G×S!夕陽が紡ぐ世界   作:乱A

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(`・ω・)お待たせしました、本編に戻ります。


第十話「”一人”の姉妹」

 

今日は新しい友達が出来た、魔族の女の子「ネリネ」ちゃんと神族の女の子「シア」ちゃん。

それぞれの家に帰って行ったけど、あの子達なら忠夫とも友達になってくれる筈だ。

                 ・

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『忠夫…その怪我…』

 

忠夫は頭に包帯を巻いていた、たぶん楓が…

 

『へへっドジだよな、転んじまった』

 

嘘なのはわかってる、だから僕もその嘘に付き合った。

 

『まったくだ、このドジ』

『ははは…』

 

ムリをして笑っている忠夫に僕は被っていた帽子を忠夫の頭に被せた。

 

『わっ、何だよ稟。……稟、この帽子…』

『忠夫にやる』

『何言ってるんだ、この帽子は稟が父ちゃんに買って貰ったって言ってた大切な帽子じゃないかないか。貰えないよ』

『いいんだ』

『でも…稟の父ちゃんの形見だろ』

『僕があげたいんだ、今はこんな事しか出来ないから…。約束したよな、僕達一番の親友になろうって』

『…ああ、一番の親友だ。ありがとう、大事にするよ』

 

忠夫はそう言いながら帽子を被り、照れくさそうに笑った。

                 ・

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                 ・

《今度は友達も紹介出来そうだな》

 

ガヤガヤ、ザワザワ

 

何だろう、あの大きな木がある空き地の方が騒がしい。

 

『何があったんだ?』『爆弾が爆発したらしい』『誰か子供が巻き込まれたらしいって』

 

ドクン

 

何か変だ、向こうに行きたくない、でも行かなきゃいけない気がする。

 

ドクン、ドクン

 

歩いて行くと誰かが泣いていた、あれは孤児院の菊山先生。

何か見覚えのある帽子を持っている。

 

ドクン、ドクン、ドクン

 

一緒にいる幹夫おじさんも泣いている、何で?…

 

ドクン、ドクン、ドクン、ドクン

 

目の前が歪んでくる、何で僕は泣いてるんだろう?

いやだ、逃げ出したい、そこに行きたくない。

 

ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン

 

なのに足が勝手に動く、行きたくないのに、逃げ出したいのに。

 

ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン

 

僕に気づいた菊山先生が手に持っていた焼け焦げた帽子を差し出してきた。

忠夫にあげたはずの帽子を……

 

『嘘だ…』

 

ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン

 

『嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ』

 

『稟君……』

 

僕をやさしく抱きしめてくれた幹夫おじさんも小さな声で泣いていた。

 

『嘘だ……嘘だぁーーーーー!!』

 

 

その叫びに答えてくれる人は誰も居なかった……

 

 

 

 

第十話「”一人”の姉妹」

 

今日は二学期最後の日。

終業式の後のホームルームに撫子は生徒達に話をしていた。

 

「とにかく、アルバイトしようと『純粋』異性交遊しようとかまわないが私から言う事は唯一つ、節度ある行動をする様に」

「勿論ですとも先生」

「ほう、一応自覚はしているようだな緑葉。自ら認めるとは」

「俺様の行動は何時だって純粋ですよ。ただ、相手の女性が他人の恋人や人妻だと言うだけで」

「その不純な行動を慎めと言っているんだ!」

 

もはや恒例となった紅女史と樹の漫才も終わりをつげ、後は最後の挨拶を残すだけとなった。

 

「では、今学期はこれにて終了。解散」

 

ワアアアアーーーーーーーー!

 

クラスの中は歓声に湧きかえるが麻弓は…

 

「麻弓」

「…何でしょうか……」

「まあ、補習は来週からだ。それまでプールなどでリフレッシュしておけ」

「はいなのですよ…」

 

赤点から逃げられなかった真弓が力無く応える。

 

「それと、横っち」

「…何でしょうか……」

「その。何というか…挫けるな、いい事もきっとある」

 

紅女史はそう言って素敵な笑顔でサムズアップした。

そう、未だ横島の体は女のままであった。

 

 

 

 

 

 

「はぁ…」

「忠夫さま、元気を出して下さい」

「そうです。明日からは待望のプール開きなんですから」

 

