彼女がゾンビになったので、俺は魔神皇に抗議しに彼の精神世界に行くよ 作:XX(旧山川海のすけ)
あれだけ集まって来ていた妖精ウィリーが数を減らしていた。
ミキのセクシーダンスで錯乱したウィリーたちが同士討ちをはじめて。
今や残り2体になっている。
「なぁ」
俺は訊ねる。
「俺の仲魔にならないか?」
俺の言葉に
錯乱している同族と殴り合いつつ、正気な方が
「仲魔になれば助けてくれるッピ?」
「ああ」
俺が頷くと
ウィリーは
「仲魔にでもなんにでもなりますー! 一生どこにでもついていきますッピー!」
叫んだ。
よし。
俺はアタックナイフを握り直した。
けど……
さすがに躊躇う。
このナイフを持っていた悪魔を倒したときは、ミキに任せてしまったけど。
自分の手を下すとなると……
だけど、客観的に見て
彼女に手を汚させ、口しか出さない彼氏。
それって最悪だろ……みっともなさ過ぎる。
見限られるぞ……
そう思ったんで。
「ウオオオオオオ!」
雄叫びとともに、錯乱している方にナイフを突き立てた。
深々とナイフが錯乱ウィリーの背中に突き刺さり
次の瞬間、刺されたウィリーは塵になって消え去った。
……やっちまった。
心のどこかで「これからは殺すという選択肢が増えた」そう囁く自分が居た。
「妖精ウィリー……契約完了、と」
妖精ウィリーを仲魔にした後。
アプリの方に通知が出たので。
召喚契約が問題なく終わったことを俺は自覚する。
そして
「ミキ、ありがとう」
俺の隣でパンツを穿いているミキに、俺は礼を言った。
彼氏としては複雑だけど、ミキがパンツを脱いでくれなかったら終わっていたんだから。
だけどミキは
「これしか無いと思ったんだよね……勝手に判断してごめんなさい」
謝って来た。
「謝らなくていいから」
俺はそう返し、先に進もうとした。
だけど
「キャー! お兄さん! クソ妖精のウィリーの大群を一網打尽にして全滅させるなんてステキ! 仲魔にして欲しい!」
「オイラもオイラも! 連れてって欲しい!」
次にまた、別の悪魔が出現して。
今度は自分から仲魔になろうとしてきたんだよね……
その悪魔は、ウィリーと同じく身長が30センチくらいしか無い悪魔で。
片方が、青色レオタードみたいな衣装を身に着けた、蟲のような半透明の羽根を持つ少女の悪魔で。
もう片方が、茶色い衣装を身に着けた、顔に鼻が無く、平らな顔をした小人の悪魔。
それぞれが、妖精ピクシー、地霊ノッカーだと名乗った。
ピクシーは背中の羽根で飛んでいて。
ノッカーはぴょんぴょんと、俺たちの足元で飛び跳ねていた。
俺としては
その申し出は断る理由も無いので了承。
……しかし。
クソ妖精って……
ウィリーって嫌われてるんだなぁ……
まぁ、なんかテンションおかしい奴だったけどさ。