彼が20年以上前に見たできごと
彼の大切な思い出
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クレイドル03防衛をクレイドル視点で書いてみた話です
思い立ったら吉日で書き上げたものなんであとで修正するかもです
「あれはもう、20年以上前の話だ」
私の前に居る、暖炉の前に座る初老の男が呟く様にしゃべりだす
「当時私はクレイドルに住んでいた。そう、あのORCAの襲撃に遭ったクレイドル03だった」
彼は手を擦りながら目を細め、言う
「あれはいつにもまして警備が厳重になって数日後の話だった___」
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《敵性ネクスト接近中、クレイドル市民は警備員の指示に従い緊急脱出用ランチに避難してください。》
家で家族と話していたら突然、ここに入った時に聞かされた緊急事態警報が鳴らされた
家の中に響きわたるサイレンと警告に両親と姉はパニックになりつつも必需品を持ち、私の手を引いてシェルターに移動していた
そうすると集光用に開けられた大きな窓から一筋の青い光が見えたような気がしたのだ
「ねぇ……おとうさん。あれ、何?」
姉がその光を指差し、父さんに聞くと
「きっとネクストだろう。このクレイドルを運用してる企業連が向けてくれたんだ」
その方向に一瞥も向けず、ひたすらに幼い自分の手を引く父の姿が焼き付いている
ネクスト……当時は企業によってプロパガンダの為に様々なネクストの話がクレイドルで見られた
BFFの姫、リリウム
オーメルの王子、オッツダルヴァ
GAの最高戦力、ローディー
インテリオルユニオンのGAの災厄、ウィン・D・ファンション
クレイドルに居た子供達は彼らに憧れ、スタイリッシュにデザインされた機体に惚れていた
クレイドル内で各種ネクストの模型が発売されていたことからも分かると思う
そして、私は手を握っていた父の手を剥がし、ネクストを一目見たい、ただその幼い一心で展望デッキに登る道へと恐怖で竦む脚を我武者羅に動かした
「!? バカ!何処へ行く!?キース!おい!!」
叫ぶ父を無視し、クレイドル内で最も外に近く、外が見える所まで行くと正に戦闘が始まったところだった
人型の、プライマルアーマーを展開したネクストの特集記事で見たホワイトグリントと言う特殊ネクストにそっくりな機体とアルゼブラ社のパーツで組まれた逆脚ネクストとが踊るように戦っていた
弾がライフルから吐き出され、当たるかと思うとプライマルアーマーのコジマ粒子が緑色に輝きながら機体の周りに弾ける
護ってくれているネクストは、相対しているネクスト以外にも動きがぎこちない、見たことがない機体が何体も群れていた。
だが数で劣勢にも関わらず両手に持ったライフルで周りを取り巻く無人機を次々と爆散させていく
「すごい……」
ただ、そう言うしかなかった
当時の私には目で追うぐらいしか出来ず、戦っている彼らはまるで舞うように戦っていた
見ていると、無人機の複眼がこちらを睨みつけるように動き猛烈なスピードでこちらに飛び込んでこようとしてきた
ソレを見て、死を覚悟した時、その彼が私の前に立ち、ライフルで無人機を弾き飛ばしていた
最後に立っていたのは”彼”だった
結局、逆脚のネクストは機体の各所から火花を散らし、擱坐していた
敵の全滅を確認したホワイトグリントを操る”彼”はチラとこちらを見たあと、オーバードブーストを展開し、あっという間に去っていった
彼はきっと気づいていた。私のことに
そして私はシェルターから出てきた父にこっぴどく怒られ、暫くは「ネクストを見た」と言うことで一躍皆のヒーロー扱いとなった
それから二、三ヶ月後。ORCAは潰され、平穏な日々が戻り、成長し、私はクレイドルを降りた
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「降りた理由?それはもちろん彼に会いたいからだよ」
懐かしそうに言う彼はまるでその頃に返ったようだった
「だけど結局、彼とは会えなかった。 多分もう会えないだろう。でもそれでもいい、と最近は思う様になった」
「そう……きっとそれでいいんだ」
話す彼は薄く微笑みながら、そう呟いた