彼女がゾンビになったので、俺は魔神皇に抗議しに彼の精神世界に行くよ   作:XX(旧山川海のすけ)

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第6話 アプリの罠

 一瞬の眩暈の後。

 

 俺たちは再び学校の怪談踊り場に転移していた。

 冷たいコンクリートの床に放り出される俺たち。

 

 傍にミキが倒れている。

 

 ……助かったのか?

 

 俺は頭を振りつつ起き上がる。

 

 あれ、一体何なんだ?

 精神世界には、化け物が出るのか……?

 

 そんなこと、全く考えていなかった。

 

 ミキ……

 

 うつ伏せで倒れている彼女を見る。

 大丈夫だったろうか……?

 

 怪我なんてしてないだろうか……?

 

 心配になったので、俺は彼女の肩を掴んで揺らした。

 

「ミキ、ミキ」

 

 大丈夫か?

 危なかったな?

 

 声掛けをする。

 

 すると

 

 ピクッ、と

 

 ミキの手が動いた。

 ホッとした。

 

「……ヨータ?」

 

 そう弱弱しい声で俺の名前を呼びながら起き上がり。

 続けて

 

「……寒い」

 

 そう言った。

 えっと

 

「……風邪を引いたのか?」

 

 今は春を過ぎて、そろそろ夏に差し掛かる季節。

 寒いなんて言葉が出る季節じゃ無い。

 

 困ったな……医者居ないぞ……?

 

 あ、いや。

 保健室に連れて行けば良いのか。

 

 あそこなら香山先生がいる。

 風邪なら何とかしてくれるかも……

 

「立てるか?」

 

 俺は手を貸そうと手を差し伸べた。

 

 だけど。

 

 突然だ。

 

 突然、ミキは俺の手に噛みついて来た。

 いや、噛み付こうとしてきたんだ。

 

 反射的に手を引っ込める。

 

 ……えっ?

 

 噛みついたミキは歯を強く嚙み合わせながら。

 自分で驚いていた。

 

「何で?」

 

 思わず洩らした俺の言葉に

 

「……なんだかヨータの手が……美味しそうに見えて……」

 

 呆然とした表情で、自分の顔を触っている。

 

「何でそんなことを思ったんだろう……?」

 

 ぶるぶる震えている。

 

 ミキ……!

 

 俺は、ヤバい、と思った。

 

 噛みつかれそうになったから。

 それだけじゃない。

 

 何だか雰囲気でそう思ったんだ。

 

 今のミキは何かまずいことになっている。

 ここで選択を誤ると、きっと俺はどうにかなってしまう……!

 

 どうすれば良い……?

 どうすれば良い……?

 

 俺は……

 

 スマホのロックを外した。

 

 異常事態。

 その答えを、俺の知識の中に求めるのは無理がある。

 

 だったらもう、こっちだろ……!

 

 突然インストールされた、この2種類のアプリを……!

 

 目玉のアイコンの方の「イセカイナビ」は説明書は一読してる。

 だけど、サングラス老人の顔のアイコンの方のアプリはまだ見てない。

 

 こっちが何のアプリなのかまだ知らないんだ。

 

 俺はそっちをタップした。

 

 すると……

 

『悪魔召喚プログラム』

 

 そのアプリの名前はそういう名前だった。

 

 説明書によると「魔界や精神世界には、人間以外の知的存在である悪魔が徘徊しています。このアプリはそんな悪魔を仲魔にし、使役して危険な魔界や精神世界を踏破していくために用意しました」とあった。

 

 ……ちょっと待て。

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