彼女がゾンビになったので、俺は魔神皇に抗議しに彼の精神世界に行くよ 作:XX(旧山川海のすけ)
「よ、ヨータ、どう言うことだろう……? 魔界って……」
ミキは不安げマックスだ。
俺も不安だったけど、ここは踏ん張らないと。
「……良く分からないけど、異世界ってことかもしれない」
「異世界……? アニメで良く出て来るやつ……?」
不安に揺れる瞳で俺を見上げて来る彼女に。
俺は頷く。
異世界転移。
アニメだったら主人公がチートスキル与えられて、モンスター相手に無双するんだけどな。
こう言う場合は。
……現実にそうなったらそんなわけないわ。
当たり前だ。
帰りたいよ。
俺の脳裏に家族の顔が浮かんで。
強烈に帰りたいと思った。
……でもそれは、ミキも同じはずなんだ。
彼女を家に帰してあげたい。
彼氏として。
「とりあえず、電算部に行こう」
そう言って行動を起こし、彼女の不安を少しでも拭おうとしたとき。
今頃だけど、スマホの通話機能を試していないことに気づいたんだ。
なのでもう1度、自分のスマホのロックを解除した。
悪あがきかもしれないけど、家に電話を入れられるか試すために。
するとだ。
「え……?」
何か、見慣れないアプリが2つ、入ってた。
目のドアップに見えるアイコンのアプリと、サングラスのヒゲ老人の顔に見えるアイコンのアプリ。
……何だこれ?
一瞬、2つとも捨てようかと思ったけど。
何だか強烈に
これをちゃんと確認しないと終わる。
そういう思いが無根拠に湧いて。
それ以上何も考えずにタップしてしまった。
2つあるアイコンの片方……赤い目のドアップデザインのアイコンの方を。
アプリを起動させると。
メニュー画面が表示されて
アプリの名前が分かった。
アプリの名前は……イセカイナビ。
メニューにあった説明書を読むと、これは人間の精神世界に踏み込むためのアプリらしい。
……ヒトの精神世界……
興味はあった。
俺は他人の人間性に触れるのが好きで、友達を増やすのを信条にしていたくらいだ。
他人の精神世界……本音を言えば興味はある。
他人の領域に勝手に踏み込むことに、抵抗感はあるけどな。
だけど。
今は関係無いよ。
他人の精神に興味を示してる場合じゃない。
俺たちが家に帰るのが最優先だ。
しかし
アプリの機能で、現在踏み込める人間の精神を検索してみたら……
5つ名前が出たんだ。
それは……
そして
これを見たとき。
俺はこの状況をなんとかできるかもしれない。
そう思ったんだ。