G×S!夕陽が紡ぐ世界   作:乱A

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(`・ω・)今回、作中で横島は神王達にタメ口で話したりしてますが前回は真面目な話をしてるので空気を読んで丁寧に会話してた訳です。


第十二話「神魔分離」

 

世界を渡り、「横島忠夫」となった少年は最初こそ引っ込み思案であったが、百合子や大樹から血の繋がりなど関係ないといった愛情を受ける間に徐々に少年らしい明るさを見せる様になった。

ただ、大樹の影響が現れ始めた頃には時、既に遅くあの性格は修正不可能であり、大樹は百合子に半殺しにされたりしていた。

そんなある日。

 

『おーい、横島』

 

学校の帰り道、友達の銀一と歩いていた横島を同じクラスメイトの夏子という女の子が呼び止めた。

 

『なんや、夏子』

『あれや、あれ』

 

夏子の指さす先を見てみると子猫が木に登ったまま降りられずに鳴いていた。

 

『ニャ~ン、ニャ~ン』

 

(なんや前にもこんな事があった気がするな~)

『ま、ええか。あの子猫を助けたらええんやろ?』

『そういうこっちゃ』

『大丈夫か横っち?』

『まかせとき』

 

横島はするすると木に登ると子猫に手を差し伸べた。

 

『ほら、こっちに来いや。はよ降りるで』

『…ニャ~ン』

 

子猫は一度鳴くとトコトコと近づいて横島の頭の上に乗った。

 

『乗ったな、じゃあ降りるで』

 

そうして木から降りると夏子に子猫を差し出して言った。

 

『ほれ、ちゃんと助けたで楓』

『・・・・・・・』

 

→ → →『・・・・・・・』

 

銀一は何か夏子から噴き出して来る黒いモノを感じて少しずつ後ずさっていった。

 

『…なあ、夏子』

『何や……#』

『楓って誰やろ?』

 

銀一は夏子から溢れてくる黒いモノに怯えながら『それを女に聞いたらアカンやろ!』と心の中でツッコみ、横島の手の中に居る子猫も動く事が出来ずに汗を流しながら怯えていた。

 

『私が知るわけないやろーー!!#』

『な、何やーー、何を怒ってるんやーー!』

『だいたい私を目の前にして他の女の名前を呼ぶなんてどういうつもりやーー!!#』

『何やしらんが堪忍やーー!』

 

怒りが爆発した夏子は横島を追いかけ回した。

 

『銀ちゃーーん、助けてくれーー!』

『アホーー、こっち来んなやーー!』

『水臭いやないかーー、一蓮托生・呉越同舟やーーーっ!!』

 

この追いかけっこは横島が力尽きて捕まり半殺しになるまで続いたという……

銀一という罪のない少年を道連れに……

 

 

 

 

第十二話「神魔分離」

 

 

”裏シア”と呼ばれていたシアの妹。

一度はシアの心の深奥に消えようとしていたが、稟に「キキョウ」という名を与えられ、もう一度皆と共に居る事を選んだ。

そして、神王邸に帰って来ると其処には横島達だけではなく、連絡を受けた桜と麻弓に樹、亜沙とカレハも集まっていた。

 

「稟殿、すまねえ……いや、ありがとう」

「稟ちゃん、ありがとう…ありがとう」

 

ユーストマとサイネリアは涙を流しながら稟に礼を言い、ユーストマのもう二人の妻、ライラックとアイリスも同じように泣いていた。

彼女達にとってもシア、そして「キキョウ」も大事な娘なのだから。

 

「麻弓に樹、亜沙先輩達も来てたんですか」

「うん、忠夫ちゃんに教えてもらったのよ」

「忠夫に?」

「後で成り行きを説明するより最初から知っていた方がいいと思ってな。それで彼女の名前は?」

「ああ、キキョウ…彼女の名前はキキョウだ」

 

そしてシアの所に女性陣が集まって行く。

 

「ゴメンねキキョウちゃん、気付いてあげられなくて」

「すみません」

「面目ないですよ」

「でも忠夫が言った。これからはキキョウも一緒に居られるって」

 

そんなプリムラの言葉を聞いてユーストマは忠夫に聞く。

 

「だが、どうやるんだ?融合なら何とかなるがさすがに分離なんて成功した例はねえぞ」

「大丈夫、俺にはそれを可能にする力があるんだ」

 

横島はそう言いながら右手を出すと意識下にストックしていた文珠を取り出すがタマモは心配そうに話しかける。

 

「ヨコシマ、本当にやる気?」

「当然だろ、それに約束したからな。稟がキキョウちゃんを助けたら、今度は俺が助けてやるって」

「た、忠夫ちゃん。その珠は一体何なんだい?気のせいか体の中から出て来たようにも見えたけど」

 

フォーベシィは文珠を指さしながら聞き、周りの皆も不思議そうに文珠を見ている。

 

「これは文珠といって霊力を極限まで収束させて作った珠だ。これに意味を持つ漢字を込めて解放すれば大抵の事は出来る。捕縛の【縛】と込めれば文字通り動けなくなるし【氷】と込めれば絶対零度近くまで温度を下げる事が出来る」

「ならもしかして以前、結界の中の私を探し出せたのも」

「これで、【捜】したんだ」

「へ~~、これは凄いね。そん所其処らの魔法具なんか目じゃないよ」

 

そんな風に樹達が文珠を眺めながら感心しているとタマモが語り出す。

 

「言っとくけどこれは絶対に此処にいる私達だけの秘密よ。向こうの世界でも文珠を作れるのは人界ではヨコシマだけだったんだから。もしばれたらどんな目にあわされるか分かってるでしょ」

 

