今日はちゃんと学校に登校しましたよー
あれから数日経って隠者の特性を理解してきた
まず自分にかけるときは見えなくするだけでなく、発動している間自分がいたことすら忘れられる
自分以外の物にかけるときは私以外は無意識下にあったものを避けるように動くようになる
他人にかけたことはないが物にかけた時と同様になるだろう
しかし制限もあるようで、見える範囲にある物にしかかけられない(かけた後は見えなくなってもかかり続ける)
これのせいで発した音や概念などのものが隠せないのが少し不満である
「今日までテストかー、早く終わらないかなぁ」
学期末テストの最終日。案ずることなど特にないのだが面倒なことこの上ないのでテストは苦手だ
「これと学年対抗大会さえ終われば夏休み、頑張るかぁ」
うちの学校は学年対抗大会という謎の行事を長期休み前に行う。スキルも使っていろんな競技を行う面倒な行事なのだ
「隠れてやり過ごそうにも隠者使ったら登校したことすら忘れられそうだしなー」
そんなこんなでテスト4日目が終わりさっさと帰宅して惰眠を貪ろうと思っていた時
「きゃー!!」
などと聞こえてきた。存外楽しいことは好きなので野次馬根性で覗きに行くと、いかにも不審者な女性モノの鞄を持った男性とそれを追う女性がいた
「そこの人っ、止めてー!」
あまり面白くもなかったので、身体強化(足)を使いすぐに止め、鞄を返してから隠者を発動し面倒ごとから逃げるように帰った
「ああいう手合いはお礼とか言われる前に逃げるべし。古事記にもそう書いてある!」
などと意味のわからないことを吐きながら家で一人ゴロゴロしていると
ピンポーン
そこまでよくはならないはずのインターホンがなった
きっと親がグータラしてないかとか部屋は片付いているかとかのチェックをしにきたんだと思い戸を開けた
早めに気づくべきだった、親はインターホンなんて鳴らさないことに
「こんにちは〜、先ほどこの辺りで助けていただいたんですが顔も覚えてなくって、この辺りに住んでいる蜜ヶ丘学院の生徒さんのお宅ってどこにあるか聞いて回ったらここって言われたのできたんですが貴女ですか?」
やらかした。隠者の発動時間が少なかったのか制服までは覚えられていた。だがまだ挽回できる、他にもいると言えばいいだけだ
「いえ。私じゃありませんけど私以外の子じゃないですかね」
「この辺りの蜜ヶ丘の生徒って貴女だけみたいなんです」
学園の近くに移り住んだとはいえ他生徒とのご近所付き合いなんてたまったものではないと思い少し離れたところに一室借りているんだから当たり前と言えば当たり前である
「貴女なんですよね!助けていただきありがとうございます!」
コイツ無断で家にズカズカ入ってきやがった。
「私だったかもしれませんが一旦落ち着いて。とりあえず家から出ましょう」
「あら、ごめんなさい」
よし、この隙に!
バタン!ガチャ
よし、これで安心だな。明日からまた面倒かもしれないがそんな事は明日の自分にまかせてしまえばいい。というかこんだけ拒絶したら向こうも無理にはしてこないだろう
ようやくひと段落したのでとりあえず眠ることにした
_____2日後日曜の朝_______
なんだかよく眠れた気がする。そう思い時間を見る、7時20分、なんだいつもより早いじゃないか、そう思い日にちを見て目を見張った。どう考えても一日すっ飛ばしているのだ。初めて土曜日を無駄にした気がするという感覚に陥ったがそれにしても無駄にしすぎたと思う。
とりあえず土曜日を無駄にした分を取り戻そうと起き上がり朝食をとり、行こうと思っていた国所有のダンジョンへ足を向けた
「ダンジョンってどんなとこかなー?楽しいと良いなー」
などと呑気なことをのたまいつつ準備ができたので出発した
_______
「ダンジョンに受付がある!聞いてはいたけど面白いなぁ」
国所有のダンジョンでは一般人が気軽に入って命を落とさないよう、受付をあてがい身分の証明とダンジョンで何があっても自己責任であるという誓約書を書く必要がある。これを書くとカードがもらえ、次からはそれを提示しすると、入ることが許されるようになる
今日はそれを作りついでにダンジョンを探検してみるつもりで来た
「ダンジョンへ潜りたいんですけどカード作れませんか?」
と言いながら学生証を出す
「えっ!あぁすみません今お作りいたします。ではこの書類にサインを…はい、ありがとうございます少々お待ちください」
驚かれたが無理もないだろう、私は身長が低いのだ。どうせ小5、6ぐらいにでも見えたのだろう
「できましたよ。こちらを、それとこちらがカードになります。入る時必ず必要になりますので無くさぬようお願いします」
「ありがとうございます」
無くさないよう、財布に入れ財布をポシェットに入れ口を閉じ、自宅以外で初めてのダンジョン探索に向かった
「ダンジョンなのに空が見える!」
うちのダンジョンとは違ってこのダンジョンは広々とした開放的な場所のようだ
うちのダンジョンは洞窟のようで明かりもないのにほんのり明るい空間だった。それをみるにダンジョンにも色々種類があるのだろう
「せっかくダンジョンに来たんだったらモンスターの一匹くらい見てみたいなー」
モンスターとの相対や討伐もダンジョンの醍醐味だろう。うちのダンジョンでは見る前に攻略したので何が湧くのかすらわからなかったが
「あの」
それにしてもモンスターが見当たらないのは残念だここが初心者向けダンジョンの1階層だからだろうか
「あの!すみません!」
「わっ!!あぁすみません、私になにか?」
隠者を発動しているはずなので油断していたがなぜ話しかけられたのだろう?
「その、、貴女みたいな子が、ゆ、油断してると、襲われちゃいますよ!これ、落としましたよ」
「あぁ、ありがとうございます」
隠者を発動しているか見てみたが、しっかり発動していた。この少女が見破ってきたことに驚きつつ、いったいどんなスキルがあればユニークスキルを見破れるのか気になった
この少女の持つスキルは自分の持つスキルを一切の違和感もなく見破ったのだ。かなり強い部類のスキルを持っているのだろう
とりあえずこの少女に隠者をかけ、話を聞いてみることにした
「警戒してなかったわけではないんですよ」
「嘘です、私が声かけてもきずいていませんでしたし」
「それは、まさか自分に話しかけているとは思っていなかっただけです」
「それでも落とし物をしている時点で油断はしているんです!」
「それは、、、まぁそうですけど」
「やっぱり油断してたんじゃないですか」
この少女、ものすごく面倒くさい、すぐに話をつけて逃げるか。そんなことを考えていると
「あなたはこのままほっておいても怖いので外に出るまでついていきましょうか」
何を言っているんだこの少女は。少女への隠者をといて自分にかかる隠者の出力を上げる。この少女はめんどくさすぎる、早くここから逃げなくては
「あれ?どこ行ったんですかー?」
まだ私がいたことを覚えている。本当にめんどい能力を持っているんだなそう思い、逃げ足を発動して大体4キロくらい離れたぐらいで逃げ足をとく
「あ、ゴブリン」
モンスターを見つけれたのにあまりこれといった喜びはなく、身体強化(足)を使いサクッと倒し、初めてのダンジョン探索は終わりを告げた