Re Take of Evangelion   作:Air1204

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RE:Neon Genesis of ANIMA
第14話 Air 序


電子音がとめどなく鳴り響く。真っ暗なエントリープラグの中で点滅する操縦系とモニター、モニターには静かにカウントを進めている。

人ならざる身へとこの身を堕としたアタシは今やWILLEの最高戦力、ナルシスホモ使徒もどきの尽力で使徒として処理されなかっただけまだマシなんだと思う。

シンジが-号機の中に取り残されてから早3年が流れた、エヴァの呪縛に掛かったアタシたちエヴァパイロットは歳を取らない。それは先の戦いで-号機に一緒に乗っていたミサトも同じくだった。

今やNERVをマトモな組織だと思うヒトは居なくなった。

あれやこれやと実力行使、何よりも政治的圧力によって危険分子として排除されるべき対象となった。

とはいえ、アタシたちWILLEもやぶさかでは無い。ヴァチカン条約を無視した2.4.8.9並びに碇ゲンドウの遺言?によりシンジに託された第13号機、合計5機もの専属保有。そりゃ各国も黙っちゃいないいちばん煩かったのはドイツだ、アタシを返せと今更になって宣ってきた。まぁその人権を無視した発言に激昂したミサトによって制圧、今やただのWILLE専属の製造プラントと化している。

 

とはいえ、未だ公表していない組織であるWILLE。表向きはNERV本部という扱いで落ち着いている。

何よりも先程、碇ゲンドウの遺言。と言ったが、あながち間違ってはいないんだと思う。だって、生きているか死んでいるかさえも分からずナルシスホモ使徒もどき経由で渡された長ったらしい遺言書があるだけだったからだ。

そして、この惨状を引き起こした張本人、冬月コウゾウ。アレも第13の使徒との戦いの後行方を晦ました。十中八九、ある程度の地上の漂白が終われば顔を覗かせるだろうとは思う。

SEELEの目論見としてニアで終わってしまったサードの再開は目に見えている。赤くコア化した第三新東京市、そこは既に人が住めるような環境ではないことを示す。ニアとは言え爆心地、L結界密度が高すぎる。相田やヒカリは既に疎開した。何処に行ったかも定かじゃない。

1番それを悔やんだのは鈴原のやつだった、そりゃ当たり前か…自分の恋人も、2人の親友も目の前から居なくなってしまったのだから。

意外にもミサトが1番精神的に被害は少なかったのかもしれない。というか逆にあっけらかんとしすぎてイラッとしすぎたくらいだ。

シンジ、いや-号機が衛星軌道への追放が決まった時に静かにただ、頷いただけだった、とうのアタシはなんとしてでも阻止しようと声を荒らげたがミサトによって制止された。

 

「迎えに行けばいいだけよ。慌てなくていいわ、何より地上にいるよりも確実に安心だもの。」

 

と大人の余裕っぷりを見せつけられてしまった。如何せんそうと決まる前から既に救出用の新型ユニットである『アメノムラクモ』の開発に着手させていたってんだから女の勘とは末恐ろしいものである。

 

長々と書き綴って正味飽きてきたが、まだまだ書かなくてはならない事は沢山ある。飛んだNERVのトップに変わり、ナルシスホモと加持さんの2人がその座に就いたのだ。それは仕方ないSEELE側は自分の手駒である渚カヲルがトップに就いた方が扱いやすいんだからね。

だいぶ時間軸はズレてはしまったがそれでもこの異様な静けさと閑散とした要塞都市を見ればわかる。戦自並びにSEELEの用意したエヴァシリーズとの決戦が近い、それだけは今のアタシにも何となくわかった。

 

 

「だいぶ板に付いてきたわねアスカ。」

 

「んなこたァないわよ。シンジが居ないんだからアタシが代理になってるだけよ。」

 

綺麗に畳まれた艦長服と軍帽がそこに置かれている。

NHGヴーセ改めAAAヴンダーの副艦長の座に座らせられた。

シンジがいない今実質的にこの船の全権の責任はアタシにある。

かく言うオトナ達。ミサトやリツコ達は各々その役割を遂行する上で役職的なものは特に変わらず肩書きは変わっている。

ミサトなら、対NERV、SEELE作戦部長 葛城ミサト 大佐であったりだ。

リツコは変わらず技術顧問みたいだが…。

 

