彼女がゾンビになったので、俺は魔神皇に抗議しに彼の精神世界に行くよ   作:XX(旧山川海のすけ)

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第31話 雇われ校長

「校長が一体何をしたと言うんだ魔神皇の手先め!」

 

 俺は刀を抜いて正眼に構えつつ、わざとそういう言い方をする。

 真相を語らせるにはこういう言い方の方が良いだろ。

 

「ホホホホ! 大岡が何をしたか知らぬとは哀れな!」

 

 ネメシスは襲い掛かって来るニスロクを斬り捨てつつ、俺の言葉にそう返して来る。

 俺は

 

「だから何をしたと言うんだ!」

 

 さらに突っ込む。

 できればここで訊いておきたい。

 

 ネメシスを倒した後に、ハザマの幻影が逃げてしまわない保証も無いわけだし。

 

 チャンスは生かさないと

 

「大岡に訊いてみるがいい!」

 

 ネメシスはそう言いつつ、その冗談みたいな大きさの大剣で

 

 袈裟の斬撃を繰り出して来る。

 

 俺はそれを後ろに下がって避けながら

 

(鴨志田先生の稽古受けて無かったら対応できなかったな)

 

 そんなことを考える。

 やっぱ本当に強かったんだな。あの先生。

 

 ネメシスは振り下ろした剣を手首を返して斬り上げ。

 俺はその2撃目を今度は踏み込みつつ避ける。

 

 そしてそこからネメシスの胴体に横薙ぎを加えるが

 

 ネメシスは羽ばたき、跳躍力と合わせて回避した。

 

 俺はそんな、羽ばたきホバリングしているネメシスに

 

「……加害者の口から、自己の悪行を喋らせろと?」

 

 そう、なるべく不敵に見えるように笑って見せながら言ったんだ。

 

 ネメシスはそんな俺の態度に

 

「ふん……」

 

 不愉快そうに鼻を鳴らし。

 

「いいか、良く聞け」

 

 語り始めた。

 

「大岡は虐げられている少年を見捨てたのだ!」

 

 

 

 大岡校長が虐げられている少年を見捨てた……?

 

 それは一体どういう……?

 

 俺が先を促すようにネメシスを見つめ返すと

 

「……大岡はいじめに遭っている少年に、自分をいじめている不良生徒に謝るようにと言い放った」

 

 そんなことを言ったんだ。

 この女神は

 

「……は?」

 

 さすがに絶句した。

 それはおかしい。

 

 俺でもわかる。

 

 よく「いじめられる方にも原因がある」とは言うさ。

 実際、ハザマの態度は周囲を見下しているみたいで、気分は良くない。

 

 でも、だからといってハザマに暴行を加えていた不良生徒に謝れだって?

 

 態度に見下しを感じたら、暴力を振るっていい。

 大岡校長の言ったことは、そういうこったろ。

 

 ……そんなもん、絶対に間違っている。

 正しいわけがあるものか。

 

 でも……

 

「何故校長はそんなことを言ったんだ……? あんた女神ならそれぐらい分かるんだよな?」

 

 そこを確かめる。

 校長がそういうことを言ったのは、理由があるはずだ。

 

 それはとても同情できない理由かもしれないが、無いはずがない。

 

 俺のそんな言葉に

 

 ネメシスは、少し面白そうな顔をした。

 

 そして、言ったよ

 

「……軽子坂高校の校長は雇われ校長……学内でいじめが起きたとなると自分の首が危うくなる」

 

 酷く嫌悪感の満ちた口調で。

 

「ようは自己保身よ」

 

 そんな、校長の理由を。

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