彼女がゾンビになったので、俺は魔神皇に抗議しに彼の精神世界に行くよ   作:XX(旧山川海のすけ)

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第23話 先生の精神本体と対面するとき

 スフィンクスが「通れ」と言ったので。

 

 俺たちはスフィンクスの横を通らせて貰い、そのマンションの一区画に酷似した建物に入っていく。

 そしてドアを開き、中に入ろうと思ったとき。

 

 俺たちは気が付くと、道場みたいな場所にいた。

 

 そこは板間の大きな部屋で、壁に木刀が掛かってて。

 正面の壁には、神棚がある。

 

 ミキも俺と同じなのか、自分がいつこの道場に入ったのか気づいていないみたいだ。

 戸惑って周囲を見回している。

 

 その道場では、木刀の素振りをしている紺色の剣道着姿の男性が居て。

 まぁ、それは鴨志田先生なんだけど。

 

 先生は汗を掻きながら真剣に木刀の素振りをしていた。

 

 俺たちは、この鴨志田先生の精神本体にどう声を掛けていいもんか悩んで。

 しばらく黙ってそれを見ていた。

 

 すると

 

「……ここに入って来たけれど、君たちはスフィンクスを倒した気配がないね……ということは、君たちは謎かけに正解したんだな?」

 

 先生が素振りをやめて俺たちに視線を向けて来た。

 

 俺は背筋を伸ばした。

 そして

 

「鴨志田先生、助けてください」

 

 敢えて最初にそう言ってから

 

「勝手に精神世界に入り込んでしまって、大変失礼なのは分かってますが」

 

 そう、あとから詫びを入れた。

 

 

 

「……なるほど。生徒に助けてくれと言われてしまったら、僕は断ることはできないな」

 

 俺の言葉に先生はそう言ってくれた。

 そこら辺を期待してて、先にそう言ったけど。

 

 どうやらそれで良かったみたいだ。

 

 真面目な顔で

 

「話してみなさい」

 

 ……促された。

 

「ありがとうございます」

 

 頭を下げる俺たち。

 

 

 

「……うん、そうか。それは不運だったね」

 

 俺の話を聞き、先生はそう言ってくれた。

 修行目的という勝手な目的のために、精神世界に侵入して来た俺たちに。

 

「そのために、勝手に先生の心の世界に入り込んだことは申し訳なく思っています」

 

「こうするしか無かったんです」

 

 俺たちは詫びの言葉を口にしてまた頭を下げた。

 

 先生は

 

「いや、いいよ。むしろ何もしないことを良しとせず、前向きに行動を起こした君たちを僕は評価したい」

 

 穏やかにそう返してくれて

 

「ところで、助けてくれということだが……これからどうするんだい?」

 

 続けて、そんなことを訊かれた。

 俺は

 

「続けて、次は校長の精神世界に入ろうと考えてます。そこでの目標も、校長の精神本体に会うことです」

 

 正直にそう答えた。

 

 するとだ

 

 先生は少し表情を歪めた。

 まるで……

 

 心配だ、そう言うみたいな。

 

 そしてこう言って来たんだ。

 

「……どうだろう? ここで少し、剣道を身に着けてから行くっていうのは?」

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