彼女がゾンビになったので、俺は魔神皇に抗議しに彼の精神世界に行くよ 作:XX(旧山川海のすけ)
第8話 軽子坂高校オカルト研究会
屍鬼ゾンビちゃん……?
それを文字で見た瞬間、俺は心臓が闇に沈むような感覚を味わった。
ゾンビ……ゾンビかよ……!
俺の脳裏に、俺の手に噛みかかってきた姿と、さっきまでの飢えに苦しむ姿が蘇る。
……どうしようもなく、納得できた。
俺のせいだ……
俺のせいで、ミキがゾンビに……!
罪悪感、自分への怒り、そしてミキへの申し訳の無さ……
「ゴメン!」
俺は思わず這いつくばって額を床にこすり付けていた。
これ以外、彼女に取るべき行為が思いつかなかったんだ。
俺はゾンビになったミキに対して責任を取るつもりだった。
どうすれば良いのか分からない。
元に戻す方法があるなら、何でもする……!
そんな俺に対してミキは
「……別に良いよ。ヨータ……」
少しだけ間があったけど。
そんなことを言ってくれた。
信じられなかった。
許せるようなことでは無いはずなのに。
俺は彼女の顔を見た。
彼女は……
少し、寂しそうに笑っていた。
「こんなこと、予想しようも無いし」
そしてこう続けた。
「そもそも、ついて行くことを決めたのは私。……ヨータを責めるのは筋違いでしょ」
ミキ……!
そうだよな、なんて
言えるわけが無い。
俺は彼女の手を掴んだ。
多少強引に。
そして抱き寄せて
強引にキスをする。
彼女は驚いていたけど……
少しだけ、嬉しそうにしてくれた。
……これが俺の覚悟だ。
何が何でも彼女を人間に戻す方法を見つけるし。
それまで、絶対に一緒にいる……!
「ヨータ、どこに行くの?」
「旧校舎」
校舎の外に出て俺たちは、学校の敷地内、校庭を横切っていた。
ひっそりと建てられている木造2階建ての旧校舎。
そこに行くために。
そこには、俺の友達が部長をやってる部活がある。
彼なら、今の状況に何らかのヒントをくれるかもしれない。
校庭の広さなんてたかが知れているので、すぐに俺たちは旧校舎に辿り着いた。
床板を踏みしめるとギシギシ言うので、大丈夫なのかと思うけど、ここに部室を構えて部活やることが認められているんだから多分大丈夫なんだろうな。
部室は1階にあった。
張り紙がしてある。
『軽子坂高校オカルト研究会』
「ジンさん居るかい?」
そう言いつつ引き戸を開けると。
中には一人の男子生徒が呆けたような様子で椅子に座っていた。
彼の名は
わりとガッシリした体格の、エネルギッシュでしっかりした男子生徒。
学年は3年生。
つまり、先輩だ。
オカルト研究会なんて陰キャ全開の部活動で部長をやってる彼だが、キチンと現実の女の子にも興味持ってて。
彼女持ち。
(ちなみに相当な美人)
性格は明るくて、社交的。
一般常識的にオカルト研究会に入りそうにない性格なんだわ。
成り行きで知り合って、どういう人間かを知っていくうちで「イメージと全然違う人だな」と思い知った思い出がある。
そんな彼が俺に気が付き
「ヨータか。何の用……? アヤメならいないぞ? ちょっと購買部の様子を見に行ってるから」
アヤメというのはジンさんの彼女さんの名前だ。
無論、今日ここに来たのはジンさんの彼女さんに会うためじゃない。
「ジンさん。ちょっと話があるんだ」
俺は話を切り出した。