タマモの言葉にユーストマとフォーベシィの二人は力強く頷く。

 

「ああ、当然だ。ばれる訳にはいかねえ、絶対にな!!」

「私も約束するよ。それはそうとその文珠とやらを使って本当に二人を分離できるのかい?分離の【離】だけじゃいくら何でも無理だと思うんだけど」

「勿論一つだけじゃ無理だけど文珠は複数個使って並列同期させる事によって応用力が膨れ上がるんだ。今回は【神】【魔】【分】【離】の四文字を使って神族のシアちゃんと魔族のキキョウちゃんを分離させるんだ」

「ねえ、横島くん。ちょっと気になるんだけど、それだけの事が出来るんだとしたらその文珠って結構お高いんじゃないの?」

 

麻弓がそう聞くとタマモが答える。

 

「そうね、以前オカルトショップを開いている厄珍って怪しげなおっさんに聞いたんだけど、もし流通に乗ったら一個10億位はかるくするって言ってたわね」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

暫くの静寂の後…

 

「「「「じゅ、じゅうおく~~~~~~~~~~!?」」」」

「と言う事は…四個使うんだから40億!?」

「ち、ちょっと待ってよ忠夫!いくら何でもそんな大金使わせる訳には」

 

あまりの事にキキョウが表に出てきて捲し立てる。

 

「あ~~、大丈夫大丈夫。それはあくまでも流通に乗った場合で作るのは俺自身だから元手はタダなんだ」

「そ、そうなんだ。あ~~、ビックリしたっス」

「じゃあ、ユーやんにフォっちゃん。何処か広い場所に人払いと認識削除の結界を張ってくれ。さっそく始めるぞ」

「分かった。じゃあ、丘の上の公園にしようか。あそこなら丁度いい」

 

 

そうして全員が丘の上の公園に移動するとユーやんとフォっちゃんによって多重結界が張られ外界と完全に遮断される。

 

「さてと、それじゃあ早速」

 

横島は文珠に【開】の文字を込めると封印具であるブレスレットにはめ込もうとする。

 

「た、忠夫さま!?」

「ちょっとヨコシマ、何をするつもりよ!?そんな事をしたら」

 

神魔人の事を知っている二人は慌てるが忠夫は言う。

 

「神魔人での姿の方が力の制御は確実だからな。それに皆に本当の姿を見せるいい機会だ」

「本当の姿?どう言う事だ忠夫」

 

そう聞いて来る稟に一度軽く笑うと横島は【開】の文珠をブレスレットにはめ込む。

すると辺りは眩い限りの光に包まれ、その光が収まると其処にはその背中に一対の翼をはためかせ瞳を深紅に染めた女性の姿の横島が立っていた。

 

「……タ、タダくん?…」

「忠夫……その姿は一体?…」

「忠夫殿…」

「忠夫ちゃん?」

 

呆然と自分を見る皆に横島は語り出す。

 

『言ったでしょ、本当の姿を見せるって。私は元々普通の人間だったけど向こうでの闘いで色々あって、今は神、魔、人、それぞれの種族の因子を同時に持っている神魔人と呼ばれる存在なの。普段はこの魔力封じの封印具で力を封印してるから人間の姿で居る事に問題はないけどね』

「あ、あの~~、本当の姿って事は横島くんって実は女の子だったって事なのですか?」

『…確かに体は女だけど頭の中はちゃんと男のままだよ。口調だけはどうしても女の物になっちゃうけどね。だから今までどおりに付き合ってくれると嬉しいな』

 

横島はバツが悪そうにそう言うが、

 

「当然です!!たとえどんな姿になったとしてもタダくんはタダくんです!!」

『…ありがとう、楓』

 

横島もそんな拳を握りしめて力説する楓を抱きしめる。

 

「は、はわっ、はわわっ!!」

「ず、ずるいです、楓さんばかり。私だって忠夫さまがどんな姿になろうと関係はありません!!」

 

そんな横島達を見て皆も優しく笑う。

 

『さあ、始めるわよ。シア、そこに立って。そしてシアとキキョウ、二人ともお互いに向き合っている感じをイメージして』

 

シアとキキョウは言われたとおりに目を瞑り、目の前にお互いが立っている姿を思い浮かべる。

 

「そうか、俺にキキョウを助けろと言ったのはこの為か」

『そう言う事よ、お互いがお互いを認め合いそれぞれを一人の存在として認識する、その為のキーワードが名前だったのよ。どれだけの力があったとしても文珠は万能じゃないんだから』

 

そして横島は文珠を四個呼び出すと【神】【魔】【分】【離】と込め、シアに向かって放り投げると文珠は一定の間隔でシアを中心に回り出す。

横島は翼を広げてシアに向けて両手を突き出し魔力の制御を始める。

 

元々この方法は自分の体からルシオラの霊気構造を無理なく分離させルシオラを復活させる為に編み出した物だった。

 

そして横島は思い出す。あの過去の出来事を……

 

《続く》

 

次回予告

 

横島による、シアとキキョウの神魔分離。

その力の確立には哀しい過去があった。

 

その時、彼は完全に人ではなくなった。

その日、彼は彼女と会えなくなった。

 

だが彼は前を向いて歩き出す。

また出会う、その時の為に。

 

《NEXT・第十二話「何時かもう一度茜雲を」》

 

それは別離(わかれ)の日、誕生の日、そして誓いの日。

 

 




(`・ω・)あの二人の名前は長いので今後はシリアス以外では省略します。
それと、アバンに出てた『夏子』が本編に出て来るかどうかは今の所未定で…

ぐはあっ!げぼつ、ぐはっ、がはっ、ぐぎゃはぁっ!
ぎょええ~~~~~~~っ!
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