彼女がゾンビになったので、俺は魔神皇に抗議しに彼の精神世界に行くよ   作:XX(旧山川海のすけ)

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第34話 目的を達成するためには

 ハザマの偽物が変身した悪魔を倒した後。

 

 俺たちはネメシスに目を向けた。

 

 ニスロクやシルキーたち、この精神世界に存在している悪魔たちはさっきの戦闘で既に逃げてる。

 ここで彼らがいたら、先にそっちを処理しなきゃいけなかったところだよね。

 

 ……これから交渉してみようと思ってたわけだし。

 

 俺は刀を納めて彼女に近づく。

 ダメージから立ち直り、立ち上がろうとしている彼女に。

 

 彼女……ネメシスは

 地面に手を突いて立ち上がる。

 特にふらつきは無かった。

 

「……何故剣を納めておる?」

 

 ネメシスの方は、まだ戦闘が継続すると思っていたのか。

 俺はそれには答えずに

 

「アンタさ、ハザマの復讐を成就させたかったんだよな? 校長に」

 

 そこを確認する。

 彼女は俺の言葉に

 

「そのはずだった」

 

 ……やっぱ、自分の召喚主とされていたものが本物の人間では無かったというのは大きいのか。

 色々、戸惑いと言うか。

 行動目標が無くなって、動揺しているみたいだ。

 

 だったら

 

 俺は頭の中で組み上げていたことを放出した。

 

「一応言っておくと、アンタが俺に言ったこと……校長がハザマを見捨てたことは本当だ。そこに嘘は無いと思う」

 

 彼女が校長の自責の念の象徴としてここにいるなら、そこに嘘があるわけがない。

 だけど

 

「……しかし、アンタが目的を達成することはおそらくできないよ」

 

 何故って、彼女はあくまで自責の念の象徴だから。

 校長の中では「止むを得なかった」で決着がついているんだ。

 自責の念の敗北は決定づけられている……

 

 少なくとも、勝てないことになっているはず。

 

 そういう思いを込めて、俺はそう言った。

 すると彼女の顔が険しくなる。

 

 ムカついたらしい。

 その反応は予測していたので

 

 すかさず

 

「そのまんまでは」

 

 ……付け加えた。

 

 

 

「……それはどういう意味じゃ?」

 

 喰いついた。

 俺はそこで

 

「そりゃ、アンタがここに呼ばれたのは役割があるからで、その役割にアンタの勝利が含まれてないからだよ」

 

 自分の考えを披露する。

 ここにアンタが呼ばれたのは、校長軍相手に勝てない戦いを挑むことであって、校長に勝つことでは無いのだと。

 

 だから彼女が校長に勝つには……

 

「俺の仲魔になって、校長の影響下から抜け出すしか無いと思う」

 

 俺たちは外からやって来た異物。

 なので俺たちは校長の精神世界では自由に振る舞える。

 

 それは俺の仲魔も同様だ。

 

 ……どうだ?

 俺の提案、受け入れてもらえるだろうか……?

 

 正直、俺は彼女を仲魔にしたいと思っていた。

 なんて言ったって、神様だ。

 

 強力な悪魔に違いないし、それは実際に彼女と立ち会って理解していたから。

 

 俺は目に力を入れて彼女を見つめる。

 こういうときに自信を示さないと、上手く行くはずがない。

 

 数秒の勝負のとき。

 

 その結果は……

 

「分かった」

 

 ネメシスはフゥと息を吐いた。

 

「召喚契約書を出すが良い」

 

 ……やった!

 

 

 

「妾は女神ネメシス。今後ともよろしくじゃ」

 

 こうして。

 俺は所謂復讐の女神ネメシスを仲魔にした。

 

 ……後ろからのミキの視線がちょっと痛かったけど。

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