彼女がゾンビになったので、俺は魔神皇に抗議しに彼の精神世界に行くよ   作:XX(旧山川海のすけ)

76 / 78
第76話 その後の軽子坂高校は

「ヨータ、帰ろう。放課後だし」

 

「ああ、そうしようか」

 

 ミキが隣のクラスから俺を迎えに来たので。

 俺はさっさと荷物をまとめ、席を立つ。

 

 ……解放後、俺たちは日常に帰っていい許可を貰えた。

 

 さすがに夢想正宗は取り上げられてしまったけど、悪魔召喚プログラムとイセカイナビについては、引き続き保持を許して貰った。

 

 悪魔召喚プログラムに関しては。

 

 ミキのことがあったので、それを取り上げると何が起きるか分からないからという気遣いがあったらしい。

 

 ただし……

 

「悪魔を悪用して何か犯罪行為を行ったと判断されれば、最悪警告なしで殺害される可能性があることは自覚してください」

 

 そう、釘を刺された。

 さすがにゾッとしたよ。

 

 イセカイナビに関しては。

 

 消そうとしても消せないので、しょうがないので認められた形だ。

 ……これはこれで、危険なアプリなんだろうけどな。

 

 多分、その気になれば気に入らない人間を廃人にすることも可能だと思うんだ。

 

 何故って……

 

「あっ、天川さん……」

 

 廊下で俺たちがポニテのクソ女・矢野のヤツに遭遇したとき。

 矢野の顔色が明らかに悪くなった。

 

 ……ミキに対して、怯えている様子を見せてんだな。

 

「どうしたアキコ?」

 

 隣に立ってるイケメン彼氏の坂本が、なんだか動揺している矢野に気遣いの態度を見せてる。

 

 矢野は

 

「あ、リュウイチくん。別に何でもないのよ。気にしないで」

 

 そう言って、微笑むけど……

 

 そこにミキに対する怯えがあるのは俺には分かった。

 

「矢野さんは今から帰り?」

 

 ミキはニコニコしながら矢野にそう問いかける。

 矢野は引き攣った顔で頷きながら

 

「ええ、これからリュウイチくんと一緒にカラオケに行く予定なの」

 

 そう言って。

 その後、リュウイチを引っ張るように、逃げるように俺たちの前から消えていく。

 

 ……深層心理で、自分はミキに危うく殺されそうになり、土下座して温情で見逃して貰ったと理解してんだな。

 だから理由は分からなくても怖くてたまらないのか。

 

 ミキとしてはどう言う心境なんだろうな……?

 彼女、口には出して無いけど。

 

 気分いいのかな……?

 それとも、重荷が取れたと思ってるのか。

 

 ずっと、理不尽に苦しめられた相手ではあるんだし。

 

 俺はその辺の確認は取ってない。

 彼女も言いたく無いだろうしな。

 

 

 

 ちなみに、学校が魔界転移した事件のことは、世間ではウイルステロが起きたということになっていて。

 真相については絶対に口外するなということになっている。

 

 どうも俺たちがヤタガラスに連れていかれた直後に政府の人がやって来て、学校の人間全員にそう伝えたらしい。

 破ったら、あらゆる手段を使って必ず処罰するとも言ったようだ。

 

 そりゃそうだよな。

 本当のことなんて発表できるわけ無いし。

 

 むしろ俺たちを口封じに消さないだけ、温情があるとすら言えるんじゃないのかな?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。