそうだし、食べ終わる頃にちょうどできるんじゃない?」
ミコトにそういうと、準備しておいた夜ご飯をもってリビングへ向かっていった。
◆ ◆ ◆
「ミコトも日本酒でいい?」
「うん、スルメなら日本酒が一番合いそうだしね」
「はーい、せっかくコンロ使ってるし熱燗にしておいたよ」
ヒメがお酒とスルメイカをもってきた
「じゃああらためて」
「「カンパーイ」」
「炙っただけあってパリッとするし香りもいいし良い感じにお酒が進むね」
「ちょっと手間がかかるだけあっておいしいね」
「他のおつまみもいろいろ炙ってみる? エイヒレはあぶってからお酒に入れるんだっけ?」
「お酒に入れるのはフグのヒレだね。お酒に火をつけたりするやつ」
「それそれ、あれ何で火つけるんだろうね」
「フランベみたいにアルコール分を飛ばして飲みやすくするためだったかな」
流石ミコト、お酒に関してはだいたい知ってる。やっぱりコイツ酒カスになりつつあるな。
一体誰の影響なんだか・・・
「もうおつまみなくなっちゃったか」
「ん~、お酒はまだあるし明日休みだから別のおつまみにしちゃう?」
「いいねぇ、スーパーにでも行って炙るおつまみいろいろやってみようか」
「賛成! 乾物つながりでカルパスとかもいいかも!」
「後は海鮮つながりで貝ひもとかもいいかな」
そう言って上着を着替えて靴を履く。
暑くなってきたといえど、夜であれば涼しい風が吹き抜ける。
酔い覚ましにはちょうど良い気温だ
「どうせ買いに行くならお酒も買いに行くか」
「いいね!今日はたらふく飲んじゃおう!」
楽しみを胸に私たちは街へ歩き出した。