彼女がゾンビになったので、俺は魔神皇に抗議しに彼の精神世界に行くよ   作:XX(旧山川海のすけ)

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第55話 悪魔のような女

 香山先生は保健室の保険医で。

 すごい美人の先生だ。

 

 髪は長くて綺麗で。

 優雅な感じで括っている。

 

 ボディラインも完璧で、非の打ちどころがない。

 

 だからさっきも言ったけど、ファンになってる奴がマジでたくさん居る。

 

 ……この男性は、そんな香山先生の婚約者……の偽物。

 偽物って言うとアレだけど。

 矢野が考えるレプリカだ。

 

 かなりのハイスペックが伺える見た目だ。

 そんな彼が、どうしてここで拷問を受けていたのか……?

 

「あの、どうしてあなたがここで拷問をされていたんですか?」

 

 気になったから、訊いた。

 

 するとだ。

 

 男性……崎山さんが言ったことに

 

 俺は怒りで震えた。

 

 

 

「矢野さんだっけ……? 彼女は僕を誘惑して来たんだ」

 

 矢野のやつが、崎山さんを誘惑した……?

 

 矢野がどうしてそんなことをしたのか。

 俺は気になったので

 

「それは何故ですか?」

 

 反射的にそう訊き返していた。

 すると

 

「……どうも彼女、香山さんが軽子坂高校で一番の美人だって言われたことに腹が立ったらしい」

 

 矢野のやつ、男子の誰かが軽子坂高校の美人ランキングなんてものを作ったとき。

 自分が2位で、1位に香山先生の名があったことが気に喰わなかったらしいんだ。

 

 で、その腹いせに香山先生の婚約者についてどこかから調べて、寝取ろうと誘惑しに行ったらしい。

 

 あんなオバサンどこがいいの!

 私こそ軽子坂高校の最高の美少女よ、って。

 

 ……イカれてるとしか思えないな。

 

 どうも、香山先生の結婚話もついでに潰してやろうとしたようだ。

 自分の誘いに崎山さんが乗って来たら、警察に駆け込んで性犯罪者にしてやろうと思ってたみたいだ。

 

 ……どこまでも腐った女……

 

「だけど僕が彼女を全く相手にしなかったものだから、腹いせに僕をここで拷問していたのさ」

 

 そう言って、彼は悔しそうな表情を浮かべた。

 

 

 

 詳しい話を聞いた後。

 俺たちは崎山さんのレプリカを解放した。

 

 解放されたレプリカの崎山さんは俺たちに何度も礼を言って去って行った。

 

 ……まあ、意味無いんだけどね。

 彼、本物の人間じゃ無いし。

 

 解放したのはただの気分だ。

 放置すると本物の人を見捨てた気分になるからだ。

 

 ……しかし。

 

 想像以上に腐った女だ。

 何の非も無い香山先生の結婚を潰してやろうとするなんて。

 いっちゃなんだが、本当に悪魔のような女。

 

 坂本のヤツ、どんだけ目が節穴なんだよ。

 

 あんな、正真正銘の最低のクズに心奪われるなんて。

 

 ……物事には限度がある。

 崎山さんの話を聞き、俺は……

 

 坂本に軽蔑に近い感覚を持ったんだ。

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