彼女がゾンビになったので、俺は魔神皇に抗議しに彼の精神世界に行くよ   作:XX(旧山川海のすけ)

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第33話 本物の人間じゃ無いんだよ

 ハザマだったものが変わっていく。

 巨大な、紫色の手鏡に。

 

 その手鏡は宙に浮き、その鏡面にハザマの顔を浮かび上がらせていた……

 

 俺の言葉で、自分が本物でないことを認めなくてはいけなくなったこと。

 それは相当、この偽物のハザマにとっては都合の悪いことだったみたいだ。

 

 人の姿を捨てて、悪魔の姿に変わるなんて。

 

「……これは一体何だ?」

 

 ネメシスも困惑している。

 ……知らんかったんかアンタも。

 

 だから俺は言ってやった。

 

「アンタが従っていた召喚主は、人間では無かったんだよ。……この世界の主が想像した架空の人間だったんだ」

 

 俺の言葉に、ネメシスは明らかに困惑していた。

 

「架空だと……? 彼は、ハザマ殿は実際には居ない人間だというのか……?」

 

 うーん……

 本物の人間だと思っていたんだなぁ。

 

 なんと言うか……

 少し気の毒になる。

 

 だけどまあ。

 これはチャンスかもしれない。

 

「……そういうわけだから、アンタの役割はこの世界の主の手のひらの上だと思う」

 

 ここで畳み掛ければ、この女神を……

 

 仲魔に出来るかもしれない。

 

 そう思ったとき。

 

「オオオ……僕ハ誰なんだァァァァ!」

 

 ハザマだったものが変身した悪魔が、宙を飛び俺たちに襲い掛かって来た。

 

 

 

 紫色の巨大な手鏡が、その鏡面から闇色のエネルギー波……そういうものを放射してきた。

 俺たちはそれを避けるために駆け出す。

 

 ネメシスは羽ばたき、宙に逃れる。

 

 逃れながら

 

「雷よ!」

 

 指先を向け、そこから電撃魔法を発射した。

 

 ……したんだけど。

 

 その魔法は、巨大な鏡の鏡面に直撃し、そのまま反射して

 

 逆にネメシスを打ち据えた。

 

「グアアアアアアー!」

 

 自分の魔法を喰らって、墜落するネメシス。

 そこに

 

 手鏡の悪魔は追い縋り、倒れたネメシスに闇の魔法を……

 

 浴びせようとしたとき。

 ミキがその前に割り込んで来た。

 

 そしてその闇のエネルギーをその身で受けた。

 

 俺は一瞬、血の気が引いたが。

 

 ……その次の瞬間、それは俺の認識不足であることを思い知る。

 

 ミキはその闇の波動を弾き飛ばしたんだ。

 効いていない。

 

 それを知っていたのか、ミキは不敵に微笑んで。

 

 その手鏡の悪魔に跳躍し、その拳を思い切り叩き込む。

 

「ガアアアアアッ!」

 

 手鏡の悪魔の悲鳴。

 どうも物理攻撃が弱点みたいだな。

 

 俺はそんな彼女の一撃に合わせるように、踏み込んで

 

 夢想正宗の切っ先を、その鏡面に付き入れる。

 俺の夢想正宗はその一撃で手鏡の悪魔の鏡面を砕き、そのまま突き抜け。

 

 手鏡の悪魔はそこで、塵になって消滅した。

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