彼女がゾンビになったので、俺は魔神皇に抗議しに彼の精神世界に行くよ 作:XX(旧山川海のすけ)
「お前さ、本当に自分のことしか考えて無いよな」
俺たちの話で動揺し、震えるハザマに
俺は決断し、言うべきことを口にした。
断定するのは良くないが、そうしないと俺がハザマに言いたいことが伝わらない。
そんな俺の言葉に
ハザマはハッキリと、怒りを目に浮かべてこう言い返す。
「……だから何だ? 僕の行動に問題があったから、学校の奴らを許せというのか……?」
その怒りに震えている声に。
俺は
「そうじゃねえよ」
さらにそう返した。
お前に問題があったのだから学校の奴らを許すべきだ。
そうじゃない。
俺が言いたいことは。
第一、その理屈だと
俺の方が酷い目に遭ったんだ!
学校の奴らに与えた被害なんて何だ!?
そういう、不毛な被害合戦にしか行かない。
そんなことには何の意味も無いんだ。
そんな、比べようもないことを比較することには。
だから俺はそうキッパリと返す。
すると
「わけのわからないことを言うな!」
ハザマは激昂する。
理解できないのか……
頭良いんだろお前……?
きっと理解できるはずだろ。
分かりたくないのか。
ひょっとして。
「そうじゃ無いなら何だ!? むしろ学校の奴らの方が被害者だから、謝って罪を償えとでも言うつもりか!?」
そうでもない。
俺は謝れなんて言ってない。
だから
「そんなことは一言も言ってないだろ! お前、頭良いんだろうが!」
強くそう言い返した。
その言葉が引き金になったのかもしれない。
「オオオオオオオオオオ!」
ハザマは吠えた。
俺の言葉に怒りを覚え、制御が難しくなり。
そのために抑えきれずに
……俺はそこに、幼稚さを感じた。
ハザマって、学業はトップクラスだけど
精神の成長がそこまで進んでいないのかもしれない。
そして俺のそんな考えは
そこからハザマが変じた悪魔の姿で裏付けを得た気がする。
叫びと一緒に、ハザマの身体が膨張し。
身長が数メートルある巨大な赤ん坊の姿になる。
肌の色は病的に白く。
背中に蝙蝠の翼を備え、尻に爬虫類の尾を持つ巨大な赤ん坊……
その目は通常の赤ん坊が備えている愛らしさなんて欠片も無くて。
あるのは、周囲に向ける強い憎悪を宿した赤い瞳のみ。
「罪から逃れようとする罪人どもめ! この私の手で思い知らせてくれるわ!」
そしてその赤ん坊の右目から。
裸のハザマの上半身が生えている。
俺の予想は当たっていた……
ハザマの心は、赤ん坊からほとんど成長していないのかもしれない。
だから他人を思いやるのが不得意で。
そしてそれゆえに純粋なのか。
戦うために、悪魔の姿に変じたハザマは
俺たちを強く睨みつけ、吠えた。
「覚悟するがいい!」