帰り道、落ち込んでいる横島をネリネ達が慰めている。

 

「楽しみにしていてねヨコシマ。私のビキニで悩殺してあ・げ・る♪」

「そう言えば忠夫くんの水着はどうするの?」

「フォっちゃんが何とかしてくれると言ってたよ」

「フォっちゃん?」

「向こうじゃ魔界の最高指導者をサっちゃんと呼んでたと言ったら『じゃあ、私の事はフォっちゃんで良いよ♪』と言ってたから」

「……サっちゃんってまさかサタ……じゃあ、神界は…」

「キーやん」

「……キ、キリ………」

「ならお父さんはユーやん?」

「ああ、そう呼べと言ってたな」

「フォっちゃんとユーやん。私もそう呼ぼうかな」

「でも、何となくお似合いっス!」

「確かに魔王や神王という呼び方よりは似合ってるわね」

「……でも、どうせならお義父さんと呼んで下さった方が……」

「…何か言った?」

 

ネリネは小さな声で呟いたが、タマモは聞き逃さなかった。

 

「い、いえ何も…」

「全く、油断も隙もない」

 

 

 

 

そして、翌日。

 

「り、稟……」

「何だ…」

「俺様は今、生きている事に心から感謝してるよ」

 

樹は目から涙、鼻から血を流しながら語っていた。

何しろ目の前には楓、桜、シア、ネリネ、プリムラ、タマモ、亜沙、カレハ、(ついでに)麻弓の眩い限りの水着姿があるのだから。

 

「ついでで悪かったわね!くらえ、『なにがなんでもくらぁっしゅ!』」

 

ぐはあっ!

 

「そう言えば忠夫は?」

「あら稟、私達よりヨコシマの水着が楽しみ?」

「そ、そういう訳じゃ」

 

ザワザワザワ

 

突然ざわめきがして来たのでそちらを見てみるとバスタオルに体を包んだ横島がやって来た。

 

「やっと来たのね。さあ、その水着姿を待ち望んでいた稟に見せてあげなさい」

「タ、タマモ。そういう人聞きの悪い事は…」

 

横島は稟を一度ジロリと睨みつけるとため息を一つ吐き、諦めが付いたのかバスタオルを外す。

 

すると……

 

シ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ン

 

少しの間静寂に包まれるが次の瞬間。

 

『ほああああああああああああああああああああああああああああああああ!!』

 

男子生徒の絶叫が辺りに木霊した。

 

「た、忠夫……」

 

稟は信じられないような物を見るような顔をしながらも頬を紅く染め。

 

「ブラボー!ブラボー!グッジョブ!グッジョブ!GJΣd」

 

樹は鼻血を滝のように流しながら喚き立てる。

 

「ホーーーーーッ!紺色の旧スクに【ただお】とひらがな書きのゼッケン!更にはその文字も豊満な膨らみによって横に伸びきっている!正しい、正しいです!Correct!」

「千百合ちゃん、落ち着いて!」

 

そう、フォーベシイが横島にと選んだ水着はあろう事か旧スクだったのである。

 

「信じた俺がバカだった……」

 

横島は冷ややかな目のままネリネ達の所まで歩いて行くとフェンスの外にある草むらに話しかける。

 

「そこに居るんだろ、出て来いフォっちゃん」

 

そう言うと草むらの中からカメラを抱えたフォーベシイが出てくる。

 

「い、いや~。に、似合ってるよ忠夫ちゃん」

 

だが、その顔は冷や汗でダラダラだった。

横島はそんなフォっちゃんを凍りつく様な目線で見つめると指さしながら大声で叫ぶ。

 

「ネリネ、キミに決めた!」

「はい、決められました」

「ま、待ってくれないか忠夫ちゃん…」

 

フォっちゃんは真っ青な顔で後ずさっていくが。

 

「行けネリネ!「せきか」だ!」

「はいっ!す~~う『魔王様なんか大っ嫌いっ!』」

「ぐわはあっ」

 

パキイィン、とフォっちゃんは一瞬で石化する。

【こうかはバツグンだ】

 

横島はそんなフォっちゃんを満足そうに見つめると再び目線を草むらに向ける。

 

