彼女がゾンビになったので、俺は魔神皇に抗議しに彼の精神世界に行くよ 作:XX(旧山川海のすけ)
第62話 創作物だろ?
学校の方に戻って来て。
俺たちはオカ研に向かった。
オルフェノクって何なんだ?
「こんにちはジンさん」
「無事だったか! ……どうだった?」
オカ研の部室に入ると。
嬉しそうにジンさんがそう言って俺たちに視線を向けて
「あら」
アヤメさんが、ミキを見て目を丸くした。
ミキは頭を下げる。
「おかげさまで、オルフェノクになったので外見は元に戻りました」
その手に飲みかけの牛乳の紙パックを握りつつ。
……ここに来るまでに、買ったんだ。
サキュバスのときは飲めなかったから。
今は飲める。
外見も最初に戻った。
ただ、怪人に変身できるようになっただけ。
「ジンさん、オルフェノクってどんな悪魔ですか?」
俺の問いに
「それは人類の進化形だな」
ジンさんは即答した。
真剣な目で。
……人類の進化系?
「オルフェノクはオルフェウスとエノクの合成語で、平成仮面ライダーの怪人枠だ」
ジンさんは熱っぽく語った。
なんでも。
オルフェノクというのはとある仮面ライダーの怪人枠の存在で。
1度死を迎えた人間が、その死を受け入れられずに怪人として蘇生した存在らしい。
人間体と怪人体を持ち、怪人体のときは自身の影に人間体の顔を浮かび上がらせて話す特徴がある。
……矢野と戦ったときと同じだ。
「お前の彼女さん……ミキさんは、それになったんだと思う」
ジンさんのその言葉に
「いや、でも」
俺は口を挟んだ。
流石に。
あまりにも突拍子が無いように思えたから。
「それ、仮面ライダーの話ですよね?」
俺のそんな言葉に
「創作の話だ、って言いたいのか?」
ジンさんは真顔で返して来た。
「この悪魔召喚プログラムで扱われている悪魔って、神話や伝説、歴史上の偉大な人物のことだよな?」
ジンさんのその言葉に俺は頷いた。
あとからじっくり説明書きを読み返すと、確かにそんなことが書かれていた気がする。
「だったら、平成仮面ライダーの怪人枠が悪魔になっていても問題無いだろ」
俺の様子を見て、ジンさんはそう言い切った。
「ちょっと待って下さい」
そこで俺は再び口を挟み
「……それ、テレビ番組じゃないですか」
「……だから?」
俺の反論、テレビ番組の創作物が悪魔化しているのはおかしいという言葉に
「お前は架空の存在だろと言いたいのだろうけど、スフィンクスの例を忘れたのか?」
ジンさんが返した言葉。
俺はそれに、ハッとさせられた。
確か……
アヤメさんの話では、スフィンクスは元々エジプトで信仰されていた守護獣で。
それがギリシャに話として渡って、内容が歪んで人を襲う怪物になったって。
元々のエジプトの方は、そういうような存在が居て、それが信仰されていた。
それがギリギリ成り立つと思う。
だけど……
ギリシャの方は、エジプトの信仰を元ネタにした創作物……!
元々、ギリシャにはスフィンクスなんてものは無かったんだから……
そうか……
そういうことか……!