カンピオーネ!~二つの前世を持つ神殺し~   作:颯真

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 ワルブレのアニメ化決定に衝動が抑えきれず私の好きな作品をクロスさせてみました。
 完全に私好みの作品になってしまうので、それでもOKな人だけ読んでみて下さい。
 意見など頂ければ嬉しいです。


プロローグ

 緋無月蓮(ひなづきれん)には前世の記憶がある。

 それも一つではなく二つの記憶が。

 一つの前世で彼は一騎当千の剣士。幾千幾万の大軍をたった一人で斬り伏せ、数多の魔獣を討滅した。

 もう一つの前世で彼は魔術を極めた禁呪保持者(グリモアホルダー)。多くの国を滅ぼし、多くの人間に畏怖され、世界を相手に抗い続けた。

 前世の記憶は夢という形となって現れる。

 その夢の中で―――

 蓮はある時は剣士として。

 ある時は禁呪保持者として。

 どちらが先でどちらが後であったのかは分からない。

 思い出す記憶は断片的なものでしかなく、偏りもある。

 しかし間違いなく――――蓮には二つの前世の記憶があったのだ。

 そしてその前世において振るった比類なき力をこの現世でも使うことが出来た。しかしそれだけであったなら、彼はまだどこにでもいる普通の少年として生きていけたかもしれない。

 力をひた隠していけば、ただの一般人として社会の中で人生を謳歌できたかもしれない。

 だが、やんぬるかな。運命とは力ある者を放っておいてはくれないものなのだ。

 二つの前世で幾度となく闘い続けた彼は三度目の生を受けた現世でも闘争の宿命に巻き込まれることになったのだ。

 そう―――

 まつろわぬ神と神殺しの魔王の闘争に。

 

 

 ――△▼――

 

 

 東京都某所に建つ古風な雰囲気を漂わせる一軒家。しかしこの家かなりの面積を有している。家のすぐ後ろに道場がありそことは渡り廊下で繋がっている。

 今この道場に人影は一人しかいない。稽古着に身を包み右手に木刀を持っているものの構えることもなく自然体で佇む黒髪の少年。

 彼の名は緋無月蓮。

 日本の高校に通う学生であり、現代に生きるカンピオーネの一人だった。

 しかし、彼の容姿を見て一目で彼をそうだと見抜ける人間は少ないかもしれない。

 というのも、彼の容姿を簡単に述べればこうなる。腰まで届く長い髪。中性的な顔立ち。十二・三歳位にしか見えない男子高校生としてはあまりに小柄な体格。

 こういった諸々の事情によって初対面の相手には必ずと言っていいほど年齢と性別を間違えられるのが目下蓮が抱える一番の悩みであった。

 体格はどうにもならないにしろ、せめて髪は切ればいくらかマシになるかもしれないと蓮自身何度も思っているのだが、それは彼の養母兼師匠が許可してくれない。

 そもそも蓮の髪はその養母兼師匠によって伸ばされたものだった。以来彼女は断固として髪の散髪を許してくれない。

 普通ならば神殺しの魔王を束縛するなど出来るはずもないのだが、そこはやはり長年面倒を見てきた保護者の威厳というものなのかもしれない。

 蓮としても今に至るまで育ててきてもらった恩があるためあまり強く出られない。

 まあ、最近はこれはこれでいいかという気持ちも芽生えつつある。先に挙げた二つ以外に特に不都合があるわけでもない。

 静謐な空気が満ちる道場の中、蓮は実にゆったりとした動作で足を一歩踏み出した。

 次の瞬間――――

 ヒュッという道場の静寂を切り裂くかのような風切り音が鳴った。

 蓮の木刀が横に一閃され空気を切り裂いたのだ。そのまま続けざまに蓮は木刀を振るっていく。袈裟切り、切り上げ、唐竹割り、技を繰り出すたびに剣速が増し、やがて彼の体そのものが颶風となったかのようだった。

 締めに力強い踏み込みから繰り出される突きを放ちそのまま残心。

 ふーっと息を吐き構えを解いた。

 時計を見やるともうすぐ七時を回る頃だった。そろそろ朝食の時間となる。朝の稽古はここらで切り上げ支度の手伝いに行くとしよう。

 こうして今日も緋無月蓮の一日が始まるのであった。





 意見・感想お待ちしています。

 あともし登場させてほしい神がいれば考えます。

 それでは。
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