「ったく…渚のバカもコネメガネも無茶苦茶言ってくれるわよ

…。SEELEが動き始めたから何時でも迎撃できるようにしとけって…?んで始まったカウントが24時間て準備もクソも無いじゃない。」

メガネを額に押し上げやれやれと大きなため息を吐く。

あの戦いから何故だか知らないが左目の視力が著しく低下してしまったからだった。渚…こほん、ナルシスホモが言うには過去の世界の自分と現代のアタシが徐々に同一の存在?言わばそちらともシンクロ状態にあるが故だと言っていた。

たまったもんじゃない。

 

「シンちゃん。今のアスカの事見たらびっくりしちゃうんじゃない?」

 

「バカね。アイツは似合ってるよアスカとしか言わないわよ。」

 

「確かにそれは言えてるわね。」

 

「てか…ミサト。またバストサイズ増えた?」

 

「…何でわかんのよ…。つかよく見てるわね…。変態?」

 

「失敬なやつ!あんだけ3Pやらなにやらして赤裸々見てんのに気づかないわきゃ無いでしょうよ!」

 

「んー。そういうもん?」

 

「全く…年食わなくなったっつーのに胸だけはでかくなったって仕方ないじゃないの…。」

 

「…本当は羨ましいくせに…。」

 

ボソッと要らん一言を言ったミサトを無視しながらモニターに目を落とす。どうやらそろそろレイと鈴原が目標物。封印柩に押し込まれたオーロラ姫(寝坊助)に近付いたようだ…。

すかさずマイクを握りしめる。

 

「レイ。鈴原聞こえてるわね?」

 

『何も言わんでも大丈夫や。死んでもシンジだけは連れ帰らなあかんからのう…。』

 

「死ぬのは勘弁。あんたの嫁さんにぶっ飛ばされるわ。」

 

『うぐぐ…。早うヒカリん奴も探さんと…。』

 

「死力は尽くしてる。黙って目の前のことだけ考えとけ。」

 

『なんっつー言い草!!もう少し言葉ァ選べんのかいな!?』

 

「はんっ。ちゃんと連れて生きて帰ってきたんなら詫びてやるわよ。」

 

『ホンマに素直じゃないお姫様やなぁ…。分かったで大将。必ずワシもシンジも綾波さんも連れて帰ったるわ。』

 

「その心意気や上々ね。青葉、日向、目標物周辺に動体は?」

 

「特に検知されず。嫌なぐらいに静かですね…。」

 

「国連もSEELEも動かないなんて…。どういうことなんでしょうか…。」

 

「さあね…。でも…多分…。」

 

言葉を紡ぐ前にけたたましく鳴り響くアラーム。それはNERV本部への侵攻が始まった事を告げる合図であった。

 

「んね?ほら…言わずとも理由なんかわかるのよ。第1種戦闘配備。ミサトはカヲル、マリを連れて作戦室へ。」

 

「承知。アスカは?」

 

「あとから行くわ。とにかくあのエセ関西弁だけじゃ頼りになんないからね。」

 

『何?』

 

声をかけずとも反応を示すのは流石、レイ。嫌いだけど嫌いじゃないわ。

 

「言わずとも、アンタならわかるでしょ?レイ。」

 

『誰も死なせないわ。敵は例外。』

 

「上々ね。本当ならアタシが迎えに行きたかった所をアンタ達に譲ったんだからヘマはするんじゃないわよ。」

 

『了解。』

 

「ん!じゃあ、そっちは頼んだ。アタシ達がこっちは何とかするから。」

 

『アスカ。』

 

「まだ何か?」

 

『ありがとう。すぐ帰るから。』

 

「はっ!信用ならないってんならさっさと帰ってきな!」

 

『そうする。』

 

ったく。可愛げもなんにもないやつ!でも…アイツにならあたしの背中は預けてやってもいい。

その点においては誰よりも信用がおける。まぁ、マリも中々にはやるコネメガネではあるけど…。

 

「艦長代理…ちょっと嬉しそうですね。」

 

「っは!んなわけないでしょ。あんな奴に任せるくらいならアタシ1人でもなんとかなるってーの。伊吹、日向、青葉。後の動向の監視は任せる。すぐ戻る、エヴァの出撃準備だけ整えておいて!」

 

「「了解!」」

 

さっさとエヴァシリーズは全機殲滅。それ以外ありえないもの。

ブリッジを移動し作戦室へと足を急がせる。

 

 

「遅かったわね。艦長代理。」

 

「まぁね、代理は代理としてやらなきゃなんないことがあんのよ。」

 

嫌味のような口調のリツコを尻目に円卓へと腰を下ろす。

既に渚とマリの奴は席に着いている。

 

「状況は?」

 

「ま、物の見事に加持の誘導のおかげで戦自、国連はNERV本部目掛け進行中。こっちには目もくれてないわ。」

 

