彼女がゾンビになったので、俺は魔神皇に抗議しに彼の精神世界に行くよ 作:XX(旧山川海のすけ)
「ふざけるなあああああああ!」
俺は思わず叫んでいた。
危険な魔界や精神世界は、だって!?
何でその言葉をイセカイナビの説明書に書いておかないんだ!?
こっちを一緒に読まなかったお前が悪いとでも言いたいのか!?
悪意があるだろ!?
怒り狂って暴れそうになったが、俺はなんとか怒りを抑え込んだ。
説明の続きを読む。
そこには悪魔の定義が延々書かれていた。
悪魔とは、人間以外の知的存在の総称だとか。
神話に出て来る神や悪魔、怪物のことだとか。
色々書いてたけど、全部読み飛ばした。
俺が欲しい情報……彼女のための情報は書いて無いか……?
目を皿のようにして欲しい情報を探す。
必死だった。
そして
「普通では交渉できないような凶悪な悪魔も、悪魔召喚契約を結んだ場合、仲魔として使役できる」
気になる一文を見つけた俺は、思わず音読していた。
……なんとなくだけど、今のミキは悪魔になりかかってるんじゃないか?
そう思うんだ。
人間以外の知的存在、ってところに引っ掛かったんだ。
今のミキは、人間じゃ無いものになりつつある気がしたから。
本当に直感だ。
召喚契約……
どうやってそれをするんだ……?
メニュー画面に戻る。
多分何かあるはずだ。
すると
「あった!」
召喚契約というボタン。
俺は即座にタップした。
「寒い……お腹減った……」
ミキは目をギラギラさせ、頭を抱えてぶるぶる震えている。
マズイ……
このまま放置すると、多分取り返しがつかない事態になる。
召喚契約ボタンをタップすると、何か良く分からない言語で書かれた契約書みたいなものの画像が表示された。
……これをどうしろと?
あちこちタップしまくると、右下隅にある空欄がアップになった。
……多分ここ、署名欄だ!
「ミキ!」
俺は自分のスマホを差し出す。
そして言った。
「この画面に、お前の名前をサインしろ!」
「ヨータ……?」
ワ、ワカッタ。
なんだか彼女の言葉に強さが無い。
猶予は無い気がする。
早くしてくれ……!
ミキが俺のスマホを手に、自分の名前を指先で書く。
早く、早く……
もどかしい気持ちで見守り。
そして
突然、ミキの顔から苦しみが消えた。
……間に合った……?
「……急に寒くなくなって、お腹も減らなくなったよ……」
不思議そうな顔で俺にスマホを返して来るミキ。
俺は胸を撫でおろした。
とりあえず、今の危機は去ったのか。
ミキから返してもらったスマホを操作し、俺は悪魔召喚プログラムの把握をするために再度メニュー画面に戻った。
するとだ。
「……お報せ?」
そういう通知が来てて。
そこをタップすると。
こんなことが通知されたんだ。
『あなたは屍鬼ゾンビちゃんを仲魔にしました!』