彼女がゾンビになったので、俺は魔神皇に抗議しに彼の精神世界に行くよ 作:XX(旧山川海のすけ)
ハザマが何を思ってこの学校にやって来たのか。
理解した。
辛かっただろうと思う。
だけど……
だからといって、俺たちが魔界に堕とされていい理由にはならない。
納得できるか。
ハザマが排斥されたのは、事情があったとはいえ、ハザマ自身に原因あるだろ。
この学校に馴染もうとしなかったから、排斥されたんだ。
父親に逆らえなかったのは理解できるけど……
逆らえなければ、全ての責任が免除される、ってなら
誰もハザマを庇ったり守ろうとしなかったことも、自分の立場を危うくしてでもハザマを守る意味が本人に無かった。
これで正当化されるはずだ。
違うのかよ……?
他にもある。
言いたいことは。
……今の俺なら、ハザマの精神本体とフェアに会話できると思う。
俺はミキに視線を向けた。
「ミキ、行こう」
「うん」
……ミキは俺の目を見つめ、頷く。
その様子に、香山先生……ハザマの想像上の香山先生が
「ハザマくんは孤独な子なの」
そう悲し気に呟く。
……香山先生がここの番人なのは、ハザマにとって味方と呼べるかもしれない最後の人が香山先生だから、だろうな……
本当の香山先生では無いけど
俺たちは
「では、俺たちはハザマと会ってきます」
「頑張ります」
そう頭を下げて。
その、特別監獄を後にした。
その後。
何度か強力な悪魔の襲撃を受けたが。
俺たちはもう1つの特別監獄に辿り着く。
ハザマの精神本体が存在する場所に。
アアアアアアッ!
ライオンと狼、そして馬の頭という三面を持ち、黒いボンテージで身を包んだ姿の女悪魔が、俺の斬撃で倒されて消えていく姿を見つめつつ
「……ここだな」
「そうだね……」
俺の言葉に、怪人体から人間体に戻ったミキが頷きつつ返してくれた。
その部屋は、特別豪華な部屋には見えない。
ただ「特別監獄」とプレートに書かれているだけ。
ここがハザマの精神世界で、主の心の在り方が世界に影響する。
主のいる場所がこうも飾り気が無いのは、ハザマ本人が決して邪悪な人間ではないことの表れかもしれないな……
だけど……!
俺はそう思いつつ、その特別監獄の鉄扉に手を掛けた。
そして一度、ミキに目を向けて
彼女が頷いてくれたので、その扉を……
力いっぱい、開け放った。
「……よくも我が精神の奥深くにまで入り込んでくれたな……」
特別監獄の扉を開け放った瞬間。
俺たちが居る場所は、全然別の場所になっていた。
そこは宇宙の始まりのような場所で。
光と、闇に満ちている気がした。
そこらじゅうに、
靄が掛かり
俺たちを囲むように、謎の白い球体がたくさん浮かんでいる……
そしてハザマ本人は、その空間の中央に浮かんでいた。
超越者のオーラを発しながら。
俺たちを厳しい目で睨みつけて