「上々ね。渚が第2支部を徴収しておいてくれて助かったわね。」

 

「お褒めに与り光栄だよ。でも一刻の猶予もない、それだけは理解して欲しい。」

 

「言われんでも…。エヴァシリーズの動向は?」

 

待ってましたと言わんばかりのミサトがコンソールを叩くと直ぐにモニターへとその映像が映し出された。

 

「先刻、ユーロからの伝達があって、ロシア、中国並びに…てか9機予定通り飛んだみたいよ。」

 

「ま、かねがね予定通りってことね…。」

 

「こっちの戦力はアスカがナノマシンから作り出した真弐号機、8号機ね。」

 

「堪ったもんじゃないわね…。2対9とか正気?」

 

「んでも前は1on9じゃなかったかにゃ?」

 

「あの世界じゃあ何とかなったかもしれないけどこの世界じゃどうにもなんないわよ。何よりアタシはシンジのー号機と違ってクローンだからマミーの魂はない。アンタの機体も同じく。」

 

「出力の差は歴然って訳ね。リツコ、S2機関の方は?」

 

「弐号機は関係ないにしろ8号機には試験的に搭載済み。ただ、第12の使徒から鹵獲したものだから安全性には難アリね。」

 

「毒も喰らわばってね。あーしでどうにかしてみせるから任せんしゃい。」

 

「んで、それ以外、オップファータイプとMark6は?」

 

「Mark6は既に起動済みだね。まだメインシャフトを降りちゃいないがそれも時間の問題だ。」

 

「んじゃ尚更アタシとマリは二手に分かれるしかないじゃないのよ。」

 

「大丈夫さ。第13号機、それの調整が今し方終わったところだからね。」

 

「…リツコ…?さっき第13号機戦力に数え忘れてない…?」

 

「何?元よりあれはWエントリーシステム。2人居ないとシンクロは不可能なはずよ。」

 

「だからこそ僕が乗る。それで、Mark6、そしてリリスと対峙するそれで構わないかい?」

 

「構わないわ、あなた達の話が本当なら、加持のやつ、死んででもサードを止めるだろうしね。」

 

「…元彼でも心配すんのね?」

 

「ま、死なれちゃ寝覚めが悪いってだけ。私の本命はシンちゃんただ一人よ。」

 

険しい顔した大人が私の本命は17歳の少年ですなんて言うもんだからつい吹き出しそうになってしまう。

ま、それでもその気持ちはアタシもレイも変わらない。

加持さん。かつては憧れだった人、大好きだった人。だからこそアタシも死んで欲しくは無い。

 

「決まりね。アタシとマリでエヴァシリーズ並びに国連及び戦自の連中。渚はmark6とリリスを頼む。」

 

「「了解。」」

 

 

新しく新調されたプラグスーツを手に取る。

従来通り深紅に染められているが所々に蒼の意向が入る。真弐号機のエントリーシートには従来のインテリアは無い。

Gガンダム、バスターマシンよろしく、思考もさることながら体の動きをトレースし思いのままに動ける、そういうコンセプトに組み立て直した機体だからだ。

過去のアタシよろしく、その記憶で見たエヴァ統合体とかいう姿を踏襲しつつこの世界の在り方に添うようにアレンジを施した機体。基本的にはナノマシンである2号機と3号機の集合体だ。だからこそ物理的なダメージには強く出来ている。

 

「うん。新型も上々いい感じだにゃ。」

 

マリが満足気に乳を揺らす。なんともまぁ羨ましい限りだ。

と、冗談はさておいて、8号機も大幅な改修が加えられている。

3号機の残骸と形象崩壊せずに残った第12の使徒の亡骸を用いた従来のエヴァシステムを遥かに凌駕する代物。

変わらずその姿は桜色がメインカラーとして据え置きに。

所々に黒の意向が見られるなんとも禍々しい体躯。

バックパックとも取れる背面のウィングユニットには無理やり再生させた第12の使徒の鰭が用いられていた。

 

「エヴァってより…ほぼ使徒ね。」

 

「最終決戦。使えるもんは最後まで使い潰す。そうでもしないとこの戦いは乗り切れないってことだよ。」

 

「リリンが生き残るにはなりふり構ってられないもの。渚の奴は?」

 

「もうエントリーは済んでるよ。後は合図があるのみ…だね。」

 

「そ、わかったわ。ヒトがヒトとして生きる為にはヒトを殺さなきゃならないなんて皮肉なものね。」

 

「それがヒトって奴だからね。他人が怖い、受け入れ難い思考は武力を以って制す。古来から続くリリン達の儀式だね。」

 

