目覚める
アラームの音が鳴る
モゾモゾと動きながら手をあちこちに動かす
カチッ
「んー...」
軽く背伸びをしながら声を漏らす
目を開けるとそこは見知らぬ部屋
「......」
そうしてもう一度布団に潜り込む
今日は予定もないしもう一眠りつこう。夢の中みたいだし
そんなことを考えながら布団の温もりに包まれていくと
ドカーン!!!!
何かが爆発する音が耳にはいる
やけに騒がしい夢だな、と思ったが音は一向に鳴り止まない
「ぬぅ〜...」
夢の中とはいえ睡眠を邪魔されるのは気持ち良くない
少し不機嫌になりながら布団から出て、カーテンを開け音の出所を確認する
そこに映ったのは
澄み渡る青い空と住宅街
「...えっ」
思わず声を漏らす
知らない景色に戸惑ったのか?
否
見たことないのに見たことある
知らないはずなのに知っている
未だ聴こえる爆発音と銃声
そして
そうして一つの答えに辿り着き、声を漏らす
「キヴォトス...」
無意識に頬をつねる痛みが、夢ではないことを証明していた
洗面台で顔を洗い、コップに麦茶を入れ一息つく
「ふー...」
改めて外を見るが見える景色は変わらない
なぜここにいるのか、何一つわからない
自分の身に何があったかも
全身鏡の前に行き、自分の姿を確認する
「転生、ってやつか」
そこにいたのは、頭の上に星型の光輪
ヘイローを浮かべた女性
「...やっぱり、ここキヴォトスだよな」
自分の考えが悉く当たり、ため息を吐く
「...俺は死んだんだろうな。きっと」
向こうでは二十歳で学校を卒業しギリギリにはなったが内定も取得していた
友人関係も問題なく、直近では久しぶりの高校の友達と飲みにいっていたほどだ
趣味もあり、これからやりたい事も何個かあった
後世に名を残すような、偉大なことは何一つしていない
そうではなくても、俺は自分なりに人生を楽しんでいた
そうして、もうすぐ社会の一員として働くと言うところで、起きた
「もっと色々したかったんだがな...」
色々浮かんでくる
新たに挑戦したいこと
本当にしょうもないこと
実現不可能なこと
しかし、一番浮かんできたのは
「親不孝ものだな、俺は...」
今まで迷惑ばかりをかけて来た親に対する恩返し
20年生きて、これといった行動を起こさなかった
そうして、親より先にいなくなる
「ごめんなさい...」
後悔ばかり浮かんでくる
ああすれば良かった
こうしていれば良かった
いくら考えてもどうしようもない
もう生まれ変わったのだから
後悔を吐露してしばらく後
吐ききった事により、いくらか落ち着き頭が回るようになった
そうして現状を知るために情報収集を行なった
自分の事、キヴォトスの事
そうしてあらかた調べた後、机に向かいノートに書き記す
まずは自分の事
名前は
誕生日は3月7日で15歳
トリニティの中学校を先週卒業したそうだ
進学先はトリニティ総合学園
その為、近くに引越し一人暮らしを始めたそうだ
使用する武器はM1911
いわゆるコルトガバメントという
何故か二丁あった
二丁拳銃で戦うという事だろうか?
ちなみに家系について調べてみたが、普通の家だった
通帳も見つけ、確認すると数千万まではいかないがしばらくは暮らせるほど入っていた
こんなものかと思い、次にキヴォトスの事を書き記す
まず、ここはトリニティの住宅街
そして、まだ先生は来ていないらしい
となると今はまだプロローグよりも前の時間だという事になる
シャーレについても調べたが、噂程度のものらしい
連邦生徒会長についてはよくわからなかった
会長が失踪した後に犯罪率が上がったといっていたはずなので調べてみたが、誤差程度であった
もしかしたらまだいるのかもしれない
いるのならば是非接触したいところだが...
あとは確認したところ本編と変わりなかった
リフレッシュするためペンを置き、麦茶を飲みながら考えていた
これからどうするか
大きな目標は、キヴォトスに降りかかる全ての災禍を振り払い、生徒を救う
これは譲れない
しかし、それを行うには時間も、コネも
何もかも足りない
アビドスに至ってはもう
そもそも、自分の事すら知らない
それなのに、今から全ての出来事に首を突っ込んでも、帰って邪魔になるだけだろう
それに...
キヴォトスについて調べているうちにこの世界にワクワクしている自分もいた
自分の大好きな作品なんだ
当たり前だろう
「...よし、決まった」
前と変わらない
自分なりにこの世界を楽しみ
救える人を救う
ノートを閉じ、着替える
ガチャ
「いってきます」
難しいけど楽しい