忘れかけてた夢をもう一度 作:シーブック マクロスを生涯推す
少しずつですが、最初に見た時のワクワクを思い返しています。
世界中で目覚まし時計が鳴り始めた。
空には雲一つない青空が訪れている。
慌ただしく動く人もいればゆっくり動く人もいる。
今日もだれかにとって大切な一日が始まる。
しかし目覚まし時計が止まることはなかった。
なぜなら止めてくれるはずの人がいなくなったから。
目覚まし時計は"あの日"からずっと鳴り止まらなくなったのだ。
「やべぇ!今何時だ!」
変な夢を見た俺は慌てて飛び起きた。
慌てて隅に置いたスマホを探す。
時間を見ると予想以上に良く寝ていたようで約束の時間を過ぎてしまっている。
よく見ると後輩からの連絡の通知が3桁にまで及んでいる。
「マズイマズイマズイ!」
後輩がめちゃくちゃ怒っていることに気づいた俺は、大慌てで支度を始めた。この際服装なんてもの気にしてはいられない。腕時計はこれでいいか!適当に鞄の中に手当たり次第に物を詰め込んでいく。
奴の胃袋はブラックホール並みだ。恐らく俺が着いた頃には皿の山と数メートルの伝票が待ち構えているだろう。
「急げ急げ!」
俺は後輩に「すまん今から向かう!」と連絡を送ると、飛び出すようにドアノブを捻った。
「え?」
外に出た俺から思わず間抜けな声が出る。
そこは"無"だ。
ただただ広大な真っ白で何もない空間が俺を出迎えた。咄嗟にドアを閉めてしまった俺は悪くないと思う。
「落ち着け俺、深呼吸だ...」
深呼吸をして少し落ち着いた俺は恐る恐るドアを開けることにした。寝起きだったため、見間違いでもしたのかもしれない。そんな期待を胸に抱いていたがすぐに掻き消された。
そこにはやはり何もなかった。ただ白い空間がずーと広がっているだけで、外にあったアパート、ビル、スーパー、コンビニなど何もかもがきれいさっぱり無くなってしまっている。
「一体なんなんだ!これは!ドッキリか!?」
大声で叫んでみるが、何も起きない。
ドッキリ大成功の看板も無ければ、人もいない。
静寂だけがこの空間を支配している。
ふと嫌な予感が胸をよぎった。もしこの現象が
俺だけではなく、他の人にも起こっているのではないかと。
「そっそうだアイツは!?」
ふと頭をよぎったのは後輩のことだった。
アイツは無事なのだろうか?
もしくは俺と同じように困っているのかもしれない。そう考えた俺は無我夢中で電話を掛けた。コール音が鳴り響いた後に聞こえて来たのは「この電話番号は現在使われておりません」
の無慈悲な一言だった。
そんなわけがあるか!
ふざけるな!
あの子はいるんだよ!
そう何度も叫びながら俺は電話を掛け続けた。ダラダラと滝のように流れていた汗は次第に涙へと変わっていき、俺は嗚咽をあげながらも、ただ彼女が無事であることを祈りながら電話を掛け続けていは。一体何回、何十回掛けただろうか。気づいた時にはスマホの充電などとっくになくなってしまっていた。
「会いに行かないと...きっと怒ってるだろうから...お腹を空かせているかもしれないから...」
泣き疲れた俺はゆっくりとだがこの空間を歩き始めた。今の俺にあるのはただ無事であって欲しいこの思いだけだった。そしてお腹いっぱいになるまでご飯を食べさせてあげよう。この際金額なんてどうでも良い。メニュー表にある料理を全部頼んでも、酒をどれだけ飲んでもかまわない!今後の飲み会の会計全部奢ったってもいい!彼女がくれたお揃いのキーホルダーもちゃんと付けます!
「だから神様お願いです...
俺はどうなってもかまわないのです...
お願いします...どうかもう一度彼女に会わせてください...」
その時だった。俺の体を包み込むように眩くも、優しい光が降り注いだ。
試しに特殊タグを使って見ました。
使い方は難しいですが文章の表現に幅が広がるように感じます。