「呆れた儀式ね。アムロやシャアよろしくどれだけ世界が平和になろうと、ラプラスの箱が開かれようとその争いは絶えずって事ね。」

 

「さ、時間だ。彼が帰ってくる前にケリをつけてしまおう。この惨状彼が見たら本当に全てを殲滅しかねないからね。」

 

「そうね。寝ぼけたバカが余計にややこしくする前にさっさと終わらせましょうか。」

 

警報の音が響く。この音は衛星軌道上で作戦を行っているレイや鈴原の危険を知らせるサイン。

 

「何!?状況は!?」

 

『目標物周辺にパターン青を複数確認!解析結果はネーメズィスシリーズと断定!』

 

「よもやよもやね。偽装コクーンに隠れていたか!4号機、並びに玖号機は?」

 

『既に交戦中!既に2機殲滅しています!』

 

4号機は変わらず。第12の使徒でお釈迦になった零号機に代わり建造中であったMark9を渚のやつが掻払いリネーム、アダムスに由来する機体が故に旧数字を与えられている。

弐号機はなんでかって?そりゃあ旧字がカッコイイからに決まってるわよ。

 

「上々ね。特にこっちから連絡は入れない。動向はそちらで監視して。じゃ、ミサトこっちも出るわ。」

 

「了解。任せたわねアスカ、カヲル君。マリ。」

 

「ガッテンでい!」

 

「請け負ったよ。」

 

「しかし、大型のエヴァでの実践、久々すぎて上手くできるか心配ね…。」

 

手を握り感覚の誤差を見やる。

コンマ0.001秒程だろうか。これくらいの誤差ならば大丈夫だと思いたい。

モニターに目を移す。いつになく真剣な顔のマリと渚。

 

「準備は良いわね?いくわよ。」

 

「「了解!」」

 

「「エヴァンゲリオン起動!!」」

 

 

「アカン!!なんでわらわらこんなに出てくるんや!?どっかに母船でもあるんとちゃうんか!?」

 

「今探ってるわ。出処が分からない。偽装コクーンの位置も。」

 

「んなけったいな…。目標物は!?」

 

「先の爆風で軌道がだいぶ逸れてる。早く拾わないとまずい。」

 

「それを早く言わんかい!!」

 

スラスターを全力で吹かす。ATフィールドを推進力にグングンと目標物へと迫る。はよう拾わんとシンジが地球に帰るんが叶わんくなってまう。

 

「綾波さ!スマンがそいつらの相手は頼むで!!」

 

「了解。鈴原くん、碇くんは任せたわ。」

 

対宇宙用装備として新しく作られよったこの『ロムルス』とか言われとる装備。4号機、いや、ワシの最も扱いやすい装備として開発されたらしいが、機動力が高すぎて思うように扱えん。

LCLでいくらかGが軽減されるとはいえマッハなんぼで飛び回るが故か流石にそれだけでは賄いきれんみたいや。

 

「ぐっ…あかん。頭がくらくらしよる…!でも…!泣き言は言ってられんッ!あともうちょいッ…!」

 

背後に2機、3機と迫る。シンジが、ー号機が封印された棺までもうあと少し。

綾波が狙いを定めてネーメズィスシリーズと呼称された奴らを狙い撃ち撃墜していく。

 

「掴んだで!!ぐっ…!減速じゃあ!!」

 

スラスターを展開し減速をする為に噴射する。徐々に速度が弱まり棺が停止したのを確認する。

 

「はぁ…はぁ…。なんや宇宙も楽なもんじゃないのう…。」

 

安心したのもつかの間、けたたましく鳴り響く警報がワシらの身が安全では無いことを示していた。

 

「なんじゃ!?どこにおるんや!?」

 

「鈴原くんッ!棺に!!」

 

ぬるりと4号機が取り付いた反対側から白い腕のような物が生えている。その腕がこちらに回り肩を掴む。

 

「ぐっ…。」

 

その握られた腕によって締め付けられる。

そして反対側から徐々に顔を覗かせたそれがコチラを睨む。

 

「なんや…これが…式波の言うとったエヴァシリーズっちゅうやつか!?」

 

腹部、コアと称されたエヴァの弱点があるであろう場所がぽっかりと抜け落ちその穴には何かの繭のようなモノが収まっている。そこからバラバラと展開されたそれは再現データで何度も対峙した使徒のそれと同じ。フィールド反射膜を象っている。

 

「使徒でも…飼っとるっちゅうんか!?」

 

収束しATフィールドが中和されない光の束となり4号機の左目を焼く。

 

「ぐあっ!!なんやこれ!?避けようがないやないか!!」

 

「鈴原くん!」

 

ワシを助けようと玖号機がこちらへ向かおうとする、だがそれを拒むようにもう一機のエヴァシリーズが行く手を阻む。

その腹部に見えるのは同じく使徒の幼体。第4の使徒の腕が生えている。

 

「ピンチっちゅうこっちゃ…。死んでもこの棺は離してやらんからの!!」

 

睨むように使徒もどきであるそれを見据える。

どうなろうが関係あらへん。なんとしてでもシンジは連れ帰らんなアカン。ワシらのためにも世界のためにもッ!

