彼女がゾンビになったので、俺は魔神皇に抗議しに彼の精神世界に行くよ   作:XX(旧山川海のすけ)

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第3章 鴨志田先生の世界
第12話 なんでジャングル?


 鴨志田先生は、新任の倫理の先生で。

 人気は高かった。

 すごく良い人なんだ。

 

 正義感が強いっていうか。

 

 真面目な生徒には人気があった。

 俺もまあ、嫌いじゃなかった。

 

 ……なのに。

 

「何で鴨志田先生の精神世界がジャングルなの……?」

 

 ミキの呟きに、俺は同感だった。

 イセカイナビで鴨志田先生の精神世界に踏み込んでみると

 

 そこはジャングルだったんで

 

 俺たち2人は驚いていたわけだ。

 

「これは……鴨志田先生にとって、現実の環境がジャングルみたいだったと、そういうことなのかもしれないな」

 

 俺は呟くように言う。

 

 この……

 

 湿度が高く、見たことも無いような植物が多数生えている、野生の王国を前にして。

 

 何か獣の吠え声も聞こえるから、居るだけで不安になってくる。

 

 でも、おそらくこの精神世界が一番危険度低いから。

 ここで強くなって、ハザマの精神世界に踏み込んで行ける実力を身に着けないと……

 

 正直さ、他人の精神に土足で上がり込んで、内面を見るのは良心が咎めないわけじゃない。

 

 でも、こうしないとハザマの精神に上がり込んで、本人と直接話をすることはできないし。

 ミキを強くすることも出来ない。

 

 しょうがないんだ。

 

 ……思うんだけど、多分この精神世界の主に会いに行こうとしたら、抵抗があるよな。

 俺たちは鴨志田先生にとっては心を許していない相手なわけだし。

 俺たちを排除しようとするはずだ。

 

 ……だから。

 

 この精神世界の主に会って、話をして、お礼を言う。

 そこのところを、クリアの目標にしようと思う。

 

 それが達成されたら、次の精神世界に行っても良いだろう。

 

 そんなことを、ミキに話して。

 彼女の了解をとったので。

 

 俺たちは歩き出した。

 

 

 蔦が絡まった良く分からん木を掴んで、身体を支え。

 草や落ち葉で柔らかくなっている地面を踏みしめ、進む。

 

 ……帰るには「帰還」を押せば終わり。

 そうじゃなければ、こうもジャングルを無計画には歩けないな。

 

「ミキ、足は痛く無いか?」

 

 俺はそう、つい訊いてしまって

 

(あっ、違う)

 

 そこに気づいた。

 多分、今の彼女は足が痛くなったりはしない。

 

 人間ではなくなったから。

 自分の不用意な発言に気づき、俺は罪悪感を抱いた。

 

 だけど

 

「ありがとう。大丈夫だから」

 

 彼女はそう、普通に返してくれる。

 俺は

 

「そうか」

 

 それはそれ以上、口にしなかった。

 

 そして体感1時間くらい歩いた後。

 

 俺たちは

 

「ウィリィィィィ!!」

 

 松明を持った体色白の妙な小人たち……

 

「ジャングルの王者・鴨志田サマの世界に、何を土足で踏み込んでるんだー? この妖精ウィリーが許さねえッピー!」

 

 彼ら曰く、妖精ウィリー3体に出会ったんだ。

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