「同じ目に遭いたくなければ早くソレを持って帰れ」

「りょ、了解してラジャ!」

 

草むらから出て来たユーやんは石化したフォっちゃんを抱えて逃げ出した。

 

「お父さん……」

「あはは……」

 

 

 

-◇◆◇-

 

それから皆はプールに入り、思い思いに遊んでいる。

しかし、楓達はというと……

 

「…タダくん、ズルイです…」

「本当なら私がヨコシマを悩殺する筈だったのに…」

「世の中、何かが間違ってるのですよ」

 

彼女達の視線は横島のとある「一部分」に注がれていた。

 

「そんな事を言われてもだな」

「あはは……」

 

横島は「一部分」を隠すように胸に手を回しネリネはそれを見ながら苦笑していた。

 

「稟くん、向こうは向こうに任せておいて私達は私達で遊ぼうよ」

 

桜はそう言いながら稟の手を引きながらプールの真ん中に連れて行く。

そこに。

 

「稟ーーーっ!」

 

シアが後ろから飛びかかりしがみ付いて来る。

 

「う、うわっ!シア、何だいきなり?」

「えへへ、どう?柔かい?」

 

シアは自分の胸を稟の背中に押しつけながらそう聞く。

 

「こ、こら、何をするんだ何を!?」

「シアちゃん、大胆」

「照れなくてもいいじゃない。う・れ・し・い・くせに」

 

シアはさらにグリグリと擦りつける。

 

「シ、シア?何か何時もと違うぞ」

「そう言えば」

 

稟と桜がそう言うとシアはクスリと少し寂しそうに笑うとゆっくり離れる。

 

「せっかくの機会だからね。ちょっと羽目を外したかったのよ」

「そ、そうか?」

「そうよ、さあ稟、桜も。遊ぶわよ!」

「そうだね、稟くん、早く」

「分かった、分かった」

 

そんなシア達を見て横島とネリネは。

 

「ネリネ、シアちゃんは…」

「はい、あれはシアちゃんじゃ…」

 

 

その後シアは皆と遊びまわるが、

 

「何かいつものシアじゃ無いみたい」

「あ~、あれでしょ。いつもと違う私を見てと土見くんに対してのアピールな訳ですよ」

「いつものシアちゃんの方がいいと思うけどな?」

「こういう言い方は失礼ですがシアさんらしくないですよ」

「俺様としてはシアちゃんらしくないシアちゃんも新鮮味があっていいけどね」

 

そんな否定される言葉を聞く度にシアは軽く笑うが、その顔から寂しそうな表情は消えなかった。

そしてプール遊びも終わり、それぞれが自分の家に帰って行き稟達も家に入ろうとすると。

 

「稟」

「ん、何だシア?」

「またね」

「あ、ああ…」

 

シアは軽く手を振り、家の中に入って行く。

そんな彼女の後姿を見送りながら……

 

「シア……なのか?」

 

稟はそう呟き…

 

 

 

 

「ごめんね、シア」

 

     ううん、いいの…

 

”シア”は”誰か”に語り掛けていた。

 

 

《続く》

 

 

次回予告

 

”私の存在なんて誰も望んでない”

 

消える事を望む者

 

”そんな事無い、私は望んでる!”

 

それを拒む者

 

”俺に出来る事は無いのか”

 

彼女達を助けたい者

 

”彼女達を助けて来い、そうすれば俺が助けてやる”

 

助ける力を持つ者

 

そして”彼”は”彼女”に……

 

《NEXT・第十一話「たった一つの物、君の名は…》

 

シア、俺はお前を。お前達を…

 

 

 

 

 

 

 

NGシーン

 

横島はそんなフォっちゃんを満足そうに見つめると再び目線を草むらに向ける。

 

「同じ目に遭いたくなければ早くソレを持って帰れ」

「りょ、了解してラジャ!」

 

草むらから出て来たユーやんは石化したフォっちゃんを抱えて逃げ出した。

 

「お父さん……」

「あはは……」

 

「のわぁっ!」

 

ズデーン

ガシャーーンッ

 

「ああっ!」

 

 




(`・ω・)どこのトムとジェリーだ。


Q・『なにがなんでもくらぁっしゅ!』って何ですか?

A・むかぁーし、「すすめ、パイレーツ!」という漫画があってだな……
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