 

「いつまで眠りこくっとるつもりや!!早う起きんかい!アホンダラァ!!」

 

棺を強く殴打する、だが反応は無い。

 

「綾波も式波もみんな大変なんや!さっさと戻って助けたれや!!バカシンジィッ!!」

 

「バカってなんだよ!!」

 

!?目ぇ覚ましたんか!ビックリするぐらい元気なシンジの声ぇ聞こえよったけど幻聴やないよな!?

その不安を拭うように棺にヒビが入る。

赤い光が中から漏れ出している。

 

「やっとの思いで帰ってきたら馬鹿だなんだと貶されて…。嫌になるよ…全く…。」

 

「シンジ!?シンジなんか!?」

 

「そうだよ。遅くなって申し訳ないね、トウジ。」

 

「遅うも何も…。無事で…生きとって良かったわい…。」

 

棺から腕組み仁王立ちでぬっと立ち上がったー号機には今まで見たこともない武装が組み込まれ紫の体躯に灰色の意匠、そして赤いラインが加わったなんとも仰々しい姿をしていた。

 

「迷惑をかけてごめん、心配かけたね…綾波。」

 

「ううん。こうして生きていてくれて良かった。また会えてよかった…。」

 

涙ぐむ綾波。感動の再会っチューやっちゃ。

いかんのワシもちと涙腺が緩んどる…。

 

「あとは僕が引き受ける。君達は帰投の為のシークエンスを。」

 

「「わかった。」」

 

 

「ふぅ…。連戦に次ぐ連戦…。心の傷が塞がらぬ間にこうもまた会いたくもない代物が顔を覗かせるとは…。エンジェルキャリアー。君たちの出番はもう暫く先のはずじゃ無かったかな?」

 

侮蔑の視線を目の前に佇む2機へと送る。

見た限りアルマロスの鱗らしき物は見当たらない。

だとするならこの姿がこの世界でのエヴァシリーズって事か。

突然現れた僕に驚いたのか攻撃の手を止めコチラの様子を伺っている。

 

「あの世界で救えなかったのはソウリュウただ一人だ。それが悔いだね…。」

 

エントリープラグ内はインテリアが消え体の動きをトレースできるように広い空間が広がっている。

3年という長い月日の中独自に僕の戦いを学び進化したー号機のなせる技か。

 

「ま、なんでだか知らないけど私もこっちの世界に引き込まれてしまったようだけどね…?」

 

「ふぇ!?ソウリュウ!?」

 

「久しぶりねシンジさん。いやさっきぶり…かしら?」

 

爆発四散したはずのソウリュウその人の声が響く。何処にいるのか定かではないが…。

 

「ウルフパックって言うのかしら?この子が私の情報を食ってたみたい…。」

 

繋がった映像、モニターの先にはバックパックとなっているウルフパックのエントリープラグの映像が映し出される。

そこにはアスカ、と言うよりも漆黒の髪を靡かせた赤い瞳の少女が映し出された。

 

「ん?んんん?えっと…ソウ…リュウ…だよね?」

 

「多分。でもきっと再現された私はこの子の持つ色んな遺伝子が混ざって前とは違う姿をしているんだと思うわ。」

 

「な、なるほどね…。でも良かった…生きていてくれて…。」

 

「生きてはいないんだけどね。心臓はこの子にあるみたいだしなんて言うか…。うん。」

 

「過去の僕と同じだね。兎に角、早くこの場を切り抜けて地上に帰らないと…。」

 

「そうね…。SEELE主体のサードインパクトが再び起きて歴史を繰り返す前に。」

 

再び声を上げる。

 

「エヴァンゲリオンー号機」

 

「withウルフパック」

 

「「起動!!」」

 

こうして地球に帰るための戦いの火蓋は切って落とされるのであった。




駆け足ですね。
細かく書きたいのですがなんせあまりにもやる気が起きない。

書き込めるようにもう少し意識しながら次は書いていきます。
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