彼女がゾンビになったので、俺は魔神皇に抗議しに彼の精神世界に行くよ   作:XX(旧山川海のすけ)

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第63話 行くぞ! 魔神皇の世界へ

「オルフェノクって致命的な何かがあるんでしょうか?」

 

 俺の問いに。

 ジンさんは顔を少し曇らせて

 

「……アヤメ、ちょっとヨータの彼女さんを」

 

 引き離して。

 そう言って

 

 アヤメさんは

 

「分かった」

 

 ミキを連れて、部室の外に出て行く。

 

 ……その場には俺とジンさんだけになる。

 

「えっと」

 

 ミキをこの場から外したということは

 

「オルフェノクは」

 

 話してくれた。

 

「……ひょっとしたら短命の可能性がある」

 

 ミキに聞かせるのには酷な、残酷な可能性を。

 

 

 

「テレビ版の設定では、オルフェノクは急激な進化の負荷に身体が耐えられなくて、短命であるって設定だった」

 

 オルフェノクは短命。

 人間が進化した存在なのに。

 

 なので、オルフェノクたちはそこから逃れるために……

 

「オルフェノクは人を襲うんだ」

 

 なんでも。

 オルフェノクの王を覚醒させて。

 覚醒した王に救って貰わないと、オルフェノクはいずれ死に絶える定めを背負った怪人なんだそうだ。

 

 オルフェノクは自分で目覚める以外にも、オルフェノクによる使徒再生という行為で人間をオルフェノクにすることができる。

 しかしその行為はほぼ失敗し、ただ殺してしまうだけに終わる。

 

 なのでオルフェノクは生き延びるために、王の覚醒を狙った殺人を繰り返す宿命を背負った怪人なのだ――

 

「なるほど」

 

 大体分かった。

 

 ……これはミキには聞かせられないな。

 もしミキが進化の果てに到達したオルフェノクも、そんな致命的な欠点を抱えているのだとしたら……

 

 それは、どうすればいいんだろうか?

 

 

 

 一応、部室を去るときに

 

 悪魔としてのオルフェノクは違うかもしれない。

 あと、劇場版のパラダイスロストの設定ではおそらくこの設定は無い。

 

 そう言ってフォローしてくれていたけど。

 

 テレビ版の設定のままの可能性も、むろんあるんだよな……?

 

 俺は……

 

 黙っていようと思った。

 そしてもし、彼女にその兆候が出たときは……

 

 そのときは教えようと思った。

 

 今教えるのは、彼女に余計な不安を与えるだけだから……

 

 

 

「ヨータ、行こう」

 

 そして俺たちは。

 再び、階段の踊り場に来ていた。

 

 思えば……

 

 ここで俺が、アプリの罠に気づかないで、いきなりハザマの精神世界に乗り込んだのがはじまりだった。

 

 そこに危険が待って居るなんて、欠片も考えていなかった。

 それが今、俺たちは危険性を熟知し……

 

 全てを知って、乗り込む。

 

「ああ、行くぞ」

 

 俺は頷く。

 スマホを取り出し、イセカイナビを起動して。

 

 

 

 今度は辿り着く。

 ハザマの精神体に。

 

 そして本人と会話をして……

 

 学校を元の世界に戻させるんだ!

 

 

 

 俺はそう誓いながら。

 ハザマの名前をタップし、彼の精神世界に乗り